今の歌に手応え感じてる、シェネル　節目に築けた新たな音楽性

次につながる「奇跡」

――今回のオールタイムベストでは、映画『今夜、ロマンス劇場で』主題歌「奇跡」が収録されています。これはどういう想いで歌っているんでしょうか。

　本当に書くのが大変だった曲。今年のこれまでの２作（Destiny、メタモルフォーゼ）を通じて、これまでのJ-POPどっぷりから抜けつつあるなかで、また戻るというような事はあまりしたくなかったので、今回の曲を作るにあたり、しっかり自分も関わって、しっかり自分の表現したいJ-POPの良いところ、そして洋楽の良いところ、ミクスチャーというものをしっかりこの曲でも表現したかった。

　それで、自分が歌いたいものではあるんだけど、聴いた人たちが馴染みのあるサウンドで、J-POPの要素もしっかりあるもので、アルバム『Destiny』にも参加しているたくさんをプロデューサーに迎えて、共同作業で作っていたの。凄く楽しかったけど大変だったし、フラストレーション、ストレスもたまる部分もあったし。でも興味深い色々な事を学ぶ経験にはなりました。

　初めて映画やドラマの主題歌、自分が歌うものとして自分が楽曲制作にも関わった初めての楽曲だった。作っている過程で、映画のプロデューサーたちにやっぱりOKをもらわなきゃいけないので、そういうのでいっぱい何回か色んなバージョンで提出したりしたのがあったのは大変なんですけど、最終的には映画に合うもの、みんなが聴いて印象に残るもの。ヒットするものを作りたいって気持ちで一生懸命作った結果、いわゆる典型的なJ-POPではない私らしいシェネルらしい曲が出来たと思う。

　映画も見たんですよ。凄くおとぎ話の恋愛で凄く可愛らしいっていうことで、良い経験が出来たと思うし、今後、楽曲制作に深く自分も関わっていくってことが出来て凄く良かった。

シェネル（撮影＝片山拓）

――「Destiny」がなかったらこの曲は生まれなかった？

　実際にこの話が持ちかけられたその映画のプロデューサーが、バラードをしっかり歌える人ということで私に依頼してくれたの。それはたぶん、「Destiny」だったかわからないけど、ひょっとしたら「Believe」みたいな王道のバラード、映画のタイアップもあったじゃないですか。その辺のイメージにあったのかもしれないけれども、お話しをもらえてとにかくありがたかった。

――今年はハイブリッドの「Destiny」ができて、それをさらに進化させた「奇跡」があって、今後どのような曲をみせてくれるのかが楽しみですが。

　「奇跡」に関しては、本当に単発で「こういう主題歌お願いします」というかたちできたので、計画にはなかった。普段だったらそれを核にアルバムを作るわけなんだけど、今年既に沢山のアルバムを出しているので、来年の新作はいまのところ予定はないかな。

――今後どういう活動を？

　今年出した作品をもとに、それを発展させていく旅を続けることね。やはり、今年確立したサウンドがここまで出来たのでそれをしっかり発信して多くの人に届けていきたい。ライブを出来る限りやりたいたいし、日本だけに限らずこの音楽を世界に届けていくことも集中してやりたいです。

――ということは、ライブ活動が中心になっていく？

　人前に出て歌うっていうことで、自分の良さが人に伝わると思うんですよね。

――ぜひ日本にも。

　心配しなくても大丈夫。とはいえは、日本以外の国にもしっかり自分の音楽を届けていきたいという思いがいま強くあります。今は使命感で燃えています！

――各国によってリズムとかも違うので、音楽的変化もあるかもしれないですね。

　そうあって欲しいですね。もっと成長したいし、決まった所に立ち止まらずにね。

――楽しみにしています。

　私も。

――最後に今回のベストを聴いたらシャネルさんの活動、良さのすべてがわかると思うんです。どれも良い曲だし、時代が変わってもずっと良いんです。その中で自分が思い入れの強い曲があったら教えてください。

　やっぱり「Destiny」かな。凄く歌っていて良い。歌っていてやっぱ楽しい。この曲を歌うときに、込みあげてくるっていう表現が正しいかわからないけど、自分の中で何かが湧き上がるっていうか。歌のときに感じることなんですよね。

――聴いていても湧き上がってきますよ。

　ありがとう！