[写真]西川大貴&桑原あいユニット“かららん”がレコ発ライブ

圧巻のパフォーマンスでファンを魅了したかららん(撮影・杉田 真)

 『レ・ミゼラブル』や『ミス・サイゴン』に出演する24歳の若手俳優の西川大貴が、ジャズ・ピアニスト桑原あいと共にスタートさせたユニット『かららん』が10月29日にファースト・アルバム『若くて 青い』をリリース。10月31日に東京・南青山MANDALAでレコ発記念ライブを行った。

 『かららん』は俳優・タップダンサーでもある西川大貴のソロ・プロジェクトで作詞・ボーカルを西川が、作曲編曲を桑原あいが担当。これまでにピアノとタップダンスでのライブ等を行ってきたが、この日のメンバーはファースト・アルバムのレコーディングに参加したフルートの小林豊美、ギターのseku、ウッドベースの遠藤定、パーカッションの中丸達也、ドラムのNAGARAが加わった7人編成。ジャズ&フュージョンをベースに、西川自身がフェイバリット・アーティストに上げるシュガーベイブを彷彿させるようなシティポップ/AOR系サウンドを聴かせる。

 演奏されたのはアルバム収録曲を中心にカバー曲を加えた全13曲、90分。西川のタップダンスを間奏で披露したアーリー・ジャズ&スイング調の『とびきり愉快なスイングを』、桑原のピアノと小林豊美のフルートと友にじっくりと歌う唱歌のような『どこかできいた』、ボッサ調でカバーした松任谷由実の『青春のリグレット』に、ブルージィーな『カラス』。ポエトリー・リーディングではどこかシアトリカルで70年代のアングラ演劇の舞台をみてるよう。

 特筆すべきは『悲しいニュース』から『氷の世界』への流れ。なんと、あの井上陽水の名曲をファンクでカバーしてみせた。唸るベース、爆ぜるドラム&パーカッション、跳ねるギターのカッティングにフルートと桑原あいの弾くグルーヴィーなキーボードが蛇のように粘質に絡む。そんな凄まじいまでの破壊力をもつサウンドに、11歳の頃からからミュージカルで鍛えた西川の艶やかで野太いボーカルが対峙する。集まった約100人のオーディエンスの度肝を抜く圧巻のパフォーマンスを見せつけた。

 ジャズにフュージョン、ファンク、ブルース、スイングと変幻自在に飛び回る、なんとも頼もしい新人が登場した。西川の書くアブストラクトで文芸調の詞。自身のトリオ・プロジェクトとは180度違った桑原のポップ・フィールドにアプローチしたサウンド。この2つの才能の濃厚なコラボレーションが『かららん』の真骨頂。若手役者・西川大貴が桑原あいと共に活動するユニット『かららん』。今後の動きに注目したい。

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