ドラマ「ぎぼむす」、MISIAコラボ曲で見せたGReeeeNの伏線
『アイノカタチ feat.HIDE(GReeeeN)』ジャケ写
GReeeeNが作詞・作曲、リーダーのHIDEが歌唱参加し、MISIAに提供した『アイノカタチ feat.HIDE(GReeeeN)』が、綾瀬はるか主演のTBS系ドラマ『義母と娘のブルース』主題歌として反響を呼び、好調なセールスをみせている。それは、ドラマ『ROOKIES』や『義母と娘のブルース』の主題歌のヒットにみられる、GReeeeNの持つ「ドラマタイアップ曲の底力」なのだろうか。各作品の楽曲には伏線が張られている部分も垣間見える。
タイアップ各作品の主題とリンクする部分
GReeeeNの「ドラマタイアップ曲の底力」。それは、GReeeeNが常にラブソングに込める「どんなに年月を経ても愛を伝え続けていく」という想いを、タイアップ各作品の主題とリンクさせる部分ではないだろうか。彼らの代表曲の、『ROOKIES』主題歌「キセキ」は正にその最たる例だ。
「キセキ」はTBSの石丸彰彦プロデューサーより「ありったけのラブソング」を書いてほしいというリクエストのもと(小説「それってキセキ」より)、GReeeeNが歯科医師目指しているなかで作った曲だ。そして『義母と娘のブルース』のプロデューサーも石丸氏。ドラマ制作側のGReeeeN楽曲への愛情が感じられる点だ。また、「アイノカタチ」には「キセキ」に伏線を設け、回収している点が見られる。
「キセキ」の最後の一節、<何十年 何百年 何千年 時を超えよう 君を愛してる>という部分など、GReeeeNの楽曲には「愛」を伝え続けていくということを強くうかがえる部分がいくつもある。それは、時間が経っても、形を変えても、GReeeeNの普遍性のある強固な主題として揺るがない。
今年リリースし、映画「ママレード・ボーイ」主題歌となった「恋」も、「アイノカタチ」も、<あのね>という同じ歌い出しで始まっていて、伏線が張られているとも捉えられる。さらに遡ると、「キセキ」の<永久の愛の形>という部分がそれを示唆しているようにも思え、「愛」という主題の中で全てがリンクしているように受けることもできる。GReeeeNのラブソングに一貫している部分は『ROOKIES』にも、『義母と娘のブルース』にもそれぞれリンクし、物語の主題を強めている。
“永続的な愛”という共通項
『ROOKIES』の主題歌「キセキ」、映画『ママレード・ボーイ』主題歌「恋」、『義母と娘のブルース』主題歌「アイノカタチ」。GReeeeNが手掛けたこの3曲のテーマには「愛」と「出会い」があり、いずれもありったけのラブソングだ。そしてこの3曲には“永続的な愛”という共通項があるように思える。
「キセキ」では、<君に巡り合えた それって『奇跡』>と、巡り合えた“奇跡”を「恋」では<この世界中で出逢えたキミへの恋(うた)>と、出逢えたキミへの“恋”を。「アイノカタチ」では、<星の数ほどの中 ただ一人のあなたが 心にいるんだ>と、ただ一人のあなたへの“アイノカタチ”を。それぞれの歌詞にリンクしている部分がある。
「愛」という普遍的なテーマの中でGReeeeNは、形を変えながら様々なラブソングを手掛ける。そして、タイアップドラマの主題や内容によって、メロディや言葉は違えど、GReeeeNの芯にある主題は首尾一貫している。各作品の「物語」を、「愛」という親和性を持つテーマをもって、様々な“アイノカタチ”としてリンクさせている。それこそがGReeeeNの持つ、物語に寄り添う「ドラマタイアップ曲の底力」だろう。【平吉賢治】