苦悩を断ち切った「夜明け」

Hello Sleepwalkers「五重奏の実験室」第2弾レポ(1)

Hello Sleepwalkers、初のホールワンマン・渋谷公演

 ライブは終盤へ、シュンタロウとナルミがギターを下ろし、始まったのはのHello Sleepwalkersのディスコティックナンバー「Worker Ant」、「もくもく働こう」の掛け合いが楽しい。シュンタロウはギターの代わりにサンプラーを手に持ち、ナルミは歌い踊りながらオーディエンスを煽る。オーディエンスも4つ打ちのビートに合わせて縦ノリで盛り上がった。

 そして、間髪入れずに、盛り上がる楽曲のひとつ「猿は木から何処へ落ちる」へ。ヘヴィーさとメロディアスな要素が見事に融合した楽曲で、限界に達したかと思ったボルテージはリミッターが外れたかのように更にアップ。盛り上がりに追い打ちをかけるように定番曲「午夜の待ち合わせ」を演奏。チクタクの歌に合わせグリーンの照明が点滅。オーディエンスも拳を振り上げステージから放たれるエネルギーに応える。これがロックだと言わんばかりのアッパーな楽曲で畳み掛けた。

 「僕がそうだったように悩んでいる人も、苦しんでいる人も、迷っている人も、その日々で、もがいて足掻いてそうやって繰り返していけば明日にはきっと違う朝がくると信じて書いた曲を最後に1曲やって終わりたいと思います」とシュンタロウが語り、6月のツアーでも披露された新曲「夜明け」を披露。

 シュンタロウの苦悩の日々から救った楽曲。後方のスクリーンに歌詞が映し出され、オーディエンスもその歌詞を噛みしめるように聴き入っていた。だがそれはオーディエンスだけではなくステージ上でも同じ感覚、ホール全体が同じ感覚を共有しているように思えた。「明日晴れますように」という歌詞が耳に残る。

 シュンタロウは「今日ここに立って、みんなの顔を見るとそんな日々が報われたような気がします」と集まったファンに感謝。「夜明け」はHello Sleepwalkersにとってターニングポイントとなる楽曲だろう。

 最後に「最高の1日になりました。またいつか絶対沢山遊びましょう」と語りライブの幕を閉じた。このライブを体感してフルアルバムへの期待が俄然高まった。約半年間行ってきた「五重奏の実験室」の答えの全貌が来年3月にわかることだろう。

セットリスト

01.ミッドナイトにグッドナイト
02.百鬼夜行
03.惑星Qのランドマーク
04.センチメンタル症候群
05.越境
06.アキレスと亀
07.水面(新曲)
08.Ray of Sunlight
09.ハーメルンはどの様にして笛を吹くのか(新曲)
10.環状遊泳
11.21
12.天地創造
13.2XXX(新曲)
14.Worker Ant
15.猿は木から何処へ落ちる
16.午夜の待ち合わせ
17.夜明け(新曲)

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