映画『ナラタージュ』の『一生に一度の恋をした人限定!スペシャル試写会』の舞台挨拶に出席した左から行定監督、有村架純、坂口健太郎

 嵐の松本潤(33)が27日、都内で映画『ナラタージュ』(10月7日公開)の『一生に一度の恋をした人限定!スペシャル試写会』の舞台挨拶に出席。会場にはメガホンをとった行定勲監督と女優の有村架純(24)、俳優の坂口健太郎(26)も出席した。松本と共演した坂口は「松本さんが“松本潤”じゃないんですよね。テレビで観る松本さんと違う…そこが印象的でした」と普段見せない顔を役として演じきった松本を絶賛した。

 『ナラタージュ』は2006年に「この恋愛小説がすごい」第1位を獲得した島本理生氏の同名小説を『世界の中心で、愛を叫ぶ』などの作品で知られる行定監督が映画化。妻を持つ高校時代の演劇部顧問の葉山(松本)と再会した、泉(有村)との禁断の純愛物語。行定監督が構想に10年を掛けたという渾身の作品。ヒロイン泉に想いを寄せる、大学生の小野玲二役を坂口が演じる。

 この日は映画の登場人物のような“一生に一度の恋”のエピソードを募集し、その一部をステージ上で紹介。出演者たちがエピソードに照らし合わせながら、恋愛観を語った。また、観客に「黒い衣装」のドレスコードを設け、シックな雰囲気が会場を包んだ。その中でステージに現れた松本、坂口、そして行定監督はそれぞれタキシードとスーツ姿で、有村が美しく輝くような白いドレス姿で登場。彼らも顔を見合わせ合って驚くような表情を見せるくらい、大きな歓声に出迎えられた。

 松本は「こんばんは。葉山先生です。一足先に皆さまに来ていただき、嬉しく思います」と挨拶。有村は「葉山先生が登場した瞬間、凄かったですね」と歓声の大きさに驚いた様子。さらに坂口も「いやぁ、熱気が凄いですね。僕も思わず歓声を上げて…(笑)」と会場を和ませた。行定監督は「この歓声が観終わったあと、どのような歓声になるか、それが見たいですね」とコメント。

 決して報われることのない恋愛を描いた今作。松本は「どう受け取って頂けるか、というのが凄く興味があります。明るくてハッピーな恋愛映画ではないので…これから何年か経って、自分が恋愛していく中で『ああ、こんな映画あったな』と思い出してもらえるような、記憶に残る作品になったらと思います」と作品について語った。

嵐・松本潤の演技に感嘆したと話す坂口健太郎

 構想に10年を掛けたという、行定監督は「この3人が10年前は共演することはあり得なかったんですよね。この3人がキャスティングされるまで待たないといけなかった作品なんだなと今は思います」と振り返り、「映画は作られるべき時に作られると幸せなんですよ。無理くり作ってしまうこともあるんですよ。そういうのが今回は全くない。恋愛劇というのは、身近な感情なので特別なものが何もない。だからこそ、嘘がつけない。そういう意味で嘘のない、自然に演じられる3人なので、この作品に凄く活かされています」と3人の共演に大満足した様子。

 坂口は「松本さんが“松本潤”じゃないんですよね。テレビで観る松本さんしか知らなかったので…葉山先生として立っているんですよね。そこが印象的でした」と松本が役に成りきっていた現場を振り返った。

 また、観客から事前に応募した“一生に一度の恋”のエピソードを監督と出演者がそれぞれ選び、ステージ上で紹介。松本は「10歳以上離れた男性に人生で初めてもどかしい恋愛感情を抱いてしまったが、相手の気持ちもわからない。でも、人生で一番大きな恋愛経験だと思う」という20代の女性のエピソードを選んだ。

 松本は「こういう方に是非、この映画を観てもらいたい。好きという気持ちだけじゃなく、不安な気持ちもあって、でもポジティブな方の気持ちを信じたいという想いを感じました」と言い、「この映画がちょっと背中を押せるような作品になったら嬉しいし、もう少し年を重ねたときに、どういう風にこの恋愛がなっているか分かりませんが、また改めてこの作品を観たら印象が変わるんだろうなぁ、と思って選びました」とエピソードの主にとって忘れ難い作品になれば、と期待を寄せた。

 最後に、松本は「すごく苦くて、傷ついて…恋愛って何だろうな? という感情を掻き立てられる様な濃い映画に仕上がりました。皆さんに今日観て頂いて、“一生に一度の恋”や自分にとって一番大切な人のことを改めて考えれる作品になればと思います。たくさんの方に愛されて、たくさんの方の心に残る作品になったらいいなと思います」と呼びかけた。【取材・撮影=松尾模糊】

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