中井友望、映画初主演「ただただ嬉しくて」
『サーチライト-遊星散歩-』
女優・中井友望が、映画『サーチライト-遊星散歩-』(平波亘監督)で初主演を務めることがわかった。
ささやかな暮らしを望んだ女子高生の青春黙示録。一見普通の女子高生だが、病を患った母と苦しい生活を余儀なくされ、禁断の「JK散歩」に踏み入れてしまう、主人公の果歩を演じる。
中井は、『ミス iD2019』でグランプリを獲得以降、注目を集め、昨年は『かそけきサンカヨウ』『シノノメ色の週末』『ずっと独身でいるつもり?』と出演作が立て続けに公開。
来年2月には『東京国際映画祭』のアジアの未来部門に出品が決まった『少女は卒業しない』の公開も控えるなど、期待を集める新人女優の一人。本作で初の映画主演を飾る。
中井「主演という言葉はやはり胸にグッときました。ただただ嬉しくワクワクする気持ちが、決まったときからそして今でもずっと続いています」
中井といえば、キャラクターの心模様を繊細に表現する芝居が印象的。今回の役どころをどう捉えているのか。
「抱えているものはありながらもただ普通に、ちゃんと必死に、生きようとしている果歩を演じるには、人の根底にある純粋な感情だけを頼りにしていたような気がします。あのとき、果歩として真っ直ぐに泣き笑い怒りもがいていたものが、作品を通じて伝わればいいなと思います」
一方の平波監督は、中井を「果歩の未熟さや脆さを全身全霊で体現し、人間としてのかけがえのない魅力を与えてくれました」と絶賛する。
果たしてどのような世界がスクリーンに映し出されるのか。本作は、2022年12月3日から開催の『MOOSIC LAB 2023』で先行上映。2023年に劇場公開予定。
中井友望(内田果歩役)コメント
今作のお話をいただいたとき、主演という言葉はやはり胸にグッときました。ただただ嬉しくワクワクする気持ちが、決まったときからそして今でもずっと続いています。実際、現場でも重荷になってしまう不安や緊張などは一切なく、本当にスタッフの皆さんや平波監督のおかげだなと思っています。平波監督は掴みどころがないようで、だけど凄く考え、寄り添って言葉をくださる方だったという印象があります。主演ということで現場にいる時間も多い中、私にとって監督との距離感や信頼関係みたいなものが心に影響するな、と思っていたので、そこは本当に監督の飾らない佇まいみたいなものに助けられ、今回演じた果歩として真っ直ぐ立っていることができました。抱えているものはありながらもただ普通に、ちゃんと必死に、生きようとしている果歩を演じるには、人の根底にある純粋な感情だけを頼りにしていたような気がします。あのとき、果歩として真っ直ぐに泣き笑い怒りもがいていたものが、作品を通じて伝わればいいなと思います。
無事に撮り終えることができ、完成が楽しみです。
平波亘(監督)コメント
わたしたちが常日頃、あたりまえのように思っていたささやかな幸せが突然奪い去られてしまう。そんなことはもはやこの世界では不条理でも何でもなくなってしまったかもしれません。
本作の主人公・果歩はそんな危機に直面しながら必死に目の前にある日常を繋ぎとめようと抗います。それがたとえ愚かな選択肢だったとしても、大切なものを守ろうとする彼女の小さな冒険を、僕は映画という方法で肯定したいと思いました。中井友望はそんな果歩の未熟さや脆さを全身全霊で体現し、人間としてのかけがえのない魅力を与えてくれました。そんな僕らが真冬の厳しい寒さの中で紡いだ映画が『サーチライト-遊星散歩-』です。この物語に触れた人の心に、温かさが灯ることを祈って。