INTERVIEW

高梨臨

「初恋の人に出会って...」“単身赴任ラブサスペンス”作品で感じたこと:『単身花日』


記者:村上順一

写真:村上順一

掲載:23年11月25日

読了時間:約7分

 女優の高梨臨が、朝日テレビ系オシドラサタデー『単身花日』(毎週土曜よる11時〜放送中)に出演。主演を務める重岡大毅演じる桜木舜の妻、桜木ゆり子を演じる。『単身花日』 (小学館「ビッグコミックス」刊)は、いわしげ孝氏原作による男女4人の“止められない愛”を描く単身赴任ラブサスペンス。桜木舜の初恋の相手、武田花(演:新木優子)との出会いをきっかけに、物語は動き出す。インタビューでは、桜木ゆり子をどのように演じようと思ったのか、撮影のエピソードや高梨の初恋の思い出を話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】

ずっと髪を切りたいと思っていた

村上順一

高梨臨

――原作は10年以上前の作品になるのですが、読まれたことはありました?

 今回のお話しをいただいてから読みました。ストーリーなど何も知らずに読んだので、その展開にビックリして。同時に実写化したらきっとおもしろくなるなと思いました。

――高梨さん演じるゆり子はどんな人物だと思いました?

 普通の感覚を持っている人で、すごく明るくて健康的、そして幸せな人というイメージが大きかったです。そして良い奥さん、バリバリ働く女性としても素敵だなと思いました。

――重岡大毅さんと共演されてみて感じたことは?

 私は、人見知りなところがあるんですけど、重岡さんはすごくオープンな方だったので、ずっと喋りかけてくれて。お会いして10分ぐらいで打ち解けていました。そのおかげで撮影もすごくスムーズでした。素直に思ったことを口にしていて、よく歌ったり常に声を発しているので、私はこんなに喋ってよく疲れないなあと思っていたら、重岡さんは「疲れた 」って(笑)。

――疲れるんですね(笑)。重岡さんには壁というものはない?

 ないですね。現場の空気もすぐに作ってくれますし、すごく頼りになる座長でした。

――一緒に出演されるキャストさんから引き出されるものも大きいですか。

 そうですね。重岡さんと花奈役の宮崎莉里沙ちゃんと家族でのシーンが多いのですが、普段話しているような感じでやった方が、お芝居はナチュラルに見えると思うので、そういうところで引き出されたところがあったと思います。

――本当の家族みたいですよね。

 重岡さんと莉里沙ちゃんは以前に共演されていて、すでに仲が良いので、私もその中に入れてもらって3人で話したりしていました。莉里沙ちゃんは全然緊張もしていないしすごく喋ります。とても明るい子なので桜木家にぴったりな子です。私が何か莉里沙ちゃんに話しかけると、いつも笑顔で 「はーい♪」って。もうその返事でキュンってなります。自分に子どもがいたらこんな感じなのかなとか思ってました。

――さて、今回撮影前に準備されたことは?

 心情面に関しては特別な準備はしなかったのですが、髪の毛をバッサリ切りました。また、ゆり子は舜が浮気をしているんじゃないか? と心配して、監視がだんだんエスカレートしていくのですが、それをどこまでやるかを監督と事前に話して撮影に臨みました。

――髪を切ることになっていかがでした?

 ずっと髪を切りたいと思っていました。私、こんなに短くしたのは初めてだったので、切る前はちょっとドキドキしていました。

――なぜ切りたいと思っていたのですか。

 もうデビューから17年、ずっとロングヘアーでやってきたので、ちょっと飽きてきて(笑)。

――たしかにロングヘアーのイメージがあります。

 そのイメージもそろそろ変えたいなと思っていて、そのきっかけにもなるかもと思いました。実際短くしたらお手入れとかめちゃくちゃ楽なんですけど、早くも若干飽きてきているんですよ(笑)。次の髪型どうしようかなといま悩んでいます。

――早いですね(笑)。いま撮影でどんなところが大変だなと感じていますか。

 ゆり子の得意料理がトンカツという設定なので、トンカツを揚げまくってます。だから体が油臭くなったりして大変なのですが、今のところそれぐらいです(笑)。

――ゆり子はインテリアデザイナーとのことですが、ドラマならではの設定ですよね?

 カフェとかの内装デザインをやっているという設定なんです。同僚、後輩も出てくるので原作とはちょっと違うところです。

――デザイナー、興味はありますか?

 興味はあっても難しいですね。そういう才能が全くないことは自分でわかっているので(笑)。インテリアも本当に苦手で、自分の部屋はすごくダサいんです。部屋をおしゃれにしたいなとか考えるのですが、なかなか難しくて。やっぱりプロの人ってすごいなと思います。そういう感覚が私には全くなくて。私の場合、飼っている犬中心の生活なので、大きな犬小屋みたいになってますから。自分たちよりも犬が楽しく過ごせるようにしています。

急にモヤモヤしはじめる気持ちはわからない(笑)

――今回初恋が一つテーマにありますが、高梨さんの初恋は?

 幼稚園の頃に好きだった子がいて、顔も全然覚えていないんですけど、名前だけは覚えていて。その子は格好よくてモテる子でした。彼は私のことに興味もなさそうな感じでした。告白もせずに小学校も別々になってしまったので、そこで初恋は終わってしまいました。

――幼稚園の頃のこと、よく覚えていますね!

 そうでもないんです。私、けっこう忘れちゃうタイプで。同じ部活だった高校の友達は今でも仲が良くてたまに遊ぶのですが、同級生の話しをしていても、全然思い出せないこともあったり。名前を聞いても思い出せないぐらい過去のことを忘れてしまう私なのですが、初恋の子の名前を覚えているのは初恋だからなのかな? とても不思議なんです。

――初めての感情というのは大きいのかもしれないですね。

 初恋とか過去に引きずられているのは男性が多いと思います。女性は過ぎ去った恋愛に対して何とも思わない人が多いと思っていて。

――女性は上書きタイプとよく言われていますよね。

 名前を覚えているだけで、その人に会いたいとかそういうものはないです。何をしているのかも気にならない。この『単身花日』も舜が初恋の人に出会って急にモヤモヤしはじめるといった気持ちは、基本的に私はわからないのですが、初恋相手が新木優子ちゃんみたいにキレイな方だったら、そうなるのもわかる気がしました(笑)。

お花を飾ったり床を水拭きもしたい

村上順一

高梨臨

――さて、本作での注目ポイントは?

 ちょっとポップな感じもあったり、舜が何かをイメージするとポワンポワンとエフェクトがかかったり、どこかポップな感じの作り方をしているのは、サスペンスと謳っている中でおもしろいなと思います。また、パフェを投げ合ったり水をかけたりする演出は、最近あまり見ないドロドロ感があります。ゆり子が盗聴器を仕掛ける話も出てくるのですが、原作にはなかった部分で、行き過ぎてしまっている感じが怖くもありますが、ドラマならではのシーンなので注目です。

――原作のゆり子とは一味違いますね。

 真っ直ぐな女性ではなく、ズカズカ入っていって物語を進めていくみたいな役割もあります。

――さて、今年も終わりに近づいていますが、1年を振り返るとどんな1年でした?

 いろいろな役ができましたし、一つひとつすごく集中して作品に取り組めた1年で、役者人生の中でも良い1年になったと思います。ドラマ『MALICE』(U-NEXT)やドラマ『VIVANT』(TBS)は神経を使うような役柄でしたし、『単身花日』のようなすごく日常的な役もやることができて、すごくおもしろい1年でした。

――ちなみに今年はどのような目標を掲げてました?

 「丁寧に暮らす」みたいなことを言っていたのですが、あまり丁寧に暮らせていなくて。でも、仕事は丁寧にできました。

――丁寧に暮らす、その理想は?

 忙しい時はお仕事から帰ってくると、疲れてしまってお風呂に入ってそのまま寝てしまうみたいな感じなんです。しっかりやっていたのは犬の散歩くらいで、本当はお花を飾ったり床を水拭きしたりもしたくて。まだ 2 カ月あるので、最低2回はお花を買って飾りたいです。

――最後に、この作品を楽しみにしている方へ一言お願いします。

 単身赴任ラブサスペンスというキャッチコピーの作品なのですが、その言葉だけ聞いたらどういうこと? と思うかもしれません。初恋、不倫、禁断の関係などドキドキが混ざったドラマになっています。また、すごくポップなところもあってワクワクしてもらえるところもたくさんあるので、ぜひ最後まで『単身花日』を楽しんでいただけたら嬉しいです。

(おわり)

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