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吉川愛が、野村周平主演の映画『ALIVEHOON アライブフーン』(公開中、下山天監督、土屋圭市監修)でヒロインを演じる。日本が生んだドリフトレースを舞台に、eスポーツ日本一のレーサー・紘一(野村周平)が、リアルドリフトの頂点を目指すというオリジナルストーリー。世界トップレーサーたちの実走出演でCGゼロの大迫力のリアルドリフトを描いた。吉川は、紘一をリアルドリフトの世界へと誘う夏実を演じる。夏実は新人メカニックで、父でトップレーサーだった亮介(陣内孝則)引退後の「Team ALIVE」を盛り立てるため、紘一をスカウトする役どころ。明るくまっすぐな男勝りな性格だが、紘一の出会いによって変化していく。その夏実を演じる吉川は2016年に一時芸能界を引退したがその後復帰。その後の活躍も目覚ましく、『連続ドラマW インフルエンス』(WOWOW)や『WOWOWオリジナルドラマ ヒル』、映画『ハニーレモンソーダ』など彼女ならではの表現と圧倒的な存在感で観るものを虜に。話題作への出演が途切れない。今作でも吉川ならでの表現力で夏実を好演している。どのような思いで臨んだのか。【取材・撮影=木村武雄】
運転シーンの舞台裏
――出演が決まった時の心境は?
メカニックの役は初めてでした。メカニックの事は知っていましたが、最初はどういうふうに演じたらいいのか、どういう仕草をしたらいいのか分からなくて。夏実は車が大好きな女の子ですが、私はそこまで車のことを知っているわけでもないですし、夏実のそういう車好きなところが自然に伝えられるか不安でした。ただ日本の映画で車を題材にした作品は多くはないと思いますし、しかもドリフトをテーマにした作品に出られることが嬉しくて楽しみでした。
――夏実の印象とどう演じようとされましたか?
少し少年っぽいところもあるサバサバした女の子で、ずっと男の人たちに囲まれて育ってきたので、なるべくガサツなところや、女の子を意識していないような雰囲気を出したいと思いました。なので、なるべく待っている時の態度や喋り方に少し雑さが出るように意識しました。
――車を運転しているシーンの舞台裏は?
私は車の免許を持っていなくて、ハンドルも握ったことがなかったので、この撮影で初めて触れました。けん引してもらいながら運転しているようにしてました。シフトレバーでギアを変えるところも「こうやった方がそれっぽいよ」とアドバイスを頂き、ドリフトをしているシーンは、左側に疑似のハンドルを付けて、久保川さん(実走・ドリフト指導=久保川澄花さん)が右の運転席に座って実際にドリフトをして下さって、私はその左座席に座って久保川さんの動きに合わせるように右にハンドルを切ったら私も回して。それを反転させて映像にしているんですけど、少しでも運転しているように見えたら嬉しいです。
夏実の変化を意識
――紘一を演じた野村周平さんとはいかがでしたか。
この映画は恋愛映画ではないので、監督とも相談してそれが見えないように意識しました。「ここはちょっと恋愛映画っぽいからちょっと変えよう」とか、「この言い方は変えてみようか」などしました。
――ただ夏実自身は、紘一との出会いによって雰囲気が柔らかくなっていくところも見られました。その変化はどう意識しましたか?
最初はサバサバした女の子として見せたかったんですけど、紘一と出会うことによって途中から、女の子の気持ちが徐々に出てくるので、それは髪型やメイクなどで表現して頂きました。三つ編みや少しピンク色を入れたり、表情も自然と出てくるように照れる笑いとかを意識しました。
――そのなかで吉川さんのお気に入りシーンは?
最後の方にある、紘一にドリフトをアドバイスするシーンです。あのセリフは実は、台本には書かれていませんでした。監督が、夏実のドリフト愛や夏実としての一番の見せ場、見どころを作りたいと言って下さって、長めのセリフを追加して下さいました。ただ専門用語も多くて覚えるのは大変でした。普段使わない私の知らない言葉だらけだったので、1個1個調べて理解して、それから本番に臨んでOKを頂いたので、自分の中でもすっきりしたシーンですし、夏実としてもかっこいいシーンになったので、お気に入りです。
一度辞めたことで芝居に変化
――紘一は夏実との出会いで道が開けていきますが、吉川さん自身の転機は?
一度芸能活動を辞めたことだと思います。辞めた後にパン屋さんでアルバイトをして、芸能活動をもう一度するつもりはなかったんですけど、スカウトして頂いて再びこの世界に入って。そこから演技の仕方も変わりましたし、ゼロからやってみるつもりでやってきました。
――今も大切にしている言葉はありますか?
ずっと母に言われてきた「油断は禁物」が頭に残っています。油断することは人間誰しもあると思いますし、でも油断、手を抜きすぎるのはよくないことだと思っています。一生懸命やりつつもたまにリフレッシュ時間を作るぐらいの方がいいんじゃないかなって思っていて、リラックス時間は挟みますが油断はなるべくしないように、その役の一瞬一瞬を大切に、丁寧にやることを心がけようと思っています。
(おわり)
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— voice - ヴォイス (@MusicVoiceEnt) June 13, 2022
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