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俳優の奥平大兼が、鈴鹿央士とW主演を務める映画『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』(3月8日公開)に出演。見た目はヤンチャだがクラスの人気者の郡司翔太を演じる。eスポーツを題材にした日本初の劇映画である本作は、徳島の高等専門学校を舞台に実在した生徒をモデルに描く青春映画。小倉史也、山下リオ、花瀬琴音、三浦誠己らが脇を固める。監督は『ロボコン』『のぼる小寺さん』の古厩智之氏が務めた。人気ゲーム「サクラ大戦シリーズ」で知られるマルチクリエイターの広井王子が企画・プロデュースする。インタビューでは、自身もゲーム好きだと語る奥平に、新鮮だった恋愛シーンの裏側から、ゲームの魅力、今できる役を大切にしたいと話す、その真意に迫った。【取材・撮影=村上順一】
一番の発見は勝ち負けにこだわらないこと
――出演が決まった時の心境はいかがでしたか。
eスポーツをテーマにしているということで、僕の身近にeスポーツだったり、ゲームがあったので、ゲームファンの一人としてこういった映画に参加できることがすごく嬉しかったです。
――新たな発見はありましたか?
ゲームの面白さということに関しては、普段からゲームをやっていて実感していたので、そこに関して改めてというのはなかったです。発見という意味ではサブタイトルにある「勝つとか負けるとかは、どーでもよくて」がすごく今風な考え方だなと思いました。何をするにも勝った負けたというのは重要視されてきたと思います。勝負事においてとても大事なことだと思うのですが、勝ち負けにこだわらないというのは、一番の発見で新しい価値観でした。行動したことにすごく意味があるというのは、自分の過去を振り返ってもたくさんあったなと思いました。
――奥平さんは普段どんなゲームをやることが多いですか。
最初はRPG系が好きでよくやっていました。今はオンラインでやるゲームがたくさん出てきたので、友達とオンラインで戦うようなものや、シミュレーションゲームなどいろいろやっています。
――ゲームがお好きな奥平さん。作品にすごく共感できたのでは?
はい。ちょうどこの撮影をしていた頃に、僕がよくやっているゲームの世界大会があり、そこで活躍されている方のおかげでeスポーツがだんだん世間に認められてきたと感じた2023年でした。もっとゲームが好きな人が増えたら嬉しいなと思っていたところで、この作品に参加できたので、より気持ちが入りました。
――本作を拝見してeスポーツのようなオンラインゲームをやってみたいと思いました。 奥平さんが思うゲームの魅力とは?
人と一緒にやるゲームというのは1人でやるゲームとはまた違ったおもしろさがあります。今回翔太、達郎、亘の3 人が一緒にゲームをやりますが、きっとゲームがなかったら交わるタイプではなかったと思います。交友関係を広げ仲良くなるきっかけにもなるので、ゲームはすごくいいものだと思います。
盛り上がる対象を自分の中で作る必要があった
――お芝居をするなかで、共演者の方の演技から得るものがあると過去の記事で拝見したのですが、今回はいかがでした?
央士くんと小倉さんお2人に言えることなのですが、お芝居のやり方、演じる役へのアプローチはそれぞれあります。正解はないと思うのですが、僕とは違ったやり方をする役者さんだと思いました。自分にはできないやり方をされていたので、すごいなと思いました。たとえばゲームシーンの撮影は特殊な撮り方をしていたので、僕もスタッフさんもいろいろ試しながらやりましょうといったスタンスでした。その中で央士くんは、こういう風にやったらやりやすそうとか、いろいろアイデアを出されていて、それは央士くんにしか思いつかないものでした。それを見て、僕もそういうことができたらいいなととても勉強になりました。
――特殊な撮り方というのはオンラインゲームでマルチプレイをされているところですよね。同じシーンを何回も撮影されたとお聞きました。
そうなんです。ゲーム画面が見えていなかったので、そのシーンは声だけでお芝居をしていました。画で大体今こんな感じといったイメージを見ながらだったので、何に対して盛り上がるのか、その対象を自分の中で作る必要がありました。一人芝居となるとテンションが変わってきてしまうので、2人が別室から声だけで参加してくれました。
スピード感や臨場感というものはゲーム画面を見れば伝わってくるのですが、プレイしている人のみを画面で見たときに、どれだけ白熱しているのかが視聴者に伝わるのかわかりづらいと思いました。ちょっと気を抜いてしまうとお芝居のテンポがずれてしまうんです。それもあって撮影の前半と後半では撮り方が変わっていきました。撮影は大変でしたが良い経験になりました。
恋愛シーンが自然にできた!
――こんなところに注目してもらえたらもっと作品が楽しくなる、隠れた見どころはありますか。
自分で言うのも照れくさいのですが恋愛シーンです。テーマがゲームの他にも、家庭環境や恋愛要素もあります。その中で松永紗良役の花瀬琴音さんと2人きりのシーンがすごく自然にできたなと思っています。花瀬さんはアドリブの様なお芝居をする方という印象があるのですが、2人だけの空気感とみんなでいる時の空気感が全然違いました。その2人きりのシーンは、演じているのは僕というのはわかっているんですけど、どこか別人を見ているような感覚がありました。
――どのような意識でそのシーンに臨んでいたのでしょうか。
これまで僕は恋愛作品に出演した経験があまりなく、恋人がいる役もそんなになかったんです。撮影に臨む姿勢として、全てのシーンにおいてできるだけナチュラルにやろうと意識していたので、恋愛シーンでもその場の空気、雰囲気を楽しもうと思っていました。おそらく僕のことを知ってくれている方も、新鮮に観てもらえるシーンになっていると思います。
――翔太はポスターに書いてあった「勝つとか負けるとかは、どーでもよくて」という言葉に惹かれてeスポーツの大会に参加することを決めましたが、奥平さんが最近グッときた言葉はありますか。
ちょっと前にドラマ『最高の教師1年後、私は生徒に■された』に出演させていただいたのですが、ラランドのサーヤさん演じる勝見夏穂が、自分の他に周りにいる2人を幸せにできれば私は十分だ、といった言葉がすごく印象に残っています。2人だけ幸せにする、それをみんなが実行できたとしたら、世界中が幸せになれるんじゃないかと思いましたし、僕自身もそういうことできればと思いました。
――すごく深い言葉ですよね。ちなみに奥平さんは身近にいる人、2人幸せにするとしたら誰を選びますか。
家族はもちろんなのですが、付き合いが長いというのもあり、地元の友達かもしれないです。また、この業界ので仲良くさせてもらっている方もいるので、その方たちも幸せにしたいですし、2人選ぶというのは難しいです。
――最後に今後チャレンジしてみたい役はありますか。
ありがたいことに昔やりたいと思っていた役は叶えていただけています。今回制服を着ていますが、制服を着られる時間、そういう役をいただけることは多くはないんだと思いました。たとえばお芝居の中での恋愛シーンなどで今っぽいお芝居してほしいというリクエストをいただくのですが、その今っぽい演技というのも今しかできないと思っています。ですので、制服を着る役はもちろん息子役とか今しかできない役を大切にしていきたいです。
(おわり)
作品情報
『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』
2024年3月8日(金)
TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー-
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2023映画『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』製作委員会
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