記者会見に出席したダニエル・エク氏ら(撮影・小池直也)

記者会見に出席したダニエル・エク氏ら(撮影・小池直也)

 世界最大手の音楽ストリーミングサービス「Spotify」(スポティファイ)が29日、エントリー制による日本でのサービスを開始した。このサービス開始に伴う記者発表会が同日、都内で開かれ、本社CEOのダニエル・エク氏、Sportify JAPANのハネス・グレー代表取締役、そして、ライセンシング&レーベルリレーションズディレクターの野本昌氏、玉木一郎氏らが挨拶。今後の展望について語った。

 今回、日本でスタートした「Spotify」は、無料のフリープランと有料のプレミアムプランの2つのサービスが選択可能となっている。プレミアムプランへのアップグレードは月額980円(税込)。無料プランは広告が表示されるが、提供される楽曲は全て視聴が可能だ。有料プランでは、広告表示がなくなるほか、楽曲の音質は320kbpsと高音質になり、楽曲のダウンロードやオフラインでの視聴も可能となる。有料プランは30日間はフリーで試用もできる。

 「Spotify」は2006年に、スウェーデン・ストックホルムで設立。2008年のサービス開始以来、50億ドル以上の収益を権利保有者にもたらした。また、サービス展開国は日本で60カ国目。現在は世界で1億人以上のアクティブユーザーを抱え、4000万曲以上の楽曲をオンデマンドで利用可能となっている。日本では2012年から登録受付は始まったものの進展せず。今回は、4年越しの日本上陸となる。

 発表会はまず、CEOエク氏の「当時私が東京に来た時、日本の伝統に驚きました。これによって日本が非常にユニークな国になったんだと思います。今回は200万ものアーティスト(登録アーティスト)を日本にお連れすることが出来て本当に喜ばしく思っておりますし、私たちが好きな邦楽アーティストを紹介することができてとても嬉しいです」という挨拶から始まった。

 そこからグレー氏が「1つお話ししたいのは、『Spotify』は音楽を使ったテクノロジー企業ではないということです。テクノロジーを使った音楽会社であります。ファンのための、ファンによる音楽企業です。だから毎日より沢山の人に沢山の音楽を提供するためにはどうしたらいいかと考えて開発しております」と前置きしてから、サービスの説明が始まった。

 毎週更新されるユーザーの趣味趣向に合わせたプレイリスト「Discover Weekly」やユーザーが好むアーティストの新曲が紹介されるプレイリスト「Release Radar」を始めとした多種多様なコンテンツが紹介されていく。プレゼンテーションの中では宇宙飛行士の毛利衛氏が「Spotify」を操作するPR映像も挿入され、楽しめるエンターテイメント性も取り込まれていた。

 さらに「Spotify」を支持するミュージシャンのビデオメッセージも国内外から届けられた。祝福を届けたのはONE OK ROCK、KYGO、東京スカパラダイスオーケストラ、m-flo(☆Tak Takahashi)、Major Lazar、Metallica、Corinne Bailey Raeら。

 続いて野本氏が「『Spotify』は世界に開かれたプラットフォーム。日本のアーティストと1億人の『Spotify』ユーザーを結びつける役割を果たしたい」、「新しい音楽、アーティストに出会う機会を提供していきたい」、「音楽業界の成長に貢献できるような存在になりたい」と3つの目標を掲げた。

 最後にSportify JAPANのメンバー玉木氏が登場。元々電子書籍の分野に携わってきた玉木氏はこれを機に音楽業界に移籍したのだという。「日本の音楽ファンの皆さんの気持ちに合わせて、音楽を届けたい」、「日本の才能溢れるアーティストと世界中の『Spotify』ユーザーと結びつけて、音楽業界に貢献するだけではなく、日本の音楽文化を世界に伝えたい」、「あらゆるパートナー企業と一緒にこの『Spotify』をいつでもどこでも、という環境を作って社会に貢献したい」と力強く語った。(取材・小池直也)

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