来年1月にサントリーホールでデビューリサイタルを行う反田恭平

注目が集まっている反田恭平

 ピアニスト・反田恭平(22)のCD作品が、通販大手・アマゾンの売れ筋ランキング・クラシック部門で1位と2位を独占している。2日にTBS系で放送されたドキュメンタリー番組『情熱大陸』で密着取材を受けた模様が流れ、放送直後から話題となっていた。

 反田恭平は2012年、高校在学中に第81回日本音楽コンクールで、高校生では11年ぶりとなる第1位を獲得。2014年にはモスクワ音楽院に首席で入学。2015年7月にはアルバム『リスト』で日本コロムビアからデビュー。現在はロシアに拠点を置きながらも、日本でコンサートを開催している。

 コンクールでの功績も然ることながら、彼を一躍有名にさせたのは、前記のデビューアルバム『リスト』で使用したヴィンテージ・ニューヨーク・スタインウェイ(CD75)。20世紀最大のピアニスト「ホロヴィッツが恋したピアノ」として知られた銘器。大胆さと繊細さを併せ持つ反田の才能に惚れ込んだタカギクラヴィアが使用提供している。

 この銘器と反田の愛称は凄まじく良い。この銘器は、千変万化の音色を表現できる一方、ピアニストに極限まで精巧なタッチ・コントロールを要求するこの難しい。これを反田は嬉々として弾きこなし、テクニックを超えた圧巻の領域まで、その能力を使いこなし、表現する。今年1月にサントリーホール・大ホールでおこなわれた、デビューリサイタルでもこの銘器を使って、希代の音楽家・フランツ・リストの楽曲などを立体的に弾き、描いた。

 そして、2日に放送されたTBS系『情熱大陸』では、「『クラシック界を震撼させる才能』と称され、世界で注目を集めている新進気鋭のピアニスト」として、「本場ロシアに留学しその才能をグングンと進化させている真っ最中の反田に密着」した模様が流れた。その姿は放送直後から話題に。クラシックファンを中心にネット上で絶賛の声を挙がっていた。

 そうした話題は、実質の数字にも反映され、通販大手のアマゾンジャパンのCDセールスにおけるクラシック部門の売れ筋ランキングでは、反田恭平の作品が急上昇。デビューアルバム『リスト』は1位に、2015年3月発売の『ライヴ!反田恭平』は2位にランクインし、1位と2位を独占している。

 デビュー当時は20歳だった反田恭平。鮮烈デビューを飾り、前記のデビューリサイタルは新人では異例のサントリーホール大ホール。しかも、客席定数2000席のチケットは全て完売し、急きょ補助席も加えられたほど。フランツ・リストの再来とも呼ばれる彼に相応しい舞台だった。そして、この夏には浜離宮朝日ホールで3夜連続ピアノコンサートを開催。3日間合計で1600人を超える観客を集めた。

 異例尽くしの功績が並ぶが、今回の放送がきかっけでファン層の更なる拡大が期待される。

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