歴代コピンク最後の歌唱

廣川奈々聖

廣川奈々聖

 昼公演では同様に担当カラー「ピンク」のメンバーが楽曲を披露したが、リハーサルでは「桃色片思い」を実際に振付したYOSHIKOさんが直接指導に訪れるなど、出演者たちにとっても貴重な時間となった。

 “舞踏会”はメインプログラムへと移行する。歴代コピンクによる最後のパフォーマンスが披露された。

 まず、最初に登場したのは廣川奈々聖。「憂鬱なファルセット」を持ち前の気品の良さと唯一無二の歌声をもって笑顔で届けると、最後の挨拶として「コピンクのおかげでわーすたに入れたし、本当にコピンクで良かった。ありがとうございました」。深々と頭を下げて、手を振りながらステージを後にした。

浅川梨奈

浅川梨奈

 二代目コピンクの浅川梨奈は「スーパースター」を披露。キュートな振り付けや、ステージ左右に移動しながら両脇に設置された階段のバーを掴んで視線を向けるなど隅々までサインを送った。最後に「コピンクがなければここにはいません。コピンクは今日で最後ですが心の中にはいます。卒業して一歩前へ進みたい」と力強く語った。

 そして、ラストの宮本佳林は「リバース」を捧げた。歌に集中するかのように微動だにせず、安定した歌唱力をもってしっかりと伸びやかに歌い上げる。あどけない表情も残るが、指先までにも神経を巡らせた一つひとつの所作は繊細で、大人の色気も漂わせた。

 さわやか五郎を呼び込んでの「兎tocome」では一転、ノリノリで艶やかに歌った。

小野田紗栞と宮本佳林

小野田紗栞と宮本佳林

 大盛り上がりのなか、宮本は「皆さんいかがでしたか?」と言うと、ハロプロ研修生の小野田紗栞をステージに招き、「サヨナラチュー special edition」を披露。やや緊張した面持ちの小野田だがしっかりと前を見つめ歌い、その後輩を、後方左手でコーラスとして優しく見守る宮本の姿は印象的だった。

 また、この楽曲には「カリーナノッテ」のフレーズが制作スタッフの思いとして、隠しメロディで仕込まれていたため、突然の宮本佳林によるメイン歌唱シーンにはファンも驚きとともに、この貴重な瞬間を堪能した。

後半は力強いダンスミュージック

夢みるアドレセンス

夢みるアドレセンス

 小休止を挟んで後半戦が始まる。地を這う重低音に乗って登場したのは迷彩柄の衣装の夢みるアドレセンス。ピンクと青のライトが交互に照らすなか、激しいダンスパフォーマンスで「Bye Bye My Days」を披露。荻野が「いくぞー」と煽ると、EDMサウンドが鳴り、こちらも児玉雨子作詞の鉄板楽曲「17:30のアニメ」へ。拳を突き上げノリノリ。荻野が、後ろに座るこぶしファクトリーの井上玲音の隣に座り、肩に腕をまわす場面もあった。最後は新曲「舞いジェネ!」を披露。ベース音が床を突き上げ、それに合わせて彼女達も腕を頭上で回し、前後にステップを踏んみ、かっこよく弾けた。

 ダンスミュージックはGEMで更に色濃くなった。重低音に響くSEがファンを煽る。暗闇の中で踊る人影。やがて明かりが照らされると、銀色に輝く姿がはっきりと現れる。最初に送られたのはクラシックとのクロスオーバー「Star Shine Story」。自己紹介を挟んで「Finel ~fly for the future~」「Baby, Love me!」とノンストップで届けられた。時に腰をくねらせ、時に華麗にステップを踏むなど、アイドルグループではあるものの、サウンドや歌唱力、そしてダンスパフォーマンスからしてまさにエイベックスの源流をくむダンスボーカルグループだった。

Juice=Juice

Juice=Juice

 次に登場したのはJuice=Juice。ステージ後方の上段には5つのマイクスタンド。スポットが照らされると、ちょっぴり大人のシティポップサウンドが入り込む。ダークブルーの制服に身を包んだ5人は、優雅に「愛・愛・傘」を歌い上げる。これまでとは異なる雰囲気に会場は見惚れている様子だった。一転、激しいギターサウンドで始まった2曲目「Girls Be Ambitious」では階段を下ってステージ前方へ。拳を何度も突き上げ、宮本が煽る。

 腕を振り上げる度に腕の青いスパンコールがきらびやかに輝いた。MCを挟んでの3曲目「Magic of Love」もそのアッパーなサウンドは引き継がれた。ギターカッティングが特長的な爽やかなグルーヴィーサウンド甘酸っぱい青春ソングを時に激しく、時にキュートに歌い上げた。バックサウンドに負けない歌唱力は宮本だけに限ったものではなく、宮崎由加、金澤朋子、高木紗友希、植村あかりも併せ持ち、サウンドに押されずしっかりと歌い上げた。

 本編最後は、宮本とさわやか五郎をメインにした、出演者全員による「兎tocome feat.ゴロー」の大合唱。会場全体が一体となり、大盛り上がりのなか幕を閉じた。

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