氷室京介

 氷室京介の楽曲全373曲がサブスクリプションで解禁となった。ファンからしてみれば待ちに待った解禁だ。

 BOØWYの楽曲は先に解禁されていたため、ヒムロックの歌声を欲した際には聴いてはいたが、どうしてもソロデビュー後のキリキリとしたサウンドとクールな歌声を聴きたい。これまでに購入したCDは家にはあるが、全ての楽曲を持ち歩くわけにはいかない。どんな場所でも気軽に聴きたいと思っていた筆者からすれば「やったー!」である。

 それで早速、アプリを立ち上げて聴いた。まずは何も考えず、アプリが勧めるものに委ねた。最初に流れたのは「KISS ME」。のっけから「おお!」である。あのシャープなギターイントロに胸が高鳴る。「たまらない! これだよ、これ!」。そして氷室の歌声が紳士的に入り込む。何度も聴いた曲だが、何かが違う。「こんなに音質が良かったっけ? ライブ感がある」気のせいかもしれないがそんな印象を受けた。氷室の裏で鳴るギター。「あれ? こんなに優雅なバッキングだっけ?」氷室の歌声を受け気持ちよく泳いでいるかのようなバッキングだ。

 その次にアプリが選曲したのは「CALLING」。これもイントロがたまらない。胸が躍る。ギターのピックスクラッチを皮切りにサウンドが広がる。広大な大地と大空が目の前に広がるようだ。その後は「VIRGIN BEAT」。「おお!」である。ヒット曲が続く。そして、アルバム『NEO FASCIO』収録の「SUMMER GAME」。近年のバージョンも好きだが、オリジナルもいい。

 なんだか食レポみたいな記事になったが、そんな気分で名曲に舌鼓を打っている。

 「LOVER’S DAY」は筆者にはもう『LAST GIGS』の印象が強く、今でも聴けばあの情景が広がり、涙が溢れる。あの時にタイムスリップした筆者は「NATIVE STRANGER」「BANG THE BEAT」「WARRIORS」とこれでもかと言うぐらいに畳みかけて、更に「WILD ROMANCE」「Claudia」を流して、〆に「IF YOU WANT」と聴こうとしたときに、携帯電話が鳴った。「木村さん、コラム書いて」。

 選曲中はもちろんジャケットが表示されるが、縦長8センチCDのジャケットも並ぶ。CDを収納しているケースを見ている感覚で嬉しくなる。青春時代から大人になった以降も聴き続けたヒムロック。「CACE OF …」サブスクは私の場合、思い出に浸るアイテム&持ち運べるコレクションかも。ここに新たな曲が加わることを願い、“約束の還暦”まで夢を膨らませている。ちなみに、現在アルバムリリースへ向けて楽曲制作に入っているという。【木村武雄】

筆者紹介

木村武雄 書く人、撮る人。新聞社を経て現職。昨夏、音楽班からエンタメ班に。

記事タグ 

コメントを書く(ユーザー登録不要)