[写真]REBECCAが横アリで再結成ライブ(5)

20年前の横浜アリーナ公演と同じ、オープニング、ラスト4曲、アンコールのセットリストで沸かせたREBECCA(撮影・Hajime Kamiiisaka)

 ロックバンドのREBECCA(レベッカ)が13日、20年ぶりに横浜アリーナで再結成ライブを開催。「フレンズ」や「MOON」など往年のヒット曲を披露して満員の会場を沸かせた。7月28日に“前哨戦”となるプレライブを豊洲PITで行ったREBECCA。横浜アリーナでの“本戦”は12日と13日の2日間行われた。このうち13日の模様を以下に紹介する。

20年前と同じ「Raspberry Dream」

[写真]REBECCAが横アリで再結成ライブ(11)

撮影・Hajime Kamiiisaka

 横浜アリーナのバック・スタンドから最上段の立ち見エリアまで360度四方、隙間なく人で埋まっている。20年ぶりに再結成ライブを行うREBECCAの登場を待ちわびる、満員の1万5000人のオーディエンスの熱気が伝わってくる。午後6時7分過ぎた頃、場内激しいビートのSEが流れ、REBECCAのロゴが描かれた円筒形の幕がゆっくりと上がる。

 聴こえてきたのは20年前の横浜アリーナのオープニングと同じ「Raspberry Dream」のイントロ。そして、舞台中央に迫り上がって登場したのは緑のマントを纏ったNOKKO。正面花道にすっと歩み寄りマイクスタンドを握る。REBECCAのライブが幕を開けた。

 「LONELY BUTTERFLY」や「Cotton Time」といったアップテンポのナンバーを立て続けに演奏。オープニングから総立ちの会場の興奮は既にマックス状態に。NOKKOのハイトーン・ボーカルは健在で、むしろバンド時代より、進化し艶やかに伸びている。

再結成のきっかけ

[写真]REBECCAが横アリで再結成ライブ(10)

撮影・Hajime Kamiiisaka

 今回の再結成は、昨年末のNOKKOのライブに小田原豊(Drums)と土橋安騎夫(Keyboards)、サポートメンバーの是永巧一(Guitar)がゲストに参加した事がきっかけとなった。「(それが)ずいぶんいい感じだったんですよね。で、よしやろうかなと」と再結成の経緯を話す。

 360度四方に埋まった客席をあらためて見回し「みんないいオトナになったんだよね! 生きてて良かったよホントに!」とファンとの再会に感激する。

 そして、「私達は、毎回間違ったり、時には時間切れで歌詞が浮かばなかった時とかあったんですけど、この30年間、客席はいつでも完璧でした! 今日も完璧です!」と話すと、場内からは「NOKKO!」「ありがとー!」と野太い声が飛び交う。

バブル時代の雰囲気

[写真]REBECCAが横アリで再結成ライブ(4)

撮影・Hajime Kamiiisaka

 REBECCAは1980年代当時の最新の洋楽のエッセンスを積極的に取り入れていたバンド。当時の邦楽アーティストの中でいち早くDJユースの12インチシングルやリミックス・バージョンを発表していたほど。

 そんな懐かしいバブル時代の雰囲気やサウンドを彷彿させたのが中盤のメドレーコーナー。NOKKOが激しいダンスを披露し、バンドはキラキラしたダンサンブルなナンバーを矢継ぎ早に演奏。横浜アリーナは巨大なディスコ・フロアに転じ、オーディエンスも身体を揺らしながら30年前にタイムスリップ。

 インストゥルメンタル曲「TIME」ではドラムの小田原豊、パーカッションの中島オバヲにキーボードの土橋安騎夫のソロをフィーチャー。NOKKOはいったんステージを降り、3人のメンバーの個性がぶつかり合うスリリングなジャム・セッションを展開。

 続く『76th Star』の冒頭、ドラムセット後方の一段と高くなったスロープにピンクの衣装に着替えたNOKKOが、ふたりのダンサーを従えて颯爽と現れる。キラキラした80sサウンドに乗ってNOKKOもダンスを披露。「Little Darling」では、ステージにスモークが敷かれ、その上に浮かんだ三日月型のオブジェに座ってNOKKOが歌う。なんとも幻想的なシーンだ。

また会えて嬉しい

[写真]REBECCAが横アリで再結成ライブ(1)

撮影・Hajime Kamiiisaka

 後半はアップテンポ曲の連打。独特のオルガンの音色にゴリゴリとしたベースラインが印象的なブルージー・ナンバー「MONOTONE BOY」が演奏されるや、観客のボルテージもさらにヒートアップ。NOKKOも「ノってますか? また会えて嬉しい!」と客席を煽る。間奏でのメンバー紹介の後はキャノン砲から銀色のテープが放たれ、会場は鮮やかな白銀色に染め上がった。間髪入れずに「プライベイト・ヒロイン」に突入し本編を締めた。

 小田原豊の叩く重量級のドラムで始まったアンコール1曲目は大ヒット曲の「フレンズ」。1万5000人のオーディエンスは声を限りにして一緒に歌う。『「今日はよく来て下さいました!お会い出来て嬉しいです。今日ここに来れなかった人にも届くといいなと思って歌います!」と始まったのは本ライブのタイトルにもなっているバラードナンバー「Maybe Tomorrow」。

20年前の幻影

[写真]REBECCAが横アリで再結成ライブ(7)

撮影・Hajime Kamiiisaka

 ここで入場時に配られたサイリウムが一斉点灯。夜空に無数の蛍が舞っているような光景は壮観。その無数の蛍に向かってNOKKOも朗々と歌いあげる。花道の最前方で目を閉じて跪き、じっとバンドの演奏とファンの声援を聴き入っているNOKKOの姿が印象に残った。

 振り返ってみれば、この日のライブは同じ横浜アリーナで行った20年前のとオープニングにラスト4曲、アンコール曲が全く同じ構成。メンバーが20年前のライブをいかに大事にしているのかを思い知らされた一夜であった。

 メドレーの7曲を含む全23曲、2時間超を疾走した復活パフォーマンスは、20年間のブランクを全く感じさせず、あらためて彼らが最前線の現役バンドであると、再認識させてくれた。

 この公演の模様は8月30日よる9時からWOWOWにて放送される。また、10月28日にはEDMアレンジが施されたREBECCAナンバーをNOKKOが歌うセルフカバー・アルバム「NOKKO sings REBECCA tunes 2015」もリリースされる。

 続いての公演は11月29日のさいたまスーパーアリーナを残すのみ。一般席は完売したが、注釈付指定席の発売が急きょ決定。以降の活動は現段階ではアナウンスされていないので、REBECCAを見る最後の機会になるかもしれない。指定席チケットは、8月14日よる9時より販売。

セットリスト

01. Raspberry Dream
02. MOON
03. LONELY BUTTERFLY
04. Cotton Time
05. One More Kiss
06. CHEAP HIPPIES
07.メドレー
Hot Spice ~ ガールズ ブラボー! ~ BOSS IS ALWAYS BOSSING ~
ラブ イズ Cash ~蜃気楼 ~ Hot Spice (Reprise)
08. 真夏の雨
09. TIME
10. 76th Star
11. Little Darling
12. (it's just a) SMILE
13. OLIVE
14. WHEN A WOMAN LOVES A MAN (女が男を愛する時)
15. MONOTONE BOY
16. プライベイト・ヒロイン
ENCORE
17. フレンズ
18. Maybe Tomorrow

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