音楽に何を思うか、LAMP IN TERREN 再生への兆しとなった新譜
INTERVIEW

音楽に何を思うか、LAMP IN TERREN 再生への兆しとなった新譜


記者:村上順一

撮影:

掲載:18年01月26日

読了時間:約14分

この曲が嫌われると言うことは自分が否定される

——大屋さんといえば、ツーマンライブでの体調不良は焦りましたよね…。現在は体調はいかがですか?

LAMP IN TERREN

 今のところは大丈夫ですね。でも、真ちゃん持ってるなと思いました。名古屋でも同じ状況になりかけたんですけど、結果的に復活したので。

——あの時も「この状況をむしろ楽しみたい」とは言ってましたが、内心はハラハラしていたのでは?

 これがドラムだったら無理だったかもしれないですけど、出来なくはない状況ではあったので、そうでもなかったですね。むしろ「ギターが今日はたくさん弾けるぞ!」ぐらいな気持ちで。でも、事なきを得たので良かったです。

——そのライブで「花と詩人」をステージで披露してみた感触はどうでした?

 この曲は初めて自分が「どう言われたら良いだろうか」というところを取っ払って、自分の言葉を意識して作った曲なんです。今まで、ほぼこうあったら良いなという発想から制作していました。初めて素の表情で言葉を話している感じ、それが直接伝わるとこうなるのかという、じわっとした感じはありました。僕的には自分のことを話しているかのような、変な時間だったんですけど(笑)。

 今までも感じることはあったのですが、比にならないほど大きかったんです。当たり前に持っている自分の言葉を言うだけの時間だったのですが、常に不安なんです。ちゃんと受け止めてもらえるかなとか、どこで歌う時よりもずっと不安でした。

 この曲が嫌われると言うことは、自分が否定されると言うことなので。今までの曲だったら、こうあったら良いなみたいな理想だったと、かわせたんですよ。でも、これから先にできる曲も否定されるとは思うんですけど、四肢を焼かれる気持ちになるんです。

——ご自身のことを歌うと言うことは、そうなってしまいますよね。

 リスキーなんです。でも、それができるようになったのも“戻ってきた”からかなと思います。もしかしたら“生まれ変わった”という表現の方が正しいかもしれないです。

——もし戻って来れなかったら、最近よく耳にする引退みたいな発想にもなりかねなかったのではと感じました。

 どうですかね…。引退ということは考えたことはないんですけど、死んでいた時はやらないほうが良いなとは思っていました。

——前回の『fantasia』のインタビューの時も、そう言ったニュアンスが感じられましたが、引退される人の気持ちもわからなくはない?

 わかります。引退もそうですけど、バンドの解散だったり、活動を停止、終了という言葉の表現のなかでも解散はまだ惜しい気持ちがあります。本当は続けたいけど、続けられない何かを感じるんです。僕はどちらかというと、終了というニュアンスに近かったかもしれないです。

——言葉のニュアンスによって背景が違うんですね。

 僕は違うと感じています。“終了”という表現は、生まれ変わりたかったのかなと思っていて、僕もすごくそれがあるんです。自分の過去や、足りなかったものを引きずっていくのが嫌なんだろうなと。

——言葉ひとつで色々考えさせられますね。

 僕も実際色々考えますし、でも今のメンバーで僕はやっていきたいという思いが強いので、僕らの解散はないですけど。

——松本さんも再生したばかりですからね。

 そうですね。あるとしたら例えばですがロゴを変えるとか?(笑)。見られ方が変わるかなとも思いますし。

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