「夏のマボロシ」は辞めたスタッフのはなむけ
――見事にハマりましたね。もしかして「夏のマボロシ」にもそういったエピソードが?
活動休止をして、僕もずっと休むのかなと思ったのですが、舞台やソロ活動が始まって、スタッフが必要になって来まして。そのソロ活動中にスタッフが3人変わりました。
あまりにもスタッフが僕のせいでもないのに辞めていくので、事務所の社長に「まるで僕が影でボコボコにしているみたいだと思われる」とジョークで言うくらい、短期間でポンポン変わって。「夏のマボロシ」はその辞めたスタッフに向けて書いた曲です。
――そういったことは全然感じさせない曲ですね。
もともとは、スタッフが辞めたときに家に帰って書きました。「幻みたいだったな」と。
――話を聞いてみると、そういうことなのだなとわかってくる歌詞ではあるのですが、最初はKAZYAさんのことを書かれているのかなとも感じました。
確かにそう思われる可能性もありますね。でもスタッフですよ。
――でもライブでも既に披露されているし、以前からある曲だということは周知の事実ですからね。
そうですよね。これKAZYAがギター弾いていますしね! でも<お前との出逢い忘れたくない>で終わっているので辞めたメンバーに歌った曲みたいに感じられますね。爆風スランプで言うところの「Runner」みたいな。「Runner」はベースの江川ほーじんさんが辞めたタイミングで書いた曲ですから。
――「南風」はまた違う夏をイメージさせますね。
アルバムにこんな曲がひとつあればいいかな、と思って書きました。結局夏の曲は夏に出した方がいいのではないかという話になって、全部まとめようと思いまして。僕はいつも夏になるとSublimeが聴きたくなる。Sublimeを聴きながら車を走らせるのが好きで、そういう曲になればいいなと思って、そういうイメージで作りました。
(*Sublime:サブライム=米国のロックバンド。パンク、レゲエ、スカ、ヒップホップなどを取り込んだ独特のサウンドが特徴)
――「FOLLOW ME」は? この曲はそこまでダイレクトに“夏”とは言っていませんね。
そうなんです。実は『GET UP YOUTH!』のレコーディングで最初に録った曲です。「勢いある曲をレコーディングしたいよね!」と最初に録ったのですが、何を歌うか全く考えていなくて、歌詞が書けなくなってしまって。最初の勢いづけで録った曲だから尺が凄く短いし、勢い一発という感じの曲です。
それで放ったらかしにしていたのですが、「これは夏にいいかもね」という話をスタッフがしていて、「じゃあ夏曲にしよう」ということでずっと寝かしていた楽曲です。待ちに待って最近やっと歌詞を書きました。歌詞の内容としては、ストレートに「活動を再開して、みんなついてこいよ」というメッセージの楽曲です。なので、結果的に「サマバケ!」だけがKAZYAが辞めた後に作った曲です。だからネガティブな感じにしたくない、という反動で凄く明るい曲が出来ました。
――ここで悲観的になってもらしくないと。
そういうのは嫌でして。辞めた瞬間に、思ってもみなかったこともありますし。例えば4人の写真は使えないとか。写真から1人切り離すのも違うなと。そういうことがあって、気付いたら僕1人の写真がバンドのアーティスト写真になっていて。
まるでメンバー3人が辞めて「1人で175Rです!」みたいなアー写になってしまっていて。1人は嫌だから早く3人の写真撮ろうよと。さすがに野音のライブも3人だけで撮れている写真なんてなくて。まさか、辞めるなんて思っていませんでしたから。それでスタッフも考えて考えて、仕方なく僕1人の写真になったわけです。
でも、今回初めて3人の写真を撮りました。とにかく暗いのは嫌だったので、MVも含めて凄く明るくしました。「僕らは悲観的になっていないよ」と。
――ここからまた新しい175Rで進んでいくという決意ですね。ジャケ写もアメリカンなアートワークでいいですね。
このジャケ写は『GET UP YOUTH!』のジャケ写にポスターとして既に入っています。内容は全く決まっていなかったのですが、こういう感じでいきたいというイメージで(笑)。あと、通常盤の裏ジャケのパンダの被り物をしているギタリストは、実はもともとハンチング帽を被ったKAZYAをイメージしたものだったのですが、脱退してしまったので急遽パンダを被せました。ちょうどその時に自宅にパンダの被り物があったので、これも突発的ですね。
――最後にツアーに向けて一言お願いします。
本当に久しぶりの全国ツアーです。野音を経て、活動再開してからの175Rはライブハウスで感じて欲しいと思ったので、みんなが思い切りストレス発散できる、久しぶりの175Rを感じてもらえると思うから、全国を廻るので、是非たくさんの人に集まってもらいたいです。僕らは先々のことをあまり考えないので、このツアーを逃したら次はいつ観られるのか、わからないので。
(取材=村上順一/撮影=遠藤真樹)
撮り下ろしカット
作品情報
SUMMER VACATION 2017.07.05 IN STORES 【初回限定盤】 <DISC 1.> 「SUMMER VACATION」(全4曲収録) <DISC2.> 「175R(e)BEST2」 (全6曲収録) 【通常盤】 |
ツアー情報
175R TOUR 2017 「GET UP YOUTH!」
★9/09(土) 東京・SHIBUYA CLUB QUATTRO ★9/10(日) 宮城・SENDAI CLUB JUNK BOX ★9/18(月祝) 茨城・mito LIGHT HOUSE ★9/22(金) 愛知・名古屋Electric Lady Land ★9/24(日) 福岡・DRUM Be-1 ★9/26(火) 広島・HIROSHIMA CAVE-BE ★9/28(木) 香川・高松DIME ★9/29(金) 大阪・umeda TRAD (旧:umeda AKASO) ★10/04(水) 千葉・千葉LOOK ★10/06(金) 埼玉・HEAVEN'S ROCK さいたま新都心VJ-3 ★10/18(水) 北海道・札幌 cube garden ★10/21(土) 長野・NAGANO CLUB JUNK BOX |