MUCCの逹瑯が2月12日、神奈川・KT Zepp Yokohamaで初のソロ名義ライヴツアー「First Solo Tour『はじめまして逹瑯です。』」ファイナル公演を行なった。本ツアーは1月15、16日の東京・新宿LOFT公演を皮切りに、2月4日には東京・Spotify O-EASTで行われ、本公演は逹瑯がソロ活動を発表した際の大きな反響を受けての追加公演。(大阪BIG CAT、名古屋E.L.L.公演は延期)2月2日に2枚同時リリースされた1st Album『=(equal)』『非科学方程式』の楽曲の数々を混ぜ、新境地を提示した逹瑯のワンマン有観客公演のレポートを届ける。

 逹瑯は今年ソロデビューとして、アルバム2枚同時リリースというパワフルなスタートを見せた。そして初ツアーのファイナル公演では、MUCCで様々な音楽性を示す逹瑯のソロとしての新たな世界観をKT Zepp Yokohama中に広げた。

 ライヴは強烈なギターリフが轟く「CRASH MAN」から幕開けだ。威風堂々とステージに立つ逹瑯は逞しく頼もしいヴォーカルを力強く響かせ、序盤から勢いよく会場のボルテージを突き上げる。

 続く「New Chaotic Paradise」では一文字区切りのストレートな歌い回しが印象的なAメロから、豊かな構成の楽曲・アンサンブルを駆け抜ける。

 アルバム『=(equal)』収録曲1、2曲目からのスタートに続き、逹瑯のラップが胸に彫り込まれるような「TATTOO」を披露。オーディエンスは一斉に右手を上げて揺らし、多幸感あふれるムーブで賑わいを見せた。

 バンドメンバーのグルーヴからはツアーで培った仕上がりがビシビシと伝わってくる。SORA(DEZERT/Dr)、Masa(NOCTURNAL BLOODLUST/Ba)のビートとボトムラインは極めて強固。海(vistlip/Gt)、奈緒(アルルカン/Gt)のギターアンサンブルは、あらゆる奏法と音色で多彩な楽曲を明瞭に表現する。足立房文(Key)のプレイと悠然とした振る舞いはバンマスらしい存在感を示す。各メンバーへの十分な信頼感共にパフォーマンスを魅せる逹瑯は、新たな姿を解き放つようにステージを縦横無尽に駆ける。

逹瑯(撮影=冨田味我)

 ライヴ前半から瞬時に放出された熱気は、Ken(L’Arc~en~Ciel/Gt)が楽曲提供した「the love letter feat.DURAN」(※CDおよび配信音源ではfeat.DURANだがライヴでは逹瑯一人で歌う)でさらに膨張する。逹瑯の声の特徴を最大限に生かした楽曲がエモーショナルに響き渡り、大いに感情と魂を揺さぶらせてくれる。

 MCで逹瑯は、アルバム2枚同時リリース、1stツアーでフルサイズワンマンができたことについて、オーディエンスに真摯な口調で感謝の意を伝えた。そして今回のツアーメンバーを紹介しつつ、これから先の“逹瑯ソロツアー・ファミリー”の展望にも触れ、今後のソロ活動への様々な期待感を膨らませてくれた。

 ライヴ中盤でも、逹瑯は新たな音楽性を次々と提示してくれた。

逹瑯(撮影=冨田味我)

 スタイリッシュなポップテイストの「DYSTOPIA」、煌々としたダンサンブルなビートで攻める「frigidity」、ダイナミズムの広さ、深さ、危うさも妖艶さも聴かせる歌唱の「壊れたピアノ」と、ソロデビューアルバムの色彩をライヴ空間にビビッドに広げた。

 逹瑯は「ソロを始めてわかること、気づくこと」がたくさんあったと語る。そこに対し、「色んなことに気づけただけでも、新しいことはやる価値があると思いました」と、感慨深く述べた。さらに、「フルサイズのワンマンをもっとやりたい」という熱意をオーディエンスに伝える。

 そして、「色んな種を蒔いて、色んな花がこれから先の未来、枯れるまで咲き続けていってほしいなと思います」という言葉を添え、ライヴは「bloom」へ進む。ステージに姿を表した後藤泰観(Vn)の煌びやかなヴァイオリンの音色は、逹瑯のヴォーカルと絶好に絡み合い、美しいアンサンブルで魅了。

 逹瑯がふと放った「なんかいい感じになってきた」という言葉通り、次曲の「Mr.Countdown」の曲中テンポアップからボルテージはさらに上昇。「新世界」に突入すると勢いは右肩上がりに、如実にフロアの一体感を生み出した。逹瑯とメンバーの激しくほとばしるエネルギーはライヴサウンドとして拡張し、燃え盛るような新たな世界観を示し続ける。

 ソリッドかつ清涼感を含むポップテイストの「compass」でライヴはとどまることなく疾走。逹瑯の「新しい未来へ!」と舵を切る叫びと共に演奏された「cherry blossom」のアグレッシブなサウンドがオーディエンスを包み込む。

 曲中の逹瑯のシャウトと足立の繊細なタッチの鍵盤プレイのコントラストが見事に映え、「door」へ進むとライヴは最高潮に。そしてアルバム『非科学方程式』のラストトラック「朱色の月」のドラマティックな楽曲構成は、本編最終曲目にふさわしく、本ツアーファイナルの美しい幕閉じを飾った。

逹瑯(撮影=冨田味我)

 アンコールには3曲応え、『非科学方程式』リード曲の「赤い糸」も披露。深い情念が込められつつも衝撃の展開となっている本曲がライヴでさらに生々しく沁み込んでくる。そしてラストは逹瑯、足立、後藤の3ピース編成でしっとりと、『=(equal)』収録の「good night」で締めくくった。

 逹瑯ソロ初ライヴツアーファイナル公演は、逹瑯が走り出した新たな未来、まだ観たことのない未知の世界の景色に対し、期待の念を大いに広げてくれた。本編のMCで逹瑯は、「もっとライヴをやりたい」という意欲、「もっと尖っていたいね!」という想いを述べた。そして、「あれがあって、こうなれたこともあったよね、という話が一つでも多く作れるように、一歩一歩進んでいけたらいいなと思っております」と、語った。

 常に多彩な音楽性を追求し、洗練させ、20年以上進化を遂げるMUCCのボーカリストとして飛躍し続ける逹瑯は、ソロ名義初の本ツアーでも唯一無二の存在感を示した。

 そして、全く新たな未来の世界観をライヴで提示した。初動で『=(equal)』『非科学方程式』の2枚のフルアルバムを同時リリースした逹瑯が、ソロで展開する新境地は、極めて深い高揚感に満たされるものであることをお伝えしたい。【平吉賢治】

セットリスト

「First Solo Tour『はじめまして逹瑯です。』」

2022年2月12日@KT Zepp Yokohama

01.CRASH MAN
02.New Chaotic Paradise
03.TATTOO
04.DESIRE
05.the love letter
06.DYSTOPIA
07.surrender
08.frigidity
09.壊れたピアノ
10.bloom
11.Mr.Countdown
12.新世界
13.無限の花
14.compass
15.cherry blossom
16.door
17.朱色の月

ENCORE

EN1.what if
EN2.赤い糸
EN3.good night

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