INTERVIEW

わーすた

気まぐれな猫みたいに。
オリジナルファンションブランド「whimtet」


記者:原哲

写真:原 哲

掲載:21年04月03日

読了時間:約9分

 アイドルグループ・わーすたが、オリジナルファンションブランド「whimtet(フィムテット)」の立ち上げを発表した。

 「whimtet」はwhim(気まぐれ)+quintet(5人組)の造語で、わーすたメンバー完全プロデュースによるファッションブランド。メンバー5人が“気まぐれ”に“今”本気で着たいと思ったアイテムを展開していく。

 最初のアイテムは、2021年サマーコレクションとして10アイテムを発信。坂元葉月がキャップ、シャツ、廣川奈々聖がワンピース、バッグ、松田美里がスカート、Tシャツ、小玉梨々華がワンピース、Tシャツ、三品瑠香がカットソー、パンツをデザインした。

 サンプル着用撮影を直撃し、ブランド立ち上げへの思いやデザインのポイントなどを聞いた。【取材・撮影=原 哲】

──オリジナルブランドの立ち上げ、最初に話を聞いた時の心境から教えて下さい。

三品瑠香 私は洋服が好きで、自分が着たい物を作りたいなと密かに思っていたので、それができると聞いた時は本当にうれしかったですね。いつかそういうこともやってみたいなという淡い願望ではあったので(笑)。まさか、本当に形にできるとは思っていませんでした。

小玉梨々華 私も服がすごく好きで、ミュージックビデオ的なものではメンバーのスタイリングをさせていただいたことがあるくらい、「服の仕事をしたいです」ってスタッフさんに言ったことがあったんですけど、まさか一から作れる日が来るとは思ってなかったので、すごくうれしかったです。

松田美里 女の子の服って安い物から高い物、ボーイッシュだったり、ガーリーだったりといろんな物があると思うんです。私はどういう系統でも好きなんですが、このブランドは「自分の欲しい服を作っていい」と聞いて、5人それぞれの個性が出る幅広いブランドになるんだろうなと思ってワクワクしました。自分は、欲しいけどちょっと惜しいなと思いながら着ている服もあるので(笑)、女の子が着てきれいに見えたり、男の子でも着やすい服とか、いろんな妄想を膨らませてたくさん作りたいなと思います。

廣川奈々聖 普段のメンバーの私服が5人それぞれ違った系統なのもすごく面白いなと思っていて、それを生かせるブランドだなと思いました。やっぱり、どれだけ気分が上がらない日でも、新しい服やお気に入りの服って、着ていると気分が上がるものなので。私たちアイドルって歌や踊りで元気を与える存在ですけど、洋服でも(皆さんの)日々の彩りになったらうれしいなと思いました。

坂元葉月 私は正直そんなに服にこだわりがあまりなくて、「ブランドができるよ」って聞いた時に「どういうのを作ればいいんだろう?」って思ったんです。でも、いろいろ話していくうちに、一からプロデュースすることでこんなにも自分の好きなポイントがたくさん詰まった服を作れるんだなと知って、ブランドができてうれしいなっていう気持ちになりました。

 普段のグッズは、ライブをモチーフにしたTシャツやタオルで、日常で身に着けるのが難しい物もあるんですけど、今回は普段からみんながどこでも、プライベートでお出掛けする時でも気軽に着てもらえるお洋服をたくさん作れたので、そういうところでわーすたが少しでもみんなの生活に寄り添えたらいいなと思います。

──各アイテムのデザインのポイントを教えてください。

三品 イメージ通りにできていて、ちゃんと私が普段着たい服になったなと思います。カットソーはチャイナシャツっぽくして、でもチャイナボタンではなくリボンでかわいらしさを入れました。後ろの丈を少し長くして、プリーツにしているんです。後ろからの見え方もかわいくなっています。袖のグレーのレースってあまりないんですけど、それを見つけて大喜びしました。

パンツも作って、白で青いラインが入ったジャージっぽいパンツにしています。最近はそういうスポーティーでラフな服装もはやっていたりするし、男性も使いやすいパンツになるかなって思います。サイドにスナップが付いていて開いたりするので、いろんな着方ができます。

三品瑠香

三品瑠香

小玉 Tシャツとワンピースを作りました。Tシャツは男女どちらの方にも着ていただけるようにシンプルで夏っぽくしたいなと思ったので、白地にメンバーのシルエットがロゴの周りにいるような感じにしました。丈の短い物と普通のサイズの二つを作らせていただいて、私が元々Tシャツ短めで脚が長く見えるようなスタイルが好きなんです。でも、「男性は普通のサイズの方が着やすいよなぁ」って悩んだ末に、「二つ作っていいよ」と言っていただいたので、ありがたく両方作らせていただきました。

ワンピースは、私が元々モノトーンを好きなので、白をベースに黒の柄を入れたんですけど、形は着やすいストンとしたカジュアルな感じになっています。これも腰の位置を高くしないとなと思って、スカートの位置や袖の長さなどにこだわって作らせていただきました。

小玉梨々華

小玉梨々華

松田 上半身に厚みがないのがコンプレックスなので、Tシャツは体形を隠せるというか、体系感がないようにしたくて、肩を落とした形になっているので、ゆったりしていて男性にも着てもらえるんじゃないかなと思います。後ろのイラストは自分で描きました。夏っぽいパインと(自分の)好きなさくらんぼを描いて、落書きをしている時にかわいい青虫が描けたので、それも添えました(笑)。

 スカートはマーメイドスカートと言って、腰の形が出て裾は広がるみたいな、緩いきれいな形が見えるスカートで、前から好きだったので、せっかくスカートを作れるなら、こだわって作ろうと思って。脚が長く見えるようにタイトなところから裾が広がるところの位置をちょっと高くしたり、Tシャツをインするファッションも好きなので、ウエスト部分が見えてもいいようにゴムじゃなくて、太めの感じにしたり。レースの花柄もかわいくて、色も単色のかわいいレースもいっぱいあったんですけど、夏だからというのを連想して、ちょっとくすんでいるけど明るい水色にベージュっぽい色にしました。女の子には特別な日に履いてほしいなと思います。

松田美里

松田美里

廣川 ワンピースは、1着で着てもおしゃれ感が出るようなワンピースにしたいなと思って、下は3段のスカートになっています。私は身長がそんなに高くないんですけど、スタイルアップして身長が高く見える形だなと思って。自分でイラストを描いて、「こんな形がいいです」って見せたら、本当にそのままの形にしていただけて。ガーリーが好きな人も、カジュアルが着たい人もいると思うので、リボンは取り外しができるようになっています。腰に巻くのも雰囲気が変わると思うし、前や後ろ、横に付けてもいいし、4WAYくらいできるワンピースになっているかなと思います。リボンは個人的に大好きで絶対に服に入れたいなと思っていたので、リボンが立つように中に芯を入れてもらって、形はきれいに見せると思います。

 バッグはユニセックスで使えるようにしていて、レザーっぽく見える黒の生地で作ってもらいました。実用的にしたかったので、スマホが入れられるポケットが外側に付いていたり、フックが掛けられるような部分があったり、長財布が縦に入るサイズで作ってもらったりしました。自分は荷物が多いタイプなので、このバッグに全部収納できたらいいなと思って、男性にも女性にも使ってもらいやすいデザインになっています。ステッチも白いラインを入れてもらっているので、かわいいかなと思います。

廣川奈々聖

廣川デザインのバッグ

坂元 帽子は、私が描いた猫のイラストと、「これは帽子です」ってスペイン語で書いていて。ぱっと見はおしゃれでかわいいけど、よく見たらちょっと変みたいな小物などが好きなので、それを自分のオリジナルとして出したいなと思いました。

 シャツは今着ているのは女の子のサイズなんですけど、もうちょっと袖や丈が長めなら男の人でも着てもらえます。好きなポイントは横にスリットが入っていて、ここが開きすぎているシャツは、私があまり好きじゃないので、ガゼットっていう三角の布で付けることでカバーされるし、おしゃれ感もアップするので、これを付けてほしいですってお願いしました。

 それと、前のボタンをスナップにしてもらって開けても閉めてもかわいい物になっていたり、襟元はノンカラーです。私、ノンカラーを着ている人が大好きで、街中にいると見ちゃうくらい好きなので、たくさんの方にノンカラーを着てほしいです。あとは私がシャツにアイロンを掛けるのが苦手で、この記事は洗って乾かしてもしわが付きにくい生地なので、男性の方でもピンッと着られます。

坂元葉月

坂元葉月

──ブランド名「whimtet」に「気まぐれ」を入れたのは?

三品 みんなでいろんな案を出して決まった言葉なんですけど、それぞれの個性がすごくあるから、一つのブランドなのに全然違う物っていう幅広さが気まぐれな猫みたいな感じがするなと思って。

廣川 文字で並べた感じもかわいいなと思いました。いろいろ言葉を書いてみて、これは違うねとか繰り返してここにたどり着きました。私たちも気まぐれと言えば気まぐれですね。

坂元 気ままに生きています。

三品 伸び伸びと(笑)。

──デザインの中で“気まぐれ”はありましたか?

三品 しゃべっている中で「こうするといいかも」とか、話している中で思い付くことはあったので、それ(気まぐれ)はあったかも知れないですね。

松田 Tシャツの後ろのイラストを描く時に、最初はきれいな景色などいろいろ考えていたんですけど、「自分で描きな」と言われて描いていたら、「フルーツ描きたい!」とか、青虫描いたから付けちゃおうみたいな(笑)、それは気まぐれでしたね。

小玉 私も最初はこういうデザインじゃなくて、メンバーのシルエットを後ろに大きく付けようと思ったんですけど、デザインしていく中でギリギリまで変えて変えて変えて、最初の案とは全然違う物になりました。

坂元 私は最初に案を出した時からこの形でした(笑)。自分の中で「これがいい!」っていうのがビシッと決まったので、気まぐれはなかったですね。

廣川 デザインを考える時に紙に描いていたんですけど、気付いたら全然関係ないデザインを描いていたのを今思い出しました(笑)。

わーすた

※着用写真はサンプルです。製造商品とは多少異なることがあります。

■わーすた公式サイト
 https://wa-suta.world/

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原 哲

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