桑原愛佳が主演を務める数学×ミステリー×ミュージカル『浜村渚の計算ノート』が、8月26日より福岡・キャナルシティ劇場を皮切りに公演がスタートする。その公開舞台稽古が、8月16日に某所で行われた。桑原愛佳、立石俊樹、藤岡真威人、飯窪春菜、井上小百合、レ・ロマネスクTOBI、朝隈濯朗、ダイアモンド☆ユカイらが参加した。

 同作は2009年より講談社Birthおよび講談社文庫(共に講談社)から刊行されている青柳碧人氏による推理小説で、シリーズ11巻までの累計発行部数は110万部を突破している人気作。

 急増する少年犯罪の原因に数学があるとして政府は、「数学をはじめとした理系の科目を学校教育から外す」ことを宣言する。それに憤慨したドクター・ピタゴラスと名乗る数学者が結成したテロリスト集団『黒い三角定規』より『犯行予告』が届き、警視庁は一見平凡な、しかし数学を愛してやまない中学2年生の浜村渚に協力を要請し、天才数学少女がテロ組織『黒い三角定規』に立ち向かっていく新感覚謎解きミステリー作品となっている。

 今回ミュージカル化され主人公・浜村渚を演じるのはオーディションで選ばれた舞台初主演となる桑原愛佳、刑事役に立石俊樹、藤岡真威人、飯窪春菜、そして、彼らと敵対するテロリスト集団「黒い三角定規」にダイアモンド☆ユカイ、井上小百合、レ・ロマネスクTOBI、朝隈濯朗が脇を固める。

 いよいよ本番を10日後(※取材時)に控え、稽古も佳境を迎えてきた。公開稽古は桑原演じる浜村渚の歌唱、ダンスシーンからスタートした。透明感のある澄んだ歌声を響かせ、10日後に控えた本番に向けてのコンディションの良さを感じさせた。ダンサーとのダイナミックで流れのあるパフォーマンスは見どころの一つだろう。これが本番でライティングも含めた演出の中で、どのような表情を見せるのか楽しみだ。

桑原愛佳

 続いては、立石俊樹演じる武藤龍之率いる、『警視庁「黒い三角定規・特別対策本部」』が登場するシーンへと移る。稽古開始前、スタッフとチェックをする立石。主演経験もあり舞台を中心に幅広い活動をする立石の存在感ある芝居で、ストーリーをぐいぐいと引っ張っていく。藤岡真威人は今作が舞台初出演。自身が演じる瀬島直樹をしっかり自分のものにしているといった印象。そして、刑事チームの紅一点となる大山あずさを演じる飯窪春菜は、立石と藤岡、桑原との良きハブになっており、セリフのないシーンでも表情豊かに演じていたのも、印象的だった。

左から藤岡真威人、桑原愛佳、飯窪春菜、立石俊樹

 さらに、テロリスト集団「黒い三角定規」でドクター・ピタゴラスを演じるダイアモンド☆ユカイ率いる「黒い三角定規」の登場シーンでは、ユカイの熱いパフォーマンスが光る。キューティー・オイラー役の井上小百合、モンキィ・ホール役のレ・ロマネスクTOBI、ファントム役の朝隈濯朗の3人がその歌唱をダンスで彩り、盛り上げていく。

左からレ・ロマネスクTOBI、ダイアモンド☆ユカイ、井上小百合、朝隈濯朗

 今回の舞台稽古の取材は上記の3シーンを披露した。原作がもつストーリーの面白さと、個性豊かなキャストによるミュージカルの楽しさが融合し、大きな期待感をもたらした。本番までによりブラッシュアップされていくことは想像に容易い。

 数学×ミステリー×ミュージカル『浜村渚の計算ノート』は、8月26日の福岡・キャナルシティ劇場を皮切りに、大阪・森ノ宮ピロティホール、愛知・ウインクあいち大ホール、東京・サンシャイン劇場で行われる。【村上順一】

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