MUCCのボーカル・逹瑯が4月3日、3rdアルバム『COLORS』、アコースティックカバーアルバム『Pandora Juke Vox』2枚を同時リリース。2年ぶりとなるオリジナルアルバムの本作は、前作リリース時に逹瑯が語った“もっと自分のコアに触れるような作品を”という言葉が具現化された仕上り。インタビューでは、制作秘話から意外なシーンで生まれた作詞面、収録内容の変更について、3年目を迎えたソロ活動において生じた更なる高みへ昇る気概の胸中、逹瑯が発する言葉、歌詞の詳細について「今とこれから」を見据える逹瑯のコアに迫った。
ソロ3rdアルバムの源となったものとは?
――最近、Xのアカウント名が「私はMUCC逹瑯の偽物です」となっているのはどうしてですか?(※取材時)
SNSで色んな人の偽物のアカウントがちょいちょい出てくるじゃないですか?
――「なりすまし」などですよね。
それでみんな「このアカウントは偽物」と、注意喚起していますよね。俺のもたまに出てきてはいなくなり、また最近、偽物が出てきて「あれ、何が目的なのかな?」と思うんです。
好奇心で「俺の(Xのアカウント名)を『私はMUCC逹瑯の偽物です』にしたら偽物も名前を変えるかな?」と変更しても偽物は変えないんですよ(笑)。本物の方が偽物になっていて、偽物の方がそのまま「逹瑯」なんです。「こいつ変えないのかよ!」と思って(笑)。
――皮肉ですね(笑)。さて、シングル「ソラノカタチ」リリース時に「J-POPをやりたい」と仰っていましたが、よりディープな楽曲もあり意外という感覚もありました。
これが一連の流れがありまして。まず、前のアルバムを作り終えてライブを何本かやる中「好きなことをやってみよう」と、ロックなど音やジャンルにこだわらず、好きな音楽を一回やってみようと思ったんです。それで四方八方、手を伸ばしてまとまり、好きな感じになったけど…。
――何か他にも思いが?
ライブをやっていく中で何かがぬるいんですよね。方向性が定まってないぶん、今ある曲では世界観をどう構築していくかわからないと思いながら、ちょっと不完全燃焼感で終わっていって。これをどうしたらとずっと悩んでいたんです。
とりあえず方向性を定めたらいいかなと、MUCCでは振り切ってやっていないJ-POPをと、大島こうすけさんにプロデュースして頂き「やっぱり大島さんのアレンジとか凄いな」と勉強になりました。
そしてグッと良くなったけど、バンドやライブのやり方はMUCCしかやったことがないから、人のライブを観て「良い」と思うことがあっても、自分のやり方からそこに辿り着くのに何かが足りない感じがあったんです。
――今作より前のソロについてですね?
そうです。昨年末のライブではドラマーとキーボーディストだけイヤモニを聴き、あとはイヤモニなしの状態でやったら凄くバンド感があってよかったんです。そこで、もっとライブの攻撃度、世界観をつくれるような曲を増やしていこうかなと、「バンド感を出したい」というところから始まったんです。
『COLORS』仕上がりの満足度
――『COLORS』の着手としては?
10曲収録と決めていて、まずシングルの3曲があり、あとはアルバムのリード曲を1つ作って残りの曲は好きに作っていいかもと思っていました。
それらの楽曲はバンドサウンドにも特化して、ギターを前に出てくるようなバンドのやり方などで強くするんです。すると、どんどんMUCCみたいなサウンドになってきたなと思い、それも面白くて(笑)。曲が強くなってきたのでもっと強い歌詞をと思ったんです。
そういったこともあり「J-POPをやってみたい」と思ったものの、「やっぱり流れている血が違うんだな」ということがわかった上で、この曲たちがあってアルバムの軸があるから、あとの曲でしっかり遊べました。
――仕上がりの満足度は?
試行錯誤していい感じに仕上がったこともあり、やりきれなかったところもたくさんあるから、これは次の課題にしようと。
リード曲「COLORS」制作秘話
――『COLORS』各楽曲は「LASTICA type RE:」以外、全て足立房文さんとの共作曲ですね。新曲「COLORS」の制作背景は? 特にコーラス部分が印象的です。
最初は「こういう感じの曲を作りたいね」と、足立に第一稿を出してもらい、そこから色々アレンジを詰めていきました。頭はみんなで歌えるものからがよさそうだなと変えたりして、コーラス部分は後からですね。
――歌詞の最後の<憧れた未来をこの手で 何色に塗り潰そうか 鮮やかに>という部分はアルバムタイトルのイメージも?
俺の持つ『COLORS』のイメージを象徴する曲にしたいと思いました。激しい曲で、最初「暗いんだけど希望の光に向かう曲なのかな?」と、解釈する人もいると思うけど、むしろずっと絶望の中にいる、めちゃめちゃ暗い、救いようがないけど「そこで生きていくしかないよね」と。
そうなると、染め上げるのではなく塗りつぶすと思いました。選択肢がない状態の人に筆を渡して「一色でこの景色を綺麗な絵で描いてね」と言われても、「塗りつぶすしかなくねえか?」という状態の歌詞にしたいと思ったんです。「自由度が無い中でどう生きていけばいいの?」という。
――楽曲制作面はスムーズでしたか?
う〜ん…どっちだろう(笑)。制作が1月からで、スムーズにいかなければ終わらなかったですね! SEも入れたくて10曲入り、曲ができた感じで決めていこうという進行でどういうタイプの曲を入れようかと。そういう中で、ツアーでもガンガンやっていく「LASTICA type RE:」を入れました。
――「ソラノカタチ」カップリングの未配信だった楽曲ですね。最初に「Introduction」があるとアルバム感が増していいですよね。
足立が全部作ってきたんですけど、「ジャズの雰囲気でいい感じに」とお任せにしたらこういう曲がきました。ど頭のピアノの部分、俺はめっちゃジブリを感じますね! 久石譲さんの世界観というか、凄く好きな感じです。そこから急にバチーンとジャズに入るから最高です。
『COLORS』というタイトルでこれを聴いていたら「おしゃれなアルバムなんだろうな、次はどんなのがくるんだろうな」と思うところで、2曲目「COLORS」イントロのギターのアルペジオの世界観に繋がるSEをつけてくれと言ったんです。そのあとの展開で「激しいし全然違うじゃん!」という驚きがほしいという思いがあり、それを形にしました。
感じる「気持ち悪さ」とは?
――楽曲「お前だよ」では<嫌い>というフレーズが光り、言いづらいことの代弁とも感じました。
聴きやすいロックナンバーだったので、そのまま聴きやすい歌詞を乗せると面白くないなと、インパクトのあるものにしたいと思いました。こういう明るい曲だけど、嫌いな奴のことを歌ったら面白いかなと。
それでも具体的に嫌いな誰かがいるわけではなく、「こうはなりたくねえな」と色んな何人かの嫌いな部分などを一人の人格にまとめあげるんです。自分のようでもあるし、「俺はこうなりたくないな。お前はこうなるなよ?」という戒め的なところでもあります。これはアルバムの最後に書いた曲ですね。
――こちらもインパクトのある楽曲「OVERKILL」。タイトルは直訳すると「やりすぎ」という意味もありますが、どのような思いで書きましたか?
本当に今はみんな…やりすぎだよって。そのまんまですね。
――“overkill”には「必要以上の攻撃」という意味合いもありますね。
そこまでみんな色んな人のことの文句を言わなくていいじゃん、他人に干渉し過ぎだよねという。それの何が楽しいのかというだけです(笑)。
――「お前だよ」は個人に対してであり、一方「OVERKILL」は大勢、社会に対して?
不特定多数のうねりみたな。何でそんなに他人に興味があるというか、人が落ちていく様が楽しいのか、そこに何かしらの快感を感じているのか…さっぱりわからないんですけど、何をしたいんだろうと。その現象を見るのが気持ち悪いんです。
その「何かがあった、起きた」ということより、それに対して一人が文句を言って何万、何十万という、うねりになっているのが気持ち悪いです。「言う必要なくねえか?」と。
何か言いたいなら、友達や身内などなら話の種でその場で収めておけばいいじゃんと。リアルに不特定多数に発信する必要はなくて。でも何で本人まで届くような方法で、直接的に関係のない人が発信する必要があるかがわからねえなと。
――そういったメッセージ性がある楽曲もある中、シングル曲のJ-POP、イントロダクションもありと、カラフルで『COLORS』というタイトルがふさわしいと思いました。
『COLORS』というタイトルだけど、鮮やかで綺麗なカラフルというより、色を全く感じない方でもいいと思いました。凄く燻っている色が並んでいる方でもいいし。タイトルは先に決まり、どっちに転んでもよかったんです。綺麗になってもいいけどそうはならないだろうなと思い、楽しみながら書いていました。逆に色を全く感じないアルバムになってもいいしと。
――そこはジャケットにも反映されている?
パンダは白黒、虎は黄色と黒、血の色は赤、というように、ある特定のものを言ったらみんなが想像する色ってありますよね? そういう風に「誰もが想像するモチーフの色と違うと気持ち悪いがポップに見える」、「パッと見かわいいけど違和感がある」、というジャケットにしたいとデザイナーさんと打ち合わせをして、ばっちり仕上げて頂きました。
楽曲差し替えにより『COLORS』はよりカラフルに
――今回、楽曲の変更にあたり「CATHARSIS」が収録されています。 “catharsis”は、“浄化”といった意味が含まれますが、着想としては?
タイトルは最後につけましたね。アプリゲーム『幕末維新 天翔ける恋』の主題歌タイアップでお願いを頂いたんです。歌詞や曲調など、色々なオーダーもあった中で書きました。そのように、一つの作品にプレゼントする形で書いて自然と生まれて出てきた言葉です。それをそのまま引っ張ってしっくりきたタイトルですね。
――歌詞に<二人>、<君>、<共に>など、パートナーや二人称を思わすフレーズがあるのはゲームの世界観を表しているのでしょうか。
やはりゲームで物語を進行していく上で、プレイヤーと関わる誰かとストーリーが展開していく内容なので、そこからイメージを膨らませて自分の経験や思いを織り交ぜながら進めました。「誰かと関わっていく」、「共に歩んでいく」というテーマになっているので、このようになりました。
――楽曲制作の流れとしては?
『幕末維新 天翔ける恋』サイドから楽曲構成や展開、転調など、具体的でテクニカルなオーダーがあったんです。そうなってくると足立先生はそこも得意なので、一度それで作って、進んでいきました。
――こういった壮大で鼓舞されるテイストの曲があると、全体的に更にカラフルになったと感じました。
そうですね。もともと、このアルバムの性質上「この曲は別のタイミングで後にリリースしようかな」と思っていたんですけど、「CATHARSIS」は強い楽曲なのでアルバムのカラーが凄く変わると思っていて入れていなかったんです。
でも今回、一曲差し替える事情があったので「じゃあ入れようか」と。この曲と入れ替わることにより、みんなが想像する『COLORS』というタイトルの鮮やかな色合いになったと思います。あと、楽曲の差し替えに伴って曲順もちょっといじったので、それによってアルバム全体の流れや勢いが増したと思います。
――確かに彩りが更に広がったと感じます。8曲目「NOBLE」もまた味わい深い世界観ですね。
足立に「こういう曲を作りたい」とオーダーを出して戻ってきた時の空気感が凄く好きでした。ミドルテンポの重たい感じだけど綺麗に広がっていくのがとてもいいなと。歌詞は、アルバムの新曲でラブソングがひとつほしいと、D'ERLANGERさんやBUCK-TICKさんなどの歌詞などに感じていた大人の色気を感じる官能的な歌詞を書きたいと思ったんです。
『COLORS』を引き継ぐ続きの作品がある?
――制作面で最も苦労した点は?
録り音ですね! MUCCの場合は20何年もやっていても歌詞を書いて歌っていたらいつの間にかアルバムが出来ているんです。ミヤが「こういう音がいい」という目標に向かって突き進み、各メンバーに必要なパーツを要求してくれるんです。
それで歌詞を書いて歌い、こういう音で、どのスタジオで、このマイクで、このような技法で録ってと、全部やっていくんです。すると曲が出来ているので、機材選びなど言ったことも思ったこともないけどソロに関してはミヤさんが居ないので。だから自分で選びながらやるし、足立も俺がどうしたらいいんだろうと伺っちゃうから、どんな要求にも応えられるところの真ん中でスタートするんです。
やり方がわからないんだけど試行錯誤している、インディーズの頃のアルバム1、2枚目を作っている時くらいのノウハウの感じも思うというか。だから次はもっと良くなるだろうというポジティブな課題が残りました。
――伸びしろがあると。
そうそう。でも、そんなことをこのキャリアのバンドマンがやることじゃねえよなとも思いながら(笑)。
――それも新鮮だったのでは(笑)。
まあ、そこでカッコつけて背伸びしてもしょうがないなと。そういうバンドでずっと乗っかってきて今、自分で出来るようになるように、ソロやっていっているからいいなってね。あと、もしかしたらだけど、年内に次に動ける可能性があるなら『COLORS』の世界観の延長線のような、ミニアルバムがあってもいいかなと思ってる!
――『COLORS』を引き継ぐ作品が?
うん。この感覚が残ったまま5曲くらいのミニアルバムやEPがあると凄く良さそうだなと。『COLORS』が10曲で聴きやすいボリュームになったからこそ、プラス5曲くらいが入って本当のフルアルバムみたいなイメージができてもいいのかなと思っています。EP単体はそんなに好きじゃないんですけどね。
――それはなぜでしょう?
EPという少ない曲数でひとつの世界観を完結させなければならないからです。シングルかアルバムならわかりやすいけど、EPだとその4、5曲が次のアルバムに活きるわけでもないし。そうも思うけど、ひとつアルバムが出た後の世界観を引き継ぐEPは好きなんです。
吉井和哉さんのアルバム『The Apples』の後にすぐ『After The Apples』というミニアルバムが出たんです。それらのジャケットの統一感、世界観の繋がり、本来は小さいEPという存在がアルバムとくっつくことで壮大な一作品になるのが凄く好きで。
それはMUCCでも『新世界』の時にやったんです。曲がたくさん出すぎてどうしようかという時に一気に入れず、そういうものを別として「同じ世界観で後からそんなに離れずミニアルバムから出すの凄くいいと思うよ」と話して、『新世界』と『新世界 別巻』のリリースとなりました。
そのパターンで『COLORS』も続きを、今年のうちにそれをやっておいたほうがいいなという気がしています。今回できなかったことを試したい意欲があるんです。
――それが続編となる可能性があると。
今たまたまずっと、MUCCも含めて制作が続いていて“制作脳”のスイッチがオンだからやっちまおうかという気になっているけど、一度オフになったらもしかしたら面倒くさくなっちゃうかも…。
――それもあり今年中にという気持ちがあるのですね。
やりたいはやりたいけど、いけるかどうかはわからない(笑)。
シリーズ化も視野にある『Pandora Juke Vox』
――アコースティックカバーアルバム『Pandora Juke Vox』で思い入れがある曲は?
思い入れがある曲しか入れてないんですよね! あと、カバーの許諾がとれて大喜びしたのはTHE BLUE HEARTSさんの「歩く花」です。この曲大好きなんです。
――アレンジ面においてのお気に入りは?
凄く気に入っているのは「STEAL」(オリジナル・LUNA SEA)と「至上のゆりかご」(オリジナル・黒夢)です。
――唯一女性ボーカルのカバー「ジレンマ」(オリジナル・speena)を選んだ理由とは?
その曲が出た当時から好きで、ふと思い出しては聴くんです。今回色々収録する中「この曲入ってるんだ!」ってみんなびっくりするような選曲にしたくて。それこそLUNA SEAさんの楽曲の中で1曲カバーしましょうとなって「STEAL」選ぶ人はなかなかいないと思うんです。
――私もそう思いました!
THE BLUE HEARTSさんのカバー1曲やりますといって「歩く花」を選ぶ人もあまりいないと思うし(笑)。
――確かに(笑)。一方で「SO YOUNG」とシングル曲カバーもありますね。
もう大好きで。THE YELLOW MONKEYさんはコピーバンドなどで歌わせて頂く機会が多くて、その中で「JAM」など色々歌ってきたけど、歌いたい曲がたくさんあるし、もうみんなが聴いたことがある曲を歌うのはもったいないなと思って今回はこの曲を選びました。
――MUCCの「スーパーヒーロー」を選曲した背景は?
原曲で、最初ツアーで一回やっていた時があり、そこからいざレコーディングとなった時にアレンジがガラッと変わったんです。
――シャッフルビートなど、かなりの変化が。
はい。最初はライブでこれにけっこう近い状態でやっていて、実際にアレンジしてレコーディングする時に変わったんです。その時にアレンジ上どうしても抜けてしまった2番Aメロの歌詞が気に入っていて、そこは後のサビなどの展開にストーリーがくっついていく、自分の中では重要なフックなんです。
アレンジ上しょうがないから削られていたけど、一回作品として残しておきたいと思い、そのオリジナルリリックを入れたバージョンで録っておきたかったんです。
――サウンドの全体的な満足度は?
こっちが大変でした! 音数が少ないぶん、悔いといえば残っているし、もっと時間があればあるだけできたはずだけど、しょうがないです。次もっと頑張ろうという部分がいっぱい残っています。アコースティックアレンジだけどドラムを入れてもいいと思っていて、どっちみち楽しいから『Pandora Juke Vox』はシリーズ化しても面白いし、ボリューム2、3とやっていきたいと思っています。
様々な環境で生まれるフレーズ
――逹瑯さんの最近の楽しみや癒しとは? 前回インタビュー時はキャンプがお気に入りでしたね。
引き続きキャンプですね! 今回の制作中に、足立に「この先の詰めを」とお任せして、「ここの期間は作詞ね!」と言いながらキャンプに行っていました。「こっちは作業しているのに作詞という名目でキャンプに行くのずるい!」と、後からよくない気持ちになられるのも嫌だから、「ここはキャンプに行ってきます」と先に言ったら「別に黙っててもいいのに…」と言われて(笑)。
それこそ、キャンプ中に「お前だよ」の歌詞を書いていました。風呂あがってぼーっとしながらなど、そういう時に歌詞を思い浮かぶことが多いです。キャンプ中ずっと考えていて、そこでワンコーラス近くまで出来ていたから、行ってなかったらたぶん違う歌詞がのっていたんじゃないかな…。
その時の頭のほぐれ具合やタイミングでしか出てこない言葉があるんです。毎分、毎秒、考えが変わっていくから色んな環境によって刺激される脳が違うと思うので、机でなど、あまり同じ環境でずっと歌詞を書いていないですね。
――キャンプ時はリラックスという気がしますが、「お前だよ」の歌詞はその中で出てきたものとは思えないほど尖ってますよね。
そう(笑)。自然の中でリラックスしている状態で、細かいものに縛られず「細かいことなんてどうでもよくない?」みたいな環境に居て、大きいものの中に包まれているから<極論 興味ない存在意義>みたいな言葉が出てくると思うんです。
ソロ作品とMUCC作品、それぞれの特性
――前回のインタビューで「もっと自分のコアに触れるような作品を」と仰っていました。本作が完成してどう思われますか?
よりパーソナルな所をつついた作品になったと思う。MUCCの作品ってそういう曲とかもあるけど、アルバム全体として作った時にはMUCCという色んな人が入っている作品になるんです。
ソロに関しては曲のベーシックは足立に書いてもらっているとはいえ、一番メインである言葉を全部自分の解釈で書いています。だからアルバム全体の作品として、凄く逹瑯というもののパーソナルな作品になっているかなと。それがコアな部分でもあるし、より“個”のアルバムかなと思います。方向性をグイッと定めて、「あっちに行こう」と進み出して「ここに到着しました」という作品になりました。
――3月末からのツアーが控えていますが意気込みはいかがでしょうか。
ソロ3年目になって、やりたいことが具体的になってきました。やっとたくさんの本数を周れる機会をもらえたので、しっかり楽しみながらやっていきたいです。本数は毎回少なくて「もっとやりたいね」と言ってライブが終わっていたんです。今回は本数がたくさんできるので、色々とバンド感と世界観を構築していきたいと思っています。【取材=平吉賢治】
(おわり)