ピンクスラストライブ、宮本・浅川・廣川“コピンク”月夜に帰す
宮本佳林、浅川梨奈、廣川奈々聖によるラストの歌唱
静岡朝日テレビの情報番組『ピンクス』と『コピンクス!』にゆかりのあるアイドルたちが集まるスペシャルライブが去る12日、東京・ディファ有明で開催された。今や人気者の宮本佳林(Juice=Juice)をはじめ、浅川梨奈(SUPER☆GiRLS)、廣川奈々聖(わーすた)たちを輩出してきた『コピンクス!』は、このライブで一旦その役割を終え、4月以降はイメージを一新した企画として再スタートを切る。そのため、歴代コピンクらが一同に集まり番組関連楽曲を披露するライブイベントは、この日がラスト。その歌声、姿を目に焼き付けようと、昼公演・夜公演ともに多くのファンが駆け付けた。なお、このイベントのダイジェスト版は、番組公式webサイト「ピンクスCHANNEL」で限定公開を開始している。
「ピンクス&コピンクス!ラストライブ2016ダイジェスト」映像とライブ写真
魔法が解けるそのときまで
3人のコピンクは、夜空を煌々と輝かせる月の下に、「カリーナノッテ」の音色を響かせ、多くの感動と笑顔を残して帰っていった――。
オーディションに落ち続け、気力を失いかけた時に『ピンクス!』と出会い、番組での経験を通じて秘めた才能を開花させた初代コピンクの宮本佳林を筆頭に、二代目の浅川梨奈、三代目の廣川奈々聖は魔法にかけられたように、番組起用の後、みるみると頭角を現し、今やアイドル界のトップクラスで活躍する。まさにシンデレラストーリーを駆け上がってきた。そして、この日のライブはまるで物語の劇中に登場する城での舞踏会のように、ゆかりのあるアイドルグループがそれぞれの個性を放ちながらステージで華やかに歌い、そして舞い、魔法の効力が切れるまでのわずか時間を過ごした。
すっかり日も落ちた午後6時。東京湾から吹き込む冷やりとした空気が身体をこわばらせた。その一方で、昼公演を終えた場内はまだ熱気に満ちて高揚感が漂っている。ファンは興奮に押されて上機嫌に言葉を弾ませる。慕うアイドルに会える喜びと、数時間後に迎えるコピンクとの別れを惜しむ複雑な気持ちを交差させながら。
ピンキーリング「小指姫」で幕開け
夜公演は、ほぼ定刻通りに始まった。場内に魔法をかける様に、いくつもののサイリウムがそれぞれ異なった色の残像を残しながら前後に揺れる。照明の明かりがゆっくりと落とされると、その色彩はさらに浮き立った。ステージ中央に設けられたスクリーンにはコピンクのオープニング映像が流れ、3人のメッセージが伝えられる。程なくして、ピンキーリングの北島真由と木下菜乃が登場。「小指姫」という華やかな楽曲で幕を開けた。
フレッシュに駆け巡るサウンドは、地を這う重低音のトランスサウンドに代わる。場内の高揚感が増す。そして、彼女たちを呼び込もうとファンがグループ名が連呼する。そうして迎えられた2組目は、三代目コピンクの廣川奈々聖を有するわーすた。先日メジャーデビューが発表されたばかり。その勢いは彼女たちのキビキビとしたパフォーマンス、そして笑顔からものぞかせた。曲はアダルティなサウンドから転調して可愛くもポップに流れていく。「いぬねこ。青春真っ盛り」など2曲を“ニャンニャン”と可愛らしく歌い上げた。
時間軸を操るようにからくり時計の秒針の音が響き渡る。夢みるアドレセンスがステージ後方の階段から下りてくる。『ピンクス』のオープニング曲「ハナモモ」を歌いながら。その歌声にのせて、この日の“舞踏会”を鮮やかに彩る総勢42人の出演者が続々とステージに登場した。この日のために用意した特注のピンクなドレスを着こんだ浅川梨奈、そしてさわやか五郎、ゲッターズ飯田のMC陣は改めて挨拶し、オープニングセレモニーを飾った。
ラストライブを盛り上げる姫たち
大歓声の余韻が残るなか登場したのはBitter & Sweet。コピンク楽曲の作詞を多く手掛けてきた児玉雨子作詞の楽曲「誰にもナイショ」を爽やかに歌い上げると、2曲目「恋心」では、田﨑あさひがキーボードを弾き語り、長谷川萌美が歌い上げるスタイルでしっとりと届けた。
相反するように、太鼓の鼓動と「どすこい」というフレーズで力強いパフォーマンスをみせたのは、こぶしファクトリー。相撲のしこを踏む振り付けで「ドスコイ!ケンキョにダイタン」を歌い上げると、2曲目の「恋の呪縛」では、きらりとした音色とベースの重点音が絡む独特のサウンドの合間で8人はステージいっぱい使いドラマチックに演じた。自己紹介を挟んでからは「チョット愚直に!猪突猛進」を力強いステップでソウルフルに歌った。
道産子ならではの逞しいステージングでファンを魅了したのは、北海道から有明に降り立った吉田凜音。番組ではコノワールというキャラクターを担当している。軽やかなステップで「真夏のBeeeeeeaM.」を届けると、2曲目「ミスリーダー」ではバックダンサーを従えてのパフォーマンス。歪んだギターサウンドが彼女の煌びやかな姿を際立たせた。3曲目「前髪のカーテン」では一転、春色の爽やかさが漂い、ファンの心を撫でた。ファンを圧倒する饒舌トークでも盛り上げた。
ここでゲッターズ飯田による全員参加の占い企画。思わぬ占い結果に、年頃の表情をみせるなど貴重な時間となった。そして、ピンク色にちなんだ「ピンクな企画」では、「クインセ」役を演じた荻野可鈴が「(それぞれ所属するグループで)担当する赤と白を組み合わせてピンクになるからそのメンバーで歌いたい」と、“紅組”に金澤朋子(Juice=Juice)、武田舞彩(GEM)、小川麗奈(こぶしファクトリー)、“白組”に田﨑あさひ(Bitter & Sweet)、伊藤千咲美(GEM)を指名。貴重な組み合わせで、松浦亜弥の「桃色片思い」を披露した。