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声優の高橋李依が、Netflixで配信されるアニメ『ロマンティック・キラー』(10月27日配信開始)に出演。“非ヒロイン属性の主人公・星野杏子を演じる。『ロマンティック・キラー』は、集英社「少年ジャンプ+」で連載されていた百世渡による漫画作品。“非ヒロイン属性”の女子高生・星野杏子と、“とある目的”で杏子に恋愛をさせるべく突然現れた魔法使いリリ(CV. 小松未可子)によって繰り広げられる物語。インタビューでは、アフレコでのエピソードや、オープニング曲とエンディング曲の魅力、来年声優デビュー10周年を迎えるにあたっての目標など、話を聞いた。
杏子ちゃんが成人男性みたいな顔をするから大変でした(笑)
――出演が決まった時はどのような心境でしたか。
『ロマンティック・キラー』の作品のテンポ感や面白さに魅了されていたので、自分が杏子ちゃんの声として関われることが嬉しかったです。実はオーディションではリリも受けさせていただいていて、どちらかでご縁があったら嬉しいなと思っていました。
――そのリリを担当されるのが小松未可子さんです。
未可子さんがいらっしゃると現場がすごく明るくなるのを感じていたので、ますますアフレコが楽しみになりました。
――一緒にアフレコされて。
はい。今回は4人まで同じブースに入れたので、セリフの掛け合いは一緒に行えました。魅力でもあるのですが、誰かが喋っている最中も杏子とリリは結構リアクションし続けるので、録音さん泣かせだったんじゃないかなと(笑)。テストの時はみんなで行って、本番は「このシーンまるっとリリお休みで」みたいな録り方をしていました。
――本番もスムーズだったんですね。
物理的に録る量が多かったので時間はかかりましたが、スムーズだったと思います。
――事前に準備されたことはあったのでしょうか。
音響監督さんをはじめ、皆さんが原作のコマや表情を意識していたので、事前準備としては原作をしっかり読み込むことでした。あとはキャラを固めすぎると掛け合いの面白さがなくなってしまうとも思ったので、どう変化していくか、どうメリハリを付けていくかは現場で決めていこうと考えていました。
――杏子は劇画タッチのような表情をする時がありますが、どう対応されていたのでしょうか。
成人男性みたいな顔をするから大変でした(笑)。あの顔からどんな声を出したら納得できるかな、というのはあって、自分の引き出しを開けまくって探して、私も一緒に変顔をしてついていきました!
――高橋さんも変顔されていたんですね(笑)。
マイクより前に人がいないことをいいことに(笑)。まだ分散収録で隣はカーテンで仕切られていましたし、誰も私の顔を覗かないだろうなと思ったのでやっちゃいました。そうでもしないとあの顔に合う声は出ないです(笑)。
――今回、この作品を通して発見や気づきはありましたか。
とにかく動きが多いアニメだなと思いました。多くのアフレコ作業はキャラの表情がわかる絵に声を当てていくような感じなんですけど、『ロマンティック・キラー』は、デッサン人形が動くような絵でのアフレコで。ここでジャンプして、リリとどんな風にもみくちゃになるのか、みたいところまで描かれていて新鮮でした。
――珍しいやり方だったんですね。
はい。それに合わせて動きのアドリブをたくさん入れられて、完成映像ともしっかりシンクロしていて安心しました。アフレコの段階から、「これだけ動かしたいと思っています」とリクエストしてくださっているような感覚で、「こんなに動かしてアニメーターさん大丈夫?(笑)」とも思いながら、杏子と呼吸を合わせるように演じました。
――だからアニメがより生き生きとしているんですね。
きっと、こういった制作の仕方だったというのも大きかったと思います。
――高橋さんと杏子はリンクするところはあります?
好きなものが最優先というところですかね。自分に当て嵌めると、アニメや声優への熱量と重なるところがあると思います。自分も学生の頃アニメをリアタイで観たくて、ダッシュで家に帰っていたので、杏子の気持ちはいろんな場面でわかりました。
――それは現在も?
今は深夜アニメのリアタイですね(笑)。私は自分が参加した作品を観るのが大好きで、その作品が世に出るとき、なる早で観たいんです。自分が仕事をしている最中に知らない情報が発信されていたら悔しいくらい。やっぱりみんなと同じ時間に共有したり、SNSでの盛り上がりとかその波に乗っていたいです。
目も耳も奪われてしまうエンディング
――本作の音楽はいかがでした?
攻めてましたね!エンディング曲の「Romantic Love〜恋愛しませんか?☆〜」は最初「パンパカパーン」と、リリのセリフから入るんですけど、それが配信アニメという地の利をすごく活かしていると思いました。今まさにスキップするタイミングで、そこに言及されるとは。
これは褒め言葉なんですけど、映像の方では『ロマンティック・キラリン』のキャラたちが、あえて低クオリティなCGで動いていて(笑)。カクカクのすごいダンスをしているんですけど、それが最高なんです。良い意味でダサすぎて頭から離れなくて。現代技術を持ってしてこのダサさを作れるのは素晴らしいなと思いました。目も耳も奪われてしまうエンディング曲でしたね。
――来年、声優デビュー10周年を迎える高橋さんですが、どんな姿をファンの皆さんに見せていきたいと思っていますか。
現状に甘えず、次の新しい仕事に繋がるように学んだり、基礎と向き合ったり、技術の向上は怠らないようにしたいなと思いながら過ごしています。あと、デビュー当時に先輩に掛けていただいた言葉の中で印象的だったのが、「ご一緒したスタッフさんに、10年後またお仕事したいと思っていただけるように努めておきなさい」というものでした。なので来年改めて、私がデビューした当時にご一緒した方たちとお仕事をするのを目標にしたいですね。10年前に私を起用してくれた方々が、10年後また私を使ってくれたなら、当時の私がやっていたことは間違いではなかった、と過去を肯定できるような気がします。
(おわり)
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