INKT曲作りの裏側を聞く、個性豊かなバンドの本質に迫る

今はやりたいことがありすぎる

――先日、KOKIさんへのインタビューの中で、「ライブ感を意識する」ということを大事にされているという話をうかがいました。具体的にそれはみなさんの作品の中にどのように取り入れられているのでしょうか？

Kei　そうですね…個々で作り上げている段階で「意図のある曲」というのを持ってきつつ、みんなで固める段階で「こうしたらどう？」というものを取り入れるという格好でしょうかね。たとえば「Dreamcatcher」も、サビ中の最初は、コーラスじゃなくてメロの全部をKOKIが歌う予定でした。それを「掛け合いになるんじゃないか？」というアイデアが出たので、それを取り入れて。

――なるほど。確かにこの曲は、音源を聴いただけでライブの盛り上がった状況が想像できそうですね。

mACKAz　シンプルに、ライブで分かりやすく歌える曲があったらいいと思ったんです。

KOKI　「Wow♪」とか「ラララ♪」っていうのは、もう世界中のどこに行っても歌えるからね。

mACKAz　一発目のライブの中でも、INKTのファーストアルバム『INKT』の曲なんかはみんな歌ってくれていたので、それってやっぱり僕らも嬉しかったですしね。もっと分かりやすい、僕らとみんなとの掛け合いがあったら楽しいな、と思って書きました。

――総じて具体的に何か考えられたイメージもあるのでしょうか？

Kei　曲作りの中でライブをやっているイメージを考えるとき、その中で例えば「こういうリズムだからこうしよう！」とか、何か拍手をするところなんかを、聴いてもらっている方に想像してほしくないんです。それよりかは衝動的に「うわっ！　来た！」という感じというか。

――感覚的に共感できる部分ですね。

Kei　分かりづらいリズムの中でも、衝動だけを受け止めて声に出してもらうなりしてもらえればいい。自分がやっぱりライブでそういう体験をしたこともあったし、「うわっ！　この曲、なんだか分からないけどカッコいい！」みたいな。そういうのがやりたくて。だから、そういうポイントを作るという部分も、自分の中で攻めだと思っています。

――なるほど。ライブという部分では、何か目標にされていることはありますか？　フェスに出たい！　とか…

KOKI　具体的に「これ」というよりも、やりたいことはスゴクたくさんあるし、このメンバーならできるだろうというビジョンもある。一方で、単純に今はライブをすることが楽しいという部分もあって、もっといろんな場所で、大きな会場でやらせてもらえればそれは幸せだけど、大小問わずいろんな場所に足を運んで「応援してくれているけどまだ見てもらえていない」という方には、「じゃあ、こっちから行くわ！」という話もあり、いろんな場所で、いろんな形で歌えて、演奏ができて、という幸せをこのまま続けていることでしょうかね。今はそれが幸せだと思うし。

――行けるところは、どこまでも…という感じですかね？

KOKI　まさしく。７月のツアー前にはブラジル（Anime Friends 2015）にも行くし。ブラジルくらい遠くに行けばどこでも行けると思うんです。北極とかじゃない限りは（笑）

――確かブラジルもアニメ関連のイベントですね。たとえばアニメなどの主題歌というのも希望としてはあるのでしょうか？

KOKI　もちろんお話がいただければ是非やりたいなとは思います。何かのアニメの、というのも嬉しいし、自分の好きな作品というのであればなおさら嬉しいですしね。だからやりたいことの一つではありますね。行く先に分け隔てを設けているわけでもなく、アニソンしかやらないわけでもない。たとえばロックフェスみたいなのももちろん、話をいただけるのであればやりたい。国外でもアジア、UK、アメリカは、行ってみたいと思いますし。今はやりたいことがありすぎる、という感じですね（笑）

――是非活躍を期待したいと思います。７月19日・柏から初のツアーが始まりますが、それに向けても意欲十分ですね。

KOKI　そうですね。僕ら結成当時から「ライブをしたい」とずっと思っていて、その上で最初のアルバムを作って、ライブをやらせてもらったら今度は「いろんな場所でライブをやりたい！」と、どんどん欲が出てきている。そんな中でやっと実現したツアーなんです。それこそやりたいことの一つだったので、やっと「いろいろ行ける！」っていう感じですね。

――では最後に、その意気込み的なところを含め、読者にメッセージをいただければと思います。

KOKI　重複するけど、ツアーは本当に僕らがやりたかったことの一つなのですごく楽しみです。まあ僕らが楽しんでばっかりでもしょうがないけど（笑）。来てくれたからには、どこだろうと一人残らず楽しませるつもりでやるし、普段抱えているもの、面倒くさいものを、ライブで取っ払って、置き去って行ってくれればいいな、と思っています。

SASSY　ツアーがこの５人でできるという喜びが先行なんですけど、もちろん作品もしっかりと妥協なくINKTとしてできる、INKTだからできるものを届けているつもりです。ルーツも違う５人のキャラが立ったバンドが僕は好きなんです。誰かが引っ張っているようなバンドじゃなくて、５人がギリギリな感じっていうのが好き。その５人が求めているものが、やっぱりライブで直接見てもらったときにすごく伝わると思うので、それも体感しに是非来ていただければと思います。

mACKAz　今回は「サイサリス」ツアーということで、アルバムに収録した曲が、ツアーの中で完成するというイメージがあるんです。やっとみんなに歌えてもらえて初めて「やっとできた！」と思うところが個人的にあり、ツアーをやっていくごとにその曲が僕たちと共に成長する、というような。当然前作の『INKT』の曲たちも、育っていくことになりますし、それがツアーでできるというのが、楽しみでいっぱいです！

kissy　今までライブやって、最初の２発は東京編、大阪編とセットだったんですけど、単発感といういうかツアーとは違う感じがあったし、それに対して初のツアーなので、ここならではの成長していく過程や、その場ごとで見られるアンサンブル感みたいなものを、みんなで一緒に共有できればと思っています。行くところのぞれぞれでドラマもあると思いますし、いろんなところに足を運んでもらいたいです。

Kei　kissyも言ったとおり、初めてのツアーで7つライブを重ねられる。ライブバンドとしてやっていくには、ライブをやってツアーをしてナンボのものとも思っているし、その集大成がリキッドルームで出せるように、かなり気合いを入れていきたいと思っているので、是非みんなに見てもらいたいです！

ライブ情報INKT『サイサリスTour2015』

▽7月19日（日） 千葉・柏PALOOZA
▽7月24日（金） 埼玉・HEAVEN'S ROCK さいたま新都心VJ-3
▽7月26日（日） 神奈川・横浜BAYSIS
▽7月27日（月） 愛知・名古屋ell.FITS.ALL
▽7月29日（水） 兵庫・KOBE LIVEACT BAR VARIT.
▽7月30日（木） 大阪・OSAKA MUSE
▽8月7日（金） 東京・ebisu LIQUIDROOM

チケット料金※全公演共通
・前売5,000円／当日5,500円（消費税込み／ドリンク代別）
※オールスタンディング