「花と詩人」は音楽に対して自分が何を思っているのか
——「花と詩人」は11月のツーマンライブ『LAMP IN TERREN TOUR 「FOR TRUTH」』でも披露されていましたが、これは25歳になってから作った曲?
これは24歳最後で再生の一発目となった楽曲です。その時作った楽曲は10曲くらいあって初期のものです。
——25歳になってから作った曲は「new clothes」とか?
そうです。あれは仮タイトルが「25」で、ちなみに「花と詩人」は「24」でした。
——仮タイトルに数字をつけることは多いのでしょうか。
いえ、多くないですね。今回は自分が何を思っているのか記録するというイメージで曲作りを始めていたので。「花と詩人」は音楽に対して自分が何を思っているのか、ということを書こうとしていた曲だったので、その証として「24」にしてました。
——歌詞が出来上がって、「花と詩人」というタイトルが降りてきたと。
はい。メンバーに聞いてもらう段階では「花と詩人」でした。
——歌詞は様々な捉え方ができますよね? ストレートに読んだら男女のストーリーにも取れるし、ファンの方達とのことにも置き換えられるし。
ラブソングとして、僕の日常、松本大がLAMP IN TERRENのボーカルとしてお客さんに思うことについてなど、5通りぐらいはあるのではないかなと思います。あと、これは新しいなと思ったんですけど、失恋ソングだと解釈される人もいるみたいです。色々あって面白いなと。
——着想はどこからだったのでしょうか。
元々は僕の部屋に観葉植物があって、僕の部屋に日常的にあるものなんですけど、今ではそこになければいけないものになっている状況を曲にしたいなと思ったんです。僕は観葉植物に水をあげるだけなんで、自分には干渉してこない“奴”が、自分の一部を形成しているということがすごく面白くて。
——確かに改めてそう考えると面白いです。
そうなんですよ。僕はいつも綺麗に咲いていて欲しいんです。自分が綺麗なものを見たいだけのために水をあげるし、ちゃんと接していきたい。歌詞にもあるように愛は水のようで、歌も水と同じなんです。花は普通の花や人、恋人やファン色々あるけど、その全てが綺麗に咲いていって欲しいんです。
——綺麗に咲いて欲しいから水をあげるわけですからね。サウンド面なのですが、最初のスネアから一気に引き込まれますね。アレンジ面も相当こだわったのでは?
「花と詩人」も元々はシンセサイザーのパッドが入っていて、音域を埋めていたんですけど、全部無くしたんです。
——隙間を重視したんですね。
はい。ギターのフレーズとか隙間ありすぎて怖いですから(笑)。でも、この危うい感じがすごく綺麗だなと感じました。
——綺麗というのはこの楽曲のキーワードですね。ちなみに、MVは松本さんの部屋をイメージして?
ほぼ、そのままです(笑)。一つ違うところといえば、観葉植物か花かというところです。
——生活感ないですね…。今回MVはディレクションもされたとのことなのですが。
はい。カメラの位置を決めて回してもらって、それ全部編集しました。
——編集までやられたんですか。
なので、すごく恥ずかしんですよ。自分で撮った映像をこんな風にして恥ずかしくないのかと。もちろん恥ずかしいんですけど(笑)。
——でも、新しい扉が開けましたね。
そうですね。自分が表現したいことを全部再現しようと思ったら、それが一番手っ取り早いなと思ったんです。やったことがないことだったし、興味があったのでやってみました。
——前から興味があったんですね。
以前、撮影や映像に関して色々指摘していたら、周りから「ディレクションできるんじゃないの」と言われたことがありまして。昔から友達と一緒にMV撮ったりもしていたので。
——では、今回は周りの後押しからディレクションを?
いえ、自分から「やりたい」と言いました。とにかく、自分たちでやらなければいけないくらい時間がなかったので、「俺がやります!」と自発的に。
——制作時間のこともありますが、結果やりきった感がありますよね。
配信用のジャケットに関しても(大屋)真ちゃんに写真を撮ってもらったので、トータルパッケージとして100パーセントやりきりました。
——そうだったんですね。大屋さんの写真、雰囲気が良いですよね。SNSでも綺麗な写真がよく上がってますし。
本当に真ちゃんの写真すごく良いんですよ。今、たくさん写真を撮っておいてと言ってあって。定期公演が今年始まるので、その画像にも使いたいなと思っていまして。いずれは真ちゃんの写真を使っての企画もできたら、面白いかなと。あとは、CDのジャケットとか物としても真ちゃんの写真が使われたら嬉しいなと思っています。