いつまでもバンドを続ける決意

 ナカジマにスポットライトが当たると、ナカジマは「BLITZのみんな、声を聞かせてくれー!」と叫び、観客は「アニキー!」と返す。「イエーイ!お客ちゃーん!今日はみんなと飲んでもいいよ。1300回乾杯できるよ、1300回イッキできる!」と満員御礼の喜びを爆発させた。そしてナカジマがリードボーカルを取る「超能力があったなら」を演奏。和嶋が右腕を回しながらギターをかき鳴らし、ナカジマの大声量が如何なく発揮される。最後は会場からも、ヘイ!ヘイ!とコールが巻き起こった。

 最後は、和嶋の高速リフから始まり、鈴木がリードボーカルを取る「針の山」を披露。ドスの効いた鈴木の声に和嶋のギターが絡みつく。会場は拳を挙げジャンプするファンや、ヘドバンし続けるファンの熱気に包まれたまま、本編を終えた。
 拍手が鳴り止まないまま、アンコールの声が会場を覆う。和嶋とナカジマはツアーTシャツ姿で颯爽と登場。鈴木は白装束でマイペースに歩いて登場した。和嶋が「鈴木くんが、ツアー中に誕生日を迎えました」と切り出すと会場は拍手で返した。鈴木は「いろいろ貰いまして。なんか私自身、貰いものでできているよう」と少し照れながら話した。和嶋は「ありがたいじゃないですか。ノブくんがもうすぐ50歳。こんなオジさんバンドでいいですかー?」と会場に問うと、会場からは拍手喝采。和嶋は「60歳になっても、70歳になってもバンドをやっていく所存でございます」と決意を新たにした。

演奏する和嶋慎治(Gt.Vo)と鈴木研一(Ba.Vo)(撮影・ほりたよしか)

演奏する和嶋慎治(Gt.Vo)と鈴木研一(Ba.Vo)(撮影・ほりたよしか)

 「新調きゅらきゅきゅ節」から「地獄」を演奏。会場のコールと共に、メンバーが熱い演奏を繰り広げる。セカンドアンコールでは、和嶋は「おかげさまで、BLITZソールドアウトでございます」と感謝を述べた。続けて「今は春ですが、寒ーい東北の異世界からやってきた、なまはげのうた~」と「なまはげ」を最後に披露。

 「なまげものはいねぇがー」で観客は拳をあげる。途中、お馴染みの和嶋の三味線を彷彿とさせるギターソロに、白塗りの鈴木の鬼気迫るパフォーマンスが光る。ナカジマがタムを和太鼓のように叩き、和嶋は更に背中でギターを奏でる。最後はベースを和嶋が、ギターを鈴木が交互に鳴らし、ツアーファイナルに相応しい圧巻のステージの終わりを惜しむように余韻を残したまま、メンバーはステージを去った。

 4月17日に東京・EX THEATER ROPPONGIで追加公演、更に6月15日には、新宿LOFTでロックミュージシャンの戸川純とのツーマンもこの日発表した。今年は人間椅子のさらなる飛躍が期待できるのではないか。新譜中心のセットながら、その完成度の高さにその思いは確信へと変わった。(取材・松尾模糊)

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