東京・渋谷WWWでフリーワンマンライブを開催したましのみ(撮影=木村智軌)

 シンガーソングライター・ましのみ(20)が14日、東京・渋谷WWWでフリーワンマンライブを開催した。ポニーキャニオンからメジャーデビューすることが決まっている、ましのみ。この日は、4日に発売したシングル「プチョヘンザしちゃだめ」や、昨年9月に発売したアルバム収録曲を中心に全12曲を披露。曲の合間には寸劇を取り入れるなど、独特の世界観で魅了した。また、来年2月7日にメジャーデビューアルバムを発売することを発表。「観たことのない世界に皆さんを連れていきたい」と意気込んだ。

熱々でよろしくお願いします!

(撮影=木村智軌)

 会場は既にギュウギュウ詰め。小雨で肌寒く感じる外は異なり、熱気で室温は上昇続けていた。開演時刻午後4時を回ると、流ちょうなラップを披露しながらましのみがステージに登場。白一色の衣装に身を包んだ彼女はスカートを揺らしながら1曲目の「Hey RADIO」を歌い上げる。包み込むようなふわっとした歌声と仕草で一気にその世界観に引き込む。オーディエンスも彼女の歌に合わせクラップをしながら楽しんだ。

 「さあ、皆さんワンマンライブが始まりました。楽しむ準備は出来ていますか?」と投げかけると、そのまま2曲目「【サポートされていない恋愛形式です】」へ。ふんわりとした世界観をそのままに観衆の熱量は上がっていく。サビ部の<MP3>のフレーズでは、指を3本を立てて前に押し出す振付を、会場全体で。振付をもって重なり合った感情は、更に高揚感を高めた。

 先ほどまではボーカルに専念していた、ましのみ。前に置いてあるキーボードの鍵盤の上にそっと両手を置くとしばらくして、激しく弾き始める。「名のないペンギン空を飛べ」。キーボードが自身の愛車と言わんばかりにテクニカルに操る。その巧みな演奏に観客は釘付けになっていた。

 その後、オリジナルの寸劇へ。タミコとタクヤという男女の恋物語をましのみが一人二役で演じた。リアリティのある迫真の演技で魅了する一方で、ユーモアある恋のゆくへに会場の心をほっこりさせた。そんな雰囲気のもとで2016年9月17日にリリースしたアルバム『ハッピーエンドが見えません』の表題曲「ハッピーエンドが見えません」へと続けた。

 5曲目には、リズミカルな楽曲「Q.E.D.」を届ける。リズミカルなドラムの上で、ましのみは、軽快なキーボード演奏ととろけるような甘い歌声をみせていく。興奮の度合いを示すようにその後のMCでましのみは「北極の氷が急に解け出し、アスファルトから火を吹き出すぐらいの熱量で今日は行きたいと思います」と独特の表現を使ってこの日を迎えられた喜びを表した。

 一方、恋や愛について想いを述べていく。「愛とか恋とか私は分からない。でもその事について分からないままだと嫌だし…」「考えるしかないんだなと思って、愛と言うものについて私なりに考えていたらできた曲です」と語ると新曲「やりくりゲーム」を披露。ミディアムテンポの曲調に語り掛ける様に歌い届けていく。

ましのみおめでとう!

メジャー発表に歓喜するましのみ(撮影=木村智軌)

 ここで再び、オリジナル寸劇を披露。女心が赤裸々に綴られている「2コードのシティポップ」へ向かいライブは後半戦へ。

 8曲目では「エゴサーチで幸あれエブリデイ」を披露し、<私の名前はま!し!の!み!>というコール&レスポンスが巻き起こり、会場の一体感が生まれる。その空間を保ちつつ、EDMサウンドを基調としたノリの良い「プチョヘンザしちゃだめ」を畳みかけ、更に会場の熱量を上げていく。

 本編最後まで残り1曲を迎えると、その前にましのみからサプライズで発表が。その内容は「太ももの筋肉がめっちゃついた」と「中国語のテストで95点を獲得」という異例の発表。これにはオーディエンスから笑いと、拍手が飛び交う。だが、これが彼女なりの前フリで、本当の発表は「メジャーデビュー決定」と「メジャーデビューアルバムリリース決定」というものだった。オーディエンスから「ましのみおめでとう!」「ましのみ!」といった祝福の声と、拍手が巻き起こった。これにはましのみも、はにかみながら幸せそうな表情をしていた。

 それに対しましのみは「本当にありがとうございます。これからも皆がいてくれればもっと高みを目指せるし、今がスタートラインだと思っています。メジャーでもインディーズでも関係なく、みんなの期待を良い意味で裏切り続けるために常に変わり続けていこうと思っています。とにかく絶対にビッグになって広くて、面白くて、見たことがない世界に皆さんを連れていくので、これからもましのみをよろしくお願い致します!」と感謝と抱負を述べた。

 そしてラストには、ましのみが決意を込めて歌ったピアノ弾き語りバラード「それ以外」を披露し、ライブは幕を閉じた。

 だが本編が終わりを迎えても、フロアからはアンコールの声と拍手に包まれる。するとその声に応えるように再びましのみがステージに登場。思わずお腹が空いてしまいそうになる歌詞が印象的な「WANKO=SOBA」と愛らしい表情で歌う「ミスター」を披露し、ましのみのフリーワンマンライブは終了した。【取材=橋本美波】

セットリスト

1.Hey RADIO
2.【サポートされていない恋愛形式です】
3.名のないペンギン空を飛べ
4.ハッピーエンドが見えません
5.Q.E.D.
6.やりくりゲーム
7.2コードのシティポップ
8.エゴサーチで幸あれエブリデイ
9.プチョヘンザしちゃだめ
10.それ以外
ENCORE1
1.WANKO=SOBA
2.ミスター

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