INTERVIEW

福地桃子

「表情を見逃さないように」意識した芳根京子との関係性:「それってパクリじゃないですか?」


記者:村上順一

写真:村上順一

掲載:23年04月26日

読了時間:約7分

 女優の福地桃子が、4月12日より放送がスタートした日本テレビ系4月期水曜ドラマ『それってパクリじゃないですか?』(以下『それパク』)に出演。主演の芳根京子演じる藤崎亜季の友人でカフェ「ふわフラワー」で働く根岸ゆみを演じる。同作のキーワードは『パクリ』。『知的財産』をテーマにした、奥乃桜子氏の原作による新時代・オフィスエンターテインメントドラマ。インタビューでは、昨年出演した大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で感じたこと、『それパク』に臨む姿勢、共演した芳根京子との微笑ましいエピソードについて話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】

芳根さんの表情を見逃さないようにしていました

村上順一

福地桃子

――4月12日からスタートした『それってパクリじゃないですか?』に出演されています。出演が決まった時の心境は?

本作のテーマでもある知的財産というのは普段聞き慣れない言葉ではあるのですが、すごく自分たちの生活の中で身近にあるもので、知れば知るほど興味深かったです。登場人物の個性ある魅力的なやりとりで進んでいくシーンがあったり、楽しく読ませていただいているので、これがどんな風に映像になるのか楽しみです。そして以前ご一緒したことのあるスタッフさんの方とも作品を通して再会できたことが嬉しかったです。

――福地さんは根岸ゆみという芳根京子さん演じる藤崎亜季の友人役なんですけど、役柄を聞いてどう演じたいと思いました?

 キャスト、スタッフのみなさんと顔合わせがあって本読みをしたのですが、そこで芳根さんとは初めてお会いしました。明るくみんなを元気にしてくれるようなエネルギーのある方で、スタッフさんもそういった方が多いので心強いチーム力を感じています。2人の関係は高校時代からの友達ということで、いい空気感の中で撮れたらという思いと、互いに補い合って成長していく2人の関係性をうまく映像に残せたらいいなと思いました。

――芳根さんとコミュニケーションは積極的にとられたのでしょうか。

 撮影当初朝のメイク中にメイクさんとこの辺りにあるよと教えてもらった銭湯の話をしていて。私は以前おすすめしてもらったときに行ったことがあったので、芳根さんにもおすすめしたところ、いいなぁと言っていて、お風呂好きという共通点がありました。早速そのお風呂屋さんに行ったみたいで。行動力に驚きました!それが嬉しかったです。撮影と撮影の間、空いた時間に何をして過ごすのか、「お風呂に行こうかな」みたいな話を2人きりで話していたつもりだったのですが、セットでの撮影で全部聞こえていることを忘れていて、監督やスタッフさんから「お風呂いってらっしゃい」と周りの方にお風呂に行こうとしていることを知られてしまったことがありました(笑)。

――(笑)。芳根さんはどんな印象の方でしたか。

 皆さんに対して積極的にコミュニケーションを取ってくださる座長です。番組で行ったという宇宙の博物館で買ってきてくれた宇宙グミをお土産でくださったり。そういう芳根さんの優しさや可愛らしいなと感じる部分は、(藤崎)亜季にも通じる部分だと思いました。

――重なる部分があったんですね。

 はい。根岸ゆみという役を通してすごく近いところで感じられるぶん、芳根さん演じる亜季の表情を見逃さないようにと心がけています。きっとみなさんが見れていない表情も見ることができているんだろうなと思います。

――高校時代はお2人ともソフトボール部だったということで、ユニフォームを着ている写真もSNSにアップされていましたね。

 お話の軸になってるのが社会人になってからのお話なので、高校時代の2人の関係性というのは想像を膨らまして作っていかないといけない部分がありました。ソフトボール部の監督とのやりとりを含めた学生時代のシーンは、部活の空気感を撮影で体験できたことによって、より一層役の輪郭が見えてきたような気がしました。

――根岸ゆみはどんな人物だと感じてますか?

 相手に対してストレートにものを言えるところが素敵だなと思います。こうした方がいいよとか、大丈夫? といった感じで常に相手が発しているものにアンテナを張って気にかけているような人物。、亜季が悩んでいる時は、心配し寄り添うというよりも喝をいれるようなところがあって、そんなゆみのおせっかい”な部分も魅力的に演じることができたらいいなと思っています。

――福地さんと重なるところは?

 テンション感だったり持っているものは普段の私とは違うと思いました。でも、お節介な部分というのは、私とちょっと似ているような気がしていて(笑)。私もゆみのように気づいてしまう、なにか思ってしまったら素通りできないところがあると思います。

――根岸ゆみが働くカフェ「ふわフラワー」には、ネコの「リリイ」がいて、可愛いですね。

 リリイはすごく可愛くて癒しをくれる存在です。動物との心の距離は撮影回数を重ねていかないとなかなか縮まらないと思うので、安心してその現場にいてもらえるような空気づくりができたらいいなと思いました。

――この作品はどんな人に見てもらえたら、より楽しんでもらえると思いますか。

 ひとつのモノが商品になるまでには沢山の人の想いが合わさっていて、とても明るくなれる作品なので、是非色んな方に観てもらいたいです。このドラマで知的財産という言葉を初めて聞いた、知った方もいると思うのですが、構えすぎず楽しんで観てもらえたらいいなと思っています。

相手の芝居を見て変化することを体感

村上順一

福地桃子

――昨年は大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に出演されていました。反響はいかがでした?

 大河ドラマということで、観てくださる方が沢山いるということは知っていたのですが、まさにそれを肌で感じました。それと同時に自分が演じさせていただいた初の成長を、みなさんが楽しんで見てもらえているのが伝わってきました。初は旦那さんを尻に敷くような、強い性格の役柄だったのですが、最後の方のシーンでは坂口健太郎さん演じる(北条)泰時との幼馴染ならではの夫婦像が描かれていたので、ドラマを観てくださった方から「最後のシーンがすごく良かった」と言っていただけて、初の強い部分だけではなく愛情が垣間見えるところに反響があったのは嬉しかったです。

――坂口健太郎さんに水をかけるシーンもすごかったです。

 あのシーンは私もびっくりでした。三谷(幸喜)さんが書かれる台本は毎回想像できないことが多いんです。現場で演出を付けていただくのですが、本番になってみないと分からないこともたくさんありました。三谷さんとそのチームの面白さがあるなと感じていて、毎回演出が新鮮で楽しく演じさせていただきました。

――改めて振り返ると、福地さんにとってどのような経験になりましたか。

 ドラマで色んな夫婦が描かれている中で、初と泰時の夫婦像について、監督と坂口さんとお話しをする機会がありました。そのお話を経て、みんながほっこりする、安心するような夫婦でありたいと思いました。そして、相手の芝居を見て変化するということが体験できた現場でした。

――NHKといえば、5月14日からNHK BS プレミアムでドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』がスタートされますが、福地さんは環という人物を演じられます。

 原作にはないオリジナルキャラクターということでとても自由に想像をしながら撮影しています。河合優実さん演じる岸本七実と私が演じる環、クラスの中でちょっと浮いている2人が仲良くなるんですけど、なぜか惹かれあっていく2人のやりとり、会話がとても面白い感じになっています。

――撮影はどのような雰囲気で進んでいますか。

 監督のこだわりの部分を受け取りながらも、現場で明確にこうしなければいけないという決まりほとんどないというのがとてもやりやすい環境なのかなと感じます。撮影回数を重ねていく中で出来上がっていくキャラクターというのがあり、それは自分が考えて持っていったものを監督が「いいね。面白い!」といった感じで進めてくださるんです。自分で持っていったもので、七実と環2人の関係ができあがっていることを感じているので、とても伸び伸びとやらせていただいています。

――注目してほしいところは?

 ストーリーの軸となる岸本家のシーンに関わることはあまりないのですが、そこでは見せない環と接する時に見せる七実のもう一つの顔みたいなところを、皆さんに楽しんでもらえたら嬉しいです。

(おわり)

村上順一

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