REBECCA復活ライブ、NOKKO熱唱「生きてて良かった」：【音楽】

復活ライブを行ったREBECCA（撮影・Hajime Kamiiisaka）

　［ライブレポート、28日、豊洲PIT］再結成したロックバンドのREBECCA（レベッカ）が28日、東京・豊洲PITで復活ライブ『REBECCA Preview Live』を行った。メンバーがステージ上に揃うのは、95年の阪神淡路大震災・復興支援ライブ以来20年ぶり。3000人の観衆を前に代表曲「フレンズ」など全６曲を熱唱した。ボーカルのNOKKOは「生きてて良かった。皆さん生きてて良かったですよね」と挨拶。最後はメンバーと抱き合った。　　【取材・紀村了】

　８月12日・13日に横浜アリーナで行われる再結成ライブ前の「プレライブ」ともあって、演奏時間45分、アンコールを含め６曲と少な目。NOKKOも「短かったですよね」と思わず口にするほど。当時の想い出に浸る余裕すらないまま興奮のうちにあっという間に時は流れた。

撮影・Hajime Kamiiisaka

　まったりとした潮風が肌をあらう午後７時過ぎ、会場内では手拍子と大歓声に包まれていた。時折鳴る口笛がより興奮を高まらせた。「間もなく開演します」という場内アナウンスが流れると、音響側もスタンバイに入る。明かりが落とされ、メンバーが順に姿をみせ所定の位置に着くと演奏を始めた。イントロが当時の記憶とリンクする。86年発表の「LONELY BUTTERFLY」だ。一歩一歩を確かめるようにNOKKOが歌いながら姿を現した。

　久々に彼らの姿、そして音に触れた観衆は大きな声、そして手拍子をもって応えていく。雰囲気に飲み込まれながらもNOKKOのハイトーンヴォイスが突き抜けるように響き渡る。「全く衰えていないどころか、パワーアップしている」―。そんな声が聞こえてきそうなほど圧巻であった。NOKKOはステージ横を行き来してファンに手を振る。そして、間奏では両手を上げて腰をくねらせ妖艶に舞った。

　「Cotton Time」―。キーボード、ドラム、ベースが順に音を奏で、ギターのカッティングが跳ねた。ゆったりとした曲調はこの30年の時に浸かることでより深みを増して濃厚さが出ていた。大人の魅力のようで熟成された赤ワインのようにとろみがあった。そして、彼らを照らす赤いライトがより際立たせた。

撮影・Hajime Kamiiisaka

　MCでNOKKOは「有難う」の言葉を何度も使いながら「こんなに人がいるとは思わなかった」と驚いてみせた。そして、20年ぶりに「こんばんは！　REBECCAです」と挨拶すると「すごいわ！　びっくりしちゃって。生きてて良かった。皆さんも生きてて良かったですよね！」と喜びを語った。

　続いて歌ったのは「真夏の雨」。静かに時が流れるように、サウンドも歌声もゆったりと刻んでいった。ギターが妖艶に誘う。そしてNOKKOの歌声が撫でていく。圧巻のパフォーマンスに観衆はただ聴き酔いしれていた。

　一転、手拍子から始まったのは「MONOTONE BOY」。明るくポップなナンバー。ギターの是永巧一がステージを走り、ベースの高橋教之と向き合って演奏する。NOKKOも踊る。間奏でメンバー紹介。ベース高橋、キーボード土橋安騎夫、ドラム小田原豊、パーカション中島オバヲ、ギター是永と紹介していき、最後にNOKKO。「楽しんでますか」と２回続けると「私は楽しいですよ！」と興奮気味に語った。

　NOKKOはマイクをマイクスタンドにさしては再び外して歩きながら歌うことを何度も繰り返していた。心から溢れ沸く気持ちが抑えきれないように。そして「楽しんでますか！　最後の曲なんですよね。短かったですよね。最初は恥ずかしかった。恋人にあったような感じで」と挨拶。

　「皆もしゃべったら」というNOKKOの誘いを受けてメンバーもこう語った。キーボード土橋「29年ぶりです。嬉しい」、ベース高橋「楽しんでますか。僕らも楽しんでいます。感謝申し上げます」、ドラム小田原「20年ぶり。すごい嬉しい。幸せです」。パーカション中島「イエーイ！　最高だよね！　このメンバーとやれて最高に嬉しい」、ギター是永「お久しぶりです。このメンバーで皆さんと会えて嬉しいです！」。

撮影・Hajime Kamiiisaka

　それぞれの挨拶を終え、「まだ早い！」という歓声にNOKKOは笑みだけを浮かべて「豊洲PIT！」と叫ぶと「Raspberry Dream」を披露して本編を終えた。

　メンバーがステージからはけ終わる前に会場からはアンコールを求める手拍子が鳴った。数分経っても誰もやめようとはしなかった。観衆の声に押されて再びステージにライトが照らされると、メンバーが手を挙げて戻ってきた。そして、ドラム小田原が叩きはじめると、キーボードの音が鳴る。「フレンズ」だ。それと同時にNOKKOが姿を現した。

　少女のようでありながらも深くて太い歌声。そして、ハイトーンヴォイスが観衆一人一人の心を突きさす。ソロではギター是永が前に出る。小刻みに揺れるNOKKO。復活ライブはあっという間に過ぎ去った。最後にメンバーは手を取り合って２度頭を下げた。NOKKOがメンバー一人ひとりに短く声をかけながら抱き合う場面も印象的だった。

　なお、REBECCAは、８月12日・13日に横浜アリーナで再結成ライブを開催する。両日ともチケットは完売。そのため、11月29日にさいたまスーパーアリーナでの追加公演が決まった。チケット発売日は８月２日となっている。また、豊洲PITでの公演と、８月12日・13日の横浜アリーナ公演はWOWWOWで８月30日に放送される予定。