横浜銀蝿40th(読み:ヨコハマギンバエ フォーティース)が19日、Zepp Tokyoで『横浜銀蝿40th コンサートツアー2020 ~It's Only Rock'n Roll集会 完全復活編 Johnny All Right!~ [振替公演]』のツアーファイナル公演を開催した。このツアーは横浜、札幌、大阪、福岡、名古屋、東京の全国6カ所9公演をおこなうというもの。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で昨年予定していたワンマンライブは全て延期となり、満を辞して感染拡大防止ガイドラインに沿いながら開催された。ライブは昼公演、夜公演の2部制で行われ、終始テンションの高いステージを展開した。「昭和火の玉ボーイ」や「横須賀Baby」など新旧織り交ぜた全18曲を披露した第2部の模様を以下にレポートする。【取材=村上順一】

待たせたな東京!

 オリジナルメンバーである、嵐(Dr)・翔(Vo.Gt.)・TAKU(Ba)に加え、37年ぶりにJohnny(Gt)が初合流を果たし、オリジナルメンバー4人で1年間の期間限定完全復活を果たした横浜銀蝿40th。

 開演時刻になり幕が開くと、電飾が施された「横浜銀蝿40th」のバンドロゴと、4人の姿が存在感を放っていた。嵐の「待たせたな東京!」のコールから「ぶっちぎりRock'n Roll」でツアーファイナルはスタート。Atsushi(サポートDr)と嵐のツインドラムでステージ上は圧巻の光景が広がる中、バリバリの熱いパフォーマンスに観客も声が出せない中、手拍子や拳を掲げるなど楽曲を盛り上げていく。

 翔は「1年1カ月待って、今日みんなと会えました。無事にできて嬉しく思います。無観客でやっていた時よりも嬉しいです。動くJohnnyを存分に楽しんでいってください」と投げかけ始まった「1980 HERO」では、ノリノリなステップで鮮やかにギターソロを決めるJohnnyの姿。37年のブランクを感じさせない現役時代と変わらぬ“キレ”を見せていたのも印象的。

Johnny

 翔が「最高のステージを作っていくので夜露死苦!」の言葉に続いて「Take it easy」や「I Love 横浜」と懐かしいナンバーを展開。「I Love 横浜」では<思い出どっさりZepp Tokyo>というメロディに合わせ、観客に振り付けをレクチャーし、一緒に楽しむ場面も。

 そして、昨年リリースされたオリジナル&ベストアルバム『ぶっちぎりアゲイン』よりミディアムバラードの「Again」を届けた。解散から37年振りにオリジナルメンバーでの再始動への想いを綴った同曲を、これまでを振り返るかのようにエモーショナルな歌声を響かせた。観客もその歌声に静かに耳を傾けていた。

 メインボーカルをチェンジしそれぞれの歌声を聴かせてくれたセクションへ。Johnnyは「ジェームス・ディーンのように」、嵐は「お前に会いたい」、TAKUは「Drive onシャカリキカリキのRock'n Roll is大好き!」と間髪入れずに展開。全員が歌える利点を活かしたセットリストにテンションはどんどん上昇していく。

TAKU

 ライブの中盤戦では、イントロのセリフからノリノリのサビの展開がドラマチックな「お前サラサラサーファー・ガール おいらテカテカロックン・ローラー」を披露。波とロックン・ローラーをイメージした手の振り付けが印象的な一曲で、観客はサビでその振り付けで盛り立てる。途中、振り付けのレクチャーを始める翔。波の他に、クロール、バタフライ、さらにシンクロナイズドスイミングというトリッキーな振り付けを提案し楽しませた。

 Johnnyは「表舞台に帰ってこれました。翔くんを始め、嵐さん、TAKUに感謝しています。そして、やりたいと言っても、みんなが来てくれないとできなかったので本当にどうもありがとう」と、メンバーと集まったファンに感謝の言葉を伝えた。

 さらに続けてレコード会社に入社してこの約30年間で様々なバンドを見てきたというJohnnyは「まず最初にみんなが目指すのがこのZeppなんです。このステージに立ったバンドのみんなはすごくキラキラしていて素敵だった。その素敵なステージに僕が今立っています。あと(活動は)半年ちょっとですけど最高のロックスターになれるように頑張りますので、応援宜しくお願いします」と意気込みを話すと、客席から大きな拍手が鳴り響いた。

最高のファイナルになりました

 ライブも後半戦に突入。昭和に生まれ今もなお昭和に生きる、昭和の流行語も散りばめられた翔書き下ろしの「昭和火の玉ボーイ」、「Johnny All Right!」と最新の横浜銀蝿を魅せ、今年リリースされたばかりの最新曲「逢いたくて 逢いたい」を歌唱。同曲はタイトルの言葉のみで歌詞が綴られているという潔いナンバーだ。余計な言葉はいらない、伝えたいことはこの一言だ、という気概を強く感じさせ、この場にいる全ての人の感情を揺さぶった。

 2018年に放送されたドラマ『今日から俺は!!』で再ブレークしたJohnny作曲のナンバーで、弟分である嶋大輔に提供した「男の勲章」をパフォーマンス。<つっぱることが男のたった一つの勲章>、このコロナ禍でも負けない、そんなメッセージにも聞こえるこの言葉がより胸に響いてきた。

 そして、ヒット曲「ツッパリHigh School Rock’n Roll(登校編)」に突入。ここで翔の機材にトラブルが発生するが、その間、観客の手拍子もビートの一部となり、バンド演奏で繋いでいく。ライブとは何が起こるかわからない、予定調和ではないということを改めて実感した瞬間でもあった。“雨降って地固まる”、まさにそんな言葉がピッタリで、より熱の入った演奏で魅了した。

 ライブはラストスパートへ。三・三・七拍子ではなく“三・三・五拍子”で会場の一体感を高めた「だからいつものRock'n Roll」。会場全員で行った三・三・五拍子の景色に翔は「すごい綺麗!」と満足そうな表情を浮かべ、その勢いのまま届けられた「銀ばるRock'n Roll」で本編を締めくくった。

 アンコールを求めるクラップがライブハウスに鳴り響く。再びステージに登場した4人。ここでファンクラブツアーと40周年を締め括るファイナルツアーの開催が発表された。そして、このツアーを振り返り、アンコールはデビュー曲「横須賀Baby」を披露し、翔が「最高のファイナルになりました」と、1年越しとなったツアーの幕は閉じた。

横浜銀蝿40th

 ロックンロールバンドの真髄を見せてくれたかのようなライブは、完成度の高いエンターテインメントを提示。ステージ上のメンバーが一番楽しんでいるのではないかと思えるほどのパフォーマンスを見せ、まさに“ハッピータイム”な一夜であった。

 このライブの模様はCS日テレプラスで8月28日に放送されることが決定。そして、9月には東京・名古屋・大阪でもファンクラブ限定のライブ・ツアー『ファンクラブ限定イベント 新・東海道三次「横浜大名行列」』、新たに10月14日(木)LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)を皮切りに全11カ所12公演に及ぶ全国ツアー『ファイナルツアー バハハ〜イ集会「昭和魂 永遠!」』の開催も決定した。今年12月31日までの限定活動となる横浜銀蝿40thにとっては最後のツアーとなる。

セットリスト

01.SE〜ぶっちぎりRock'n Roll
02.羯徒毘■薫'狼琉(※■は王へんに路)
03.1980 HERO
04.Take it easy
05.I Love 横浜
06.Again
07.ジェームス・ディーンのように
08.お前に会いたい
09.Drive onシャカリキカリキのRock'n Roll is大好き!
10.お前サラサラサーファー・ガール おいらテカテカロックン・ローラー
11.昭和火の玉ボーイ
12.Johnny All Right!
13.逢いたくて 逢いたい
14.男の勲章
15.ツッパリHigh School Rock’n Roll(登校編)
16.だからいつものRock'n Roll
17.銀ばるRock'n Roll

EN1.横須賀Baby

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