号泣じゃなく曲で勝負、BLUE ENCOUNT 実体験から生まれた新曲
INTERVIEW

号泣じゃなく曲で勝負、BLUE ENCOUNT 実体験から生まれた新曲


記者:榑林史章

撮影:

掲載:17年04月27日

読了時間:約11分

バンドの質感は残しつつ、メロディ感やアプローチはJ-POP。新しい武器を投入したという新曲「さよなら」をリリースしたBLUE ENCOUNT

 4人組ロックバンドのBLUE ENCOUNTが26日に、通算7枚目となるシングル「さよなら」をリリース。“ブルエン”は、2016年10月に自身初の日本武道館公演を成功させるなど、シーンのなかで頭角を表している。今作の表題曲は、映画『ラストコップ THE MOVIE』(唐沢寿明主演)の主題歌で、昨年放送されたドラマ『THE LAST COP/ラストコップ』主題歌「LAST HERO」から引き続いての起用。作詞・作曲した田邊駿一(Vo&G)は、今作について「バンドの質感は残しつつ、メロディ感やアプローチはJ-POP。新しい武器を投入した」と話す。実体験から生まれたというこのシングルに託した想いと、今バンドが向かっている方向性とは。

極上バラードでJ-POPに挑む

田邊駿一(撮影=鈴木公平)

――「さよなら」は、脚本を読んだ上で書かれたのですか?

田邊駿一 はい。それで最初に浮かんだのが、「さよなら」という言葉でした。ドラマで物語の世界観を一度体感していたので、悩むことなくスムースでした。前の『LAST HERO』のときのほうが、よほど難産だったと思います。テーマとしては少し重めなので、『LAST COP』の世界観に合うのか、最初は少し不安があったのですが、プロデューサーから「10秒で泣きました。分かってるじゃねーか、ブルエン」とメッセージが来て、安心しました。

――バラードは指定だったんですか?

田邊駿一 指定もあったけど、僕らの中でアルバム『THE END』の次に出すシングルは、バラードだと決めていたんです。日本人ってやっぱりバラードが好きだし、J-POPの名曲と呼ばれるものにはバラードが多くて。僕らの次の一手として、J-POPに照準を合わせて作ろうと思ったんです。

――Radioheadの「Creep」とか、バンドのやるバラードは、やっぱりかっこいいですよね。

田邊駿一 結局、ロックキッズたちも、「こういうバラードは好きでしょ?」というのがあって。俺らもキッズだったときは、ELLEGARDENのバラードで手を挙げていて、洋楽のロックでもめっちゃエモいバラードを聴いて、テンションを上げていたし。

 純粋に音楽が好きな者としてバラードをやりたかったのと同時に、自分たちが、どれくらい幅広い層に届けられるか確かめたかったというのもあります。それで、バンドの質感は残しつつ、メロディ感やアプローチとしてはJ-POPを意識しました。だから、新しい武器を投入したという感じです。

――ギターと歌で始まり、徐々にバンドサウンドになって激しくなっていく。王道ですね。

江口雄也(撮影=浜野カズシ)

田邊駿一 ギター2本の絡みは、ギターロックの良いところですね。メロディアスなギターフレーズは、バンドシーンを意識して。だから、どんな趣味の人でも、引っかかる部分がどこかにはあると思います。ギターロックが好きな人、エモが好きな人、J-POPが好きな人、みんなが聴けるものを作ることが出来ました。

――音はシンプルなので、演奏では緊張するんでしょうね。

辻村勇太 緊張すると音が伸びやかじゃなくなるので、緊張は雑念でしかないんです。だからレコーディング本番までには、目をつむって弾けるくらいになるまで練習しました。そうやって自信をつけないと、レコーディングで絶対に良い演奏が出来ないと思ったので。それにライブでも、緊張した音を出したくないし。

高村佳秀 こういうシンプルな曲だからこそ、4人のグルーヴが合わさったときの気持ち良さが最高です。まだ成長段階だけど、ライブで何度もやっているうちに、いちばん気持ちいいポイントが分かってきた感じです。

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