横浜銀蝿40th「諦めずに前に進む力」今思う“ツッパること”とは
INTERVIEW

横浜銀蝿40th


記者:村上順一

撮影:

掲載:20年02月19日

読了時間:約14分

ツッパリとは諦めずに前に進む力

『ぶっちぎりアゲイン』初回限定:路薫’狼琉盤ジャケ写

――嵐さんもパーカッションと歌でレコーディングに参加されてますよね。

翔 そうそう。「ツッパリHigh School Rock’n Roll (還暦編)」のカウベルは魂の一打だよ。ドラムは脳梗塞で倒れてから、シンバルの音が脳に拒否反応が出てしまうみたいで、叩くのをやめてたんだけど、Johnnyが帰ってくるとなったら「ドラムを叩く」って言い始めてさ。もう一人ドラマーがもちろんいるんだけど、その中で8つ叩くところを4つでもいいから叩いたら、みんなに勇気を与えると思うし、嵐さんのドラムを聴かせるのも横浜銀蝿40thだと思って。

 歌に関しては嵐さんが自分で詞を書いて、レコーディングは自由にやってもらったんだけど、決めて欲しいところはみんなで「ここは決めてもらわないと!」と盛り上げてね(笑)。

Johnny その模様がCDの初回盤に付いてくるDVD 「Documentary of 横浜銀蝿40th」で映像でも確認できるので、是非観て欲しいですね。かなり面白い映像になっているので。

翔 色んなところで言ってるんだけど、初回盤のDVD付きは実はあまり買って欲しくないんだよ。ちょっと色々と自分がやらかしてしまってて(笑)。

Johnny お茶目な翔くんが出てるからね(笑)。

翔 映像を作ってくれたスタッフも若いからさ、そういうところを使いたいんだろうね。編集するときに「ここはカットして」とお願いしたのに、映像が上がってくるとちゃんと残ってて(笑)。

――それ観たいです(笑)。

翔 観ないで(笑)。36年ぶりにみんなでロケバスに乗って、本牧や横須賀とか当時行った同じ場所で同じポーズで写真を撮ったら面白いね、なんてJohnnyが話して行ったんだけど、スタッフが「当時はこんな風に写ってますよ」とか再現していたら、こっちもだんだん楽しくなって来ちゃって。その時にもドキュメント用のカメラを回してだんだけど、俺サービス精神旺盛だから、ずっとくだらないことをカメラに向かって話してだんだけど、それもほとんど使われて。使うの「そこじゃねーだろ」って(笑)。

――DVDが俄然楽しみになりました。最後に「ツッパリ」の定義はこの40年で変化されましたか。

翔 ツッパリは、言葉遊びみたいなところ、実際調べると相撲のツッパリや支えるツッパリがあるんだけど、俺たちの場合は不良をすることだったわけだけど、昔から感じていたことは一度決めた事をやり通す覚悟みたいなものだと思ってる。でも、ずっとカッコよく来たわけではなくて、色んな失敗もして、また立ち上がって前を向いて進んで行く力もそうだと思う。

 こうやってまたJohnnyと一緒に出来るのも神様がくれたチャンスだと思ってるし、それは俺が「ロックンロールで生きていこう」と決めた覚悟の結果だと思うんだよね。諦めてたら、ツッパってなかったらこの状況はなかった。だから、今俺にとっての「ツッパリとは何ですか」と聞かれたら、「諦めずに前に進む力」だと答えるよ。

Johnny 僕も同じ感じなんだけど、僕らはデビューするまでに、オーディション40回ぐらい落ちてるんです。その時に必ず「面白いけど今の時代じゃない」と言われてたんだよね。でも、その後にデビューして4カ月ぐらいでヒットしたんだけど、あの時に大人の話を聞いて信念を曲げていたら今の横浜銀蝿はなかった。「これがカッコいい」と信じてやり通したからこそだと思っています。

 当時目標を掲げてやっていく中で、僕は最初みんなについて行っただけで、横浜の不良が成功するなんて難しいとは思っていたんだけど、泥まみれになって一つずつ夢が叶っていくのは充実していたし、それがツッパリ精神、周りがどうこうではなく、自分が信じた道を突き進むというのは、その時期に得たものです。

翔 よくJohnnyが言ってるんだけど、もしそれで夢が叶わなかったとしても、少なくとも自分のものになっていくんだよね。みんなもそういうツッパリ精神を持つべきだと思ってる。努力しても夢を掴めない人は沢山いるけど、努力したから夢は叶うわけで、しなかったら絶対叶わない。叶った人は絶対努力しているからさ。だから「ツッパリ」という言葉には「負けちゃダメだよ」、というメッセージもあるよね。

(おわり)

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