連載
静かに輝く――、黒島結菜
撮影・木村武雄
うつむきかげんに前を見つめていた。
後ろで結んだ髪。赤い口紅。透き通る目。
静かに凛と立つ。輝きを放っていた。
時折見せる笑みは屈託もない。
写真は昨年12月、都内で行われた『カツベン!』の舞台挨拶での一コマ。個性派が揃うキャスト陣のなかで、ヒロインを演じた彼女はおとなしめに立っていた。
同作では女優の役を演じた。幼馴染・染谷俊太郎(成田凌)に接するとき、仕草のところどころに愛くるしさがあった。
活動弁士をテーマにした物語。本編に流れた無声映画に黒島もその役として出演した。
スクリーンに映るモノクロの着物姿。
凛と立つその姿に共演者も見惚れた。
「美しい」
最近では、NHKで放送された『アシガール』に出演した。
戦国時代にタイムスリップした女子高生。
凛とした彼女とは対照的な役柄だ。
快活な女性だが、どこかに『カツベン!』の時に見せた愛くるしさがある。
もともと備えているものなのか。
容姿の美しさと、内面にある愛くるしさ。
その2つが同居しているのが彼女の魅力の一つでもあると思った。