INTERVIEW

木内秀信×高橋李依


記者:村上順一

写真:村上順一

掲載:23年03月02日

読了時間:約6分

 『アントマン&ワスプ:クアントマニア』が2月17日に全国公開された。シリーズ3作目となる本作は、これまで情報が少なかった量子世界をメインとしたストーリー展開で、時を操るというマーベル史上最凶の敵カーンが登場。アベンジャーズにとっても最大の脅威になるであろう謎の存在のカーンとアントマンたちがどう戦っていくのか、注目が集まっている。日本語吹替版声優には、スコット・ラング(アントマン)役に木内秀信、ホープ・ヴァン・ダイン(ワスプ)役に内田有紀、そしてスコットの娘キャシー役を、シリーズ初参加の高橋李依が務める。インタビューでは、木内秀信と高橋李依の2人に本作の見どころから、アニメとはまた違った趣のある吹替という作業について、話を聞いた。【取材=村上順一】

選んでいただけたことが本当に嬉しかった「高橋李依」

『アントマン&ワスプ:クアントマニア』 Photo courtesy of Marvel Studios.©2022 MARVEL.

――高橋さん、「アントマン」シリーズ初参加ですね!

高橋李依 ボイステストで私の声を聞いていただいて、参加させていただけることになりました。自分は吹替作品になかなかご縁がなかったので、選んでいただけたことが、本当に嬉しかったです。

――木内さんは「アントマン」シリーズ最新作、続投おめでとうございます!

木内秀信 ありがとうございます! なのですが…前作まで言われなかった「続投おめでとう」に、今作で登場するマーベル史上最凶の敵カーンより恐怖を感じます。続投世界線もあったのだろうか? もしかして声優全替えしようとしてたのか? みたいな。ブラックマヨネーズの小杉竜一さんが声を担当していたルイスのように、出番がないパターンがあるのは仕方ないとは思うのですが。

――失礼しました。こちらが正しい言葉になります。続編おめでとうございます!

木内秀信 ありがとうございます(笑)。続編、誰よりも楽しみにしていました! 

――さて、お互いの印象はいかがですか。

木内秀信 高橋さんとは、過去に何度かお会いしたことがあったくらいなのですが、今回のキャシーと高橋さんが結びついてなくて。僕が最初の収録だったのでキャシーの吹替も試写会で初めて聞いたのですが、ああ、この方がスコット・ラングの娘なんだーと思いながら、ご挨拶させて頂きました。

高橋李依 私もまだ予想の範囲なのですが、愉快でお茶目で、可愛らしさを内包されている方なのかなと感じておりました。

――お茶目な感じ、スコットと重なりますよね。

木内秀信 アントマン第一作目が公開された時に、アメリカ人の友人に「僕が、アントマンの吹替をしているんだよ」というメールをしました。当時僕は、ポール・ラッドさんのことをあまり存じ上げていなかったのですが、「すごく面白くて常にユニークな人柄が僕にすごく合ってるよピッタリだね」と、その友人が教えてくれました。そこから他の作品を見始めて、「あぁ、なるほどな」と思ったのを覚えています。

――お2人が思う本作の見どころは?

木内秀信 アベンジャーズの他のメンバーとはちょっと違った、「アットホームなアントマン」というイメージの立ち位置なのですが、今回は今までにはなかったシリアスな部分も多く、新たなアベンジャーズへのスタートを切ったんだなと感じています。MCUフェーズ2の最後が『アントマン』で締め括られたと思うのですが、『アベンジャーズ/エンドゲーム』が終わって「さあ、ここからどうなる!?」というところでのMCUフェーズ5の劇場第一作目が、『アントマン&ワスプ:クアントマニア』だったので、必然的に期待度が高い作品であることも嬉しかったです。皆さんも楽しみにしてください!

高橋李依 シリーズ1作目、2作目で「パパ、大好き」と言っていたキャシーが成長して、アントマンであるパパをずっと見てきていたことが感じられる一作になっていると思いました。キャシーの人生をしっかり感じましたし、加えて量子世界は知らないことだらけで驚きもあって。過去にみなさん何度か量子の世界に行っていましたが、多くは語られてこなかったので、そこも今回の見どころだと感じています。

――想像以上の展開でした。

木内秀信 今までの量子の世界といえば「クマムシに気をつけなさい」ということくらいしか情報がなかったのですが、今回その量子の世界が舞台となっているので、想像以上の世界観になっています。

高橋李依 一気に知らない世界が見えるので、これを劇場で観られるのは、本当にいいなと思いました。

木内秀信 ぜひ皆さんには、大きなスクリーンで新たな量子の世界の広がりを体験して頂きたいです。

だんだんシンクロ率も高くなってきた

村上順一

木内秀信×高橋李依

――とある声優さんが、吹替は役者さんと息遣いをシンクロさせることが重要だとお話ししていました。

木内秀信 本当にその通りだと思います。いかにシンクロさせるかが大事なことの一つだと思います。ポール・ラッドさんもアントマンを演じているわけで、僕もアントマンを演じようとしている、その方向性は同じだと思います。彼がどのようにアントマンを演じようとしているのか、それを僕がどう感じて読み取っていくのか。それを自分の中の落とし所にしています。ありがたいことにアントマンの第一作目以降は、他の作品でのポールさんの吹替を担当させて頂くことが多く、彼の癖や面白さを誰よりも見続けてきたので、だんだんシンクロ率も高くなってきたような気がしています。

――ポールさんの変化を常に感じられていて。

木内秀信 ポールさんご自身がおっしゃっていたのですが、彼はアベンジャーズのファンで、その役者さんたちと会ったときに緊張したしとても興奮したと。その現場での雰囲気が演技からも感じられました。アントマンの成長と共に彼の中のアントマンを演じるということへの変化があったのではないかと感じています。

高橋李依 今、木内さんがおっしゃっていたように、彼、彼女が演じようとしているもの見るというのは、本当にその通りだなと思いました。収録を続けていくと、映像を観ながら“キャシーがここで下唇を舐めるのがちょっとわかる!”と、私も感じたんです。なぜここでこうしたのか、というのが伝わってくると、その瞬間からお芝居が更にやりやすくなって。自分にとっては挑戦の現場ではあったのですが、やりたいことがわかると一気に楽しくなりました。

――私は高橋さんとキャシーが重なって見えました。

木内秀信 重なるものなんですよ。

高橋李依 外画(日本外で制作された映像作品)の吹替は、骨格が似ていると声が合う傾向があるというのを聞いたことがありますね。それと今回キャシーはポニーテールなんですけど、私もよくポニーテールをしているので、性格の親近感にも繋がりました。

木内秀信 高橋さん、吹替の経験は今回が初めてなんですか?

高橋李依 過去にちょっとした役、男の子とかモブなどはあったのですが、こんなに喋ったのは今回が初めてです。

木内秀信 今回、めちゃくちゃメインキャラクターですね。

高橋李依 そうなんです! 吹替作品での舞台挨拶も初めての経験でした。

――本作でハンク・ピム (演・マイケル・ダグラス)のセリフで「アリは諦めない」というのがありました。諦めないというのも本作の重要なテーマだと感じているのですが、お2人が諦めないで大成したいことはありますか。

木内秀信 僕は仕事ですね。この仕事って100点がないと思っているので、常に諦めず仕事に向き合っていきたいなと思っています。

高橋李依 私は今回の作品からマーベル作品、『アベンジャーズ』シリーズを知ったので、ここから知識をつけたいです。もう沢山あって沼の予感がしますが、諦めずに追いつきたいなと思いました。まず『アイアンマン』から観ていきたいです!

(おわり)

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