囲み取材に応じた知英。チャーミングな一面をみせた(撮影・小池直也)

囲み取材に応じた知英。チャーミングな一面をみせた(撮影・小池直也)

囲み取材に応じた知英。チャーミングな一面をみせた(撮影・小池直也)

 “JY”名義で歌手としても活躍する、女優の知英(ジヨン=22)が初主演を務める、ブロードウェイミュージカル『スウィート・チャリティ』が23日、天王洲・銀河劇場で開幕した。それに先駆けて同日、報道陣向けにリハーサルが公開され、それに伴って開かれた囲み取材で知英は「主人公の冒険でもあるし、ある意味、自分の冒険」と意気込みを語った。

知英にとって初舞台・初主演

 『スウィート・チャリティ』は、1966年ににブロードウェイで上演され、1968年にはシャーリー・マクレーンが主演で映画化もされた、ミュージカルの名作。主人公のチャリティが真実の愛を求めて奔走する、というストーリー。今回、この名作の振付・演出を担当したのは、ミュージカル界をけん引する上島雪夫さん。実力派のキャストたちが脇を固める中、知英は今回が初舞台・初主演となる。

 囲み取材で、知英は「本当に緊張もしているけど、皆で作り上げたものを皆さんにお見せするのは自分でもワクワクするし、楽しんで戴ける舞台になっていると思います」と手応えを伺わせた。

 さらに意気込みを問われると「初舞台ですが、皆さんを引っ張っていなかければなければいけない立場」と堂々した姿勢を見せるも、「でも…本当に何にも知らないし、皆さんに教えて戴くことばかりでどうしていいかわかりませんでした。イントネーションとかも難しかった。今回の役は一生懸命な女性なので、一生懸命やれば伝わるんじゃないか、という気持ちで精一杯頑張っていきたいと思います」と本音ものぞかせた。

 2時間超の日本語による演技を披露することについては「ちょっと間違えたら愛嬌で見て欲しいな、というのもあるんですけどね(笑)。練習した通りに頑張れば伝わると信じてます」とした。

まだ夢を見ている感じ

囲み取材に笑顔でこたえる知英(撮影・小池直也)

囲み取材に笑顔でこたえる知英(撮影・小池直也)

 共演俳優たちも知英の演技を「映画の主題である主人公の成長物語が、知英の役者としての成長と重なった。日々成長が著しくわかる」「(知英が)出てきた時の華というか明るさというものは努力ではどうにもできないこと」「日本語を覚えるだけじゃなくて、意味もわかって喋るから凄い」と太鼓判を押した。

 また、苦労した点については「発声は今まで歌ってきた歌とは全然違うので、毎日毎日発声しました。お腹から出すのは基本的ですけど、体中を使って声を出すっていう感じ。踊りもポップダンスとは違って、クラシックとかバレエとかジャズダンス。難しかったですけど、とにかく首を長く長くという(意識をしていました)」と挑戦を明かした。

 また、オファーされた時の率直な感想について「実は女優になるまでは歌手だったこともあるんですけど、ミュージカルはいつか絶対やりたいなと夢を持っていました。自分の好きな歌、お芝居、ダンス全てが入っているじゃないですか。こういう素敵な作品に参加できたことが本当に光栄です。まだ夢みたいな感じですね。今日まだ初日ですけどまだ夢を見ている感じがします」と語った。

 囲み取材の締めに知英は「今日は初日ということで、本当に泣いたり笑ったり楽しめる作品になってます。主人公チャリティの冒険でもあるし、ある意味、自分の冒険ということもあります。演出とかダンサーも素晴らしいので、そこも見どころですね。是非劇場に観に来てください」とアピール。その後のリハーサルに臨んだ。

幅広い音楽を聴かせたミュージカル

公開リハーサルで熱演する知英(撮影・小池直也)

公開リハーサルで熱演する知英(撮影・小池直也)

 公開リハーサルは本番と同じく、生演奏も入った完全なブロードウェイスタイル。音楽はビッグバンドにストリングスも加わった豪華な編成で、オールドスクールなジャズからディスコ調まで幅広い音楽を聴かせた。

 全体で2時間25分の間、知英はほとんどステージ上で演技を披露。日本語も完璧と言ってよく、イントネーションも違和感無しで驚いた。その演技やセリフの言い回しで観客を引き込んでいく。共演陣や豪華な演出、音楽も相まって、完全に世界観に引き込まれる内容となっていた。

 ブロードウェイミュージカル『スウィート・チャリティ』は9月23日から10月2日まで天王洲・銀河劇場で上演中。(取材・小池直也)

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