音楽とダンスパフォーマンスが繰り広げられるなかで打ち上げられる花火

 音楽やダンス、光などを使った演出で彩る花火エンターテインメント『STAR ISLAND』が27日、東京・お台場で初開催された。音楽と同期した花火の演出や水上ダンスなどのパフォーマンスが入り混じる、総合芸術的なプログラムで集まった多くの観客を魅了した。

 このイベントは、俳優・映画監督でもある小橋賢児が総合プロデュースを手掛け、音響監督にはハリウッドからも注目されるサウンドクリエイター、katsuyuki setoが携わった。彼が構築する独自のシステムによって会場のどこからでも均等な音響が味わえるのもこのイベントの魅力だ。

 会場では、午後4時のオープン前から入場待ちをする人々が目立っていた。午後5時になるとELLI ARAKAWA、RHYME、NAOKI SERIZAWA、さらに先日自身のプロジェクトのMONDO GROSSOで、乃木坂46の齋藤飛鳥とのコラボレーション作品を発表した、SHINICHI OSAWAがDJを務め、彩りを加えてく。特にSHINICHI OSAWAのDJは自身の得意とする、クラブジャズ的で洒落た選曲が現場のムードを演出していた。

 日の入り前後の時間から来場客が急増し、午後7時20分から『STAR ISLAND HANABI SHOW with 3D SOUNDS』と題した、五感を刺激するパフォーマンスがスタート。クラシカルな雰囲気や、電子音、低い音程の轟音、人の声、きらびやかなノイズなど様々な音響があちこちを飛び回る様な演出で雰囲気を創り出していく。

DJで参加したSHINICHI OSAWA

 さらに神秘的なトーチパフォーマンスとウォーターパフォーマンスを経て、音楽はダンスミュージック調に移行。海上で踊るダンサーや、炎と光を使ったパフォーマンスも入り混じっていく。春夏秋冬をイメージにして打ち上げられた花火は、積極的に音とリンク。スタイリッシュな和音やベース音と花火が同期した瞬間はとても刺激的であった。

 この花火演出を担当したのは丸玉屋小勝煙火店。彼らは音楽と花火を同期させる『ハナビリュージョン』なるものを実現できる数少ない業者だという。音楽的なブレイクに合わせて花火の炸裂音を鳴らしたり、楽曲が盛り上がる瞬間に発射される演出、ミラーボールの光の様な花火など素晴らしい技術力を見せつけていた。

 音響も重低音がしっかり響き、さながらクラブの様相を呈していた。フリーソウル的なものやトロピカル調など、ダンスミュージック多めの選曲は花火の視覚的演出と上手く溶け込む。後半はチルな場面も織り交ぜて展開をつけつつ、エンディングは華やかなオーケストラのトラックと、それに呼応した花火の連打で、プログラムは壮大な大団円を迎えた。(取材・撮影=小池直也)

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