シンガーソングライターのMILLEA(ミレア)が2月11日、東京・晴れたら空に豆まいてで『ミレアワンマンライブ「ヒカリのさきへ」』を行った。約3年ぶりとなった東京でのワンマンライブは、MILLEAの世界観を存分に打ち出したステージ。昨年リリースされたアルバム『ライフ・プラネタリウム』からの曲を中心にアンコール含め全13曲を披露した。ライブの模様を以下にレポートする。【取材=村上順一】

みんなと一緒に楽しい時間にしたい

MILLEA

 約3年ぶりとなった東京でのワンマンライブ。会場となった晴れたら空に豆まいてには多くの観客が集まっていた。ステージにはパーカッション、グランドピアノなど、アコースティック楽器が存在感を放つ中、会場はゆっくりと暗転。まずはサポートメンバーの松岡モトキ(Gt)、多畠幸良(Pf)、大塚雄士(Perc)がスタンバイし、続いて本日の主役であるMILLEAがステージに登場した。

 ライブは「祈り」で幕を開けた。マイクスタンドを使用し、透明感のある優しい歌声で会場を包み込んだ。ちょっと照れくさそうに微笑むMILLEAの表情が印象的だった。「みんなと一緒に楽しい時間にしたい」と今日の意気込みを話し、母への感謝を歌った「This is my life」を会場の隅々まで届くように歌い上げ、続いての「HOME」では、観客一人ひとりに語りかけているようだった。

 MCでは幼少期の話など、ユーモアを交えたトークで楽しませてくれた。MCに続いて披露された「あなたが星になって」は、どこか懐かしさも感じさせてくれる、マイナー調のシリアスなナンバー。演奏に乗って、情景を映し出す歌声に観客も静かに耳を傾け酔いしれる。

 5曲目に披露された「孤独という名のプライド」では、松岡のフレーズと、MILLEAの伸びやかで叙情的な歌声が絶妙に絡み合い、至高の空間を作り上げていく。そして場面を一転し、ポラリスに変わらない愛を誓おうと歌うハッピーなラブソング「One more love song」を届け、音楽性の幅を見せてくれた。

 ここで会場の左手に設置されたスクリーンを使用し、アニメーションと歌のコラボレーションコーナーへ。これまでも4コマ漫画などイラストと共に活動してきたというMILLEA。スクリーンには自分の分身だと話す主人公みれあっちと猫ミレアが登場し、勝手にコンサートを始めるという展開。それをステージから観ていたMILLEAが「ちょっと勝手にコンサート始めちゃダメでしょ!」と切り込み、みれあっちからバトンタッチする形で「きらり星」を歌唱した。

 そして、つくばエキスポセンターで上映されたオリジナル番組『第2の地球を探しに行こう!-惑星探査のいま-』のナレーションを担当したことがあるMILLEAの語りも堪能。幼少期の思い出で、自身が雪だるまになって遊んでいるという『雪あそび』というタイトルのイラストを使用し、言葉のみでストーリーを伝えていく。

イラストを使用したコーナー

 続いて、北海道から上京した当時の想いを描いたイラストストーリーを真剣に見つめる観客。「自信がないのなら自信のない自分を歌えばいいんじゃないか」という、とあるプロデューサーの言葉に助けられたという。MILLEAが届けたのは、「自信って何だろう」という言葉から始まる、初めて自分で作詞・作曲をした楽曲「Be Myself」。自身の歩みを思い出すかのように歌い上げると、歌唱後にMILLEAは「私は変わらないな」とポツリ。

 このコーナーを締めくくったのは、こたつでうたた寝するみれあっちと猫ミレアのイラスト。夢の中で大きな舞台で歌う自分を見ているんじゃないか、と語るMILLEAが披露したのは「Good Night」。子守の歌のように優しい心地良い歌声。このイラストを使用したコーナーはこの日のライブのハイライトとなった。

明るい未来へ進んでいきましょう!

MILLEA

 ライブも後半戦へ。MILLEAは「ここから元気にいきましょう。みんな、ウズウズしているんじゃないですか?」と投げかけ、軽快なリズムの「Shooting Star」へ。バースでは観客によるクラップが鳴り響き、サビでは流れる星のように、腕を左右に揺らす光景が広がった。「みんなバッチリだね」と嬉しそう。自分がこの世を去る時どんなことを考えるのか、命をテーマにした「人生のバトン」を丁寧に届けた。

 MILLEAは「皆さんと時間を共有出来たことが嬉しかったです」と感想を述べ、本編ラストはシンガロングが会場に美しく響き渡った「今の君の歌」を歌唱。そっと心に寄り添ってくれるかのようなMILLEAの歌声に酔いしれ、歌い終わると、観客から花束のプレゼント。MILLEAは笑顔でその花束を受け取り、ステージを後にした。

 アンコールに応え、再びステージに戻ってきたMILLEA。メンバー紹介をおこない、しっかりピアノの上に座っている、ぬいぐるみのミレ子(サイドギター)も紹介。「明るい未来へ進んでいきましょう!」とメッセージを伝え、ラストに披露されたのは、昨年3月にリリースされた『ライフ・プラネタリウム』の1曲目に収録された「ヒカリ」。一歩一歩前に進んでいくような躍動感あふれるリズムに、MILLEAのトランスペアレントな歌声が、“ヒカリ”のように降り注ぐようだった。集まった観客に感謝を伝え、『ミレアワンマンライブ「ヒカリのさきへ」』は幕を閉じた。

『ミレアワンマンライブ「ヒカリのさきへ」』

 丁寧にメロディと言葉を紡いでいく彼女の歌は、スッと心に浸透していくような、みずみずしさがある。歌うことの楽しさ、矜持が伝わってくるステージだった。

セットリスト

『ミレアワンマンライブ「ヒカリのさきへ」』

2月11日@東京・晴れたら空に豆まいて

01.祈り
02.This is my life
03.HOME
04.あなたが星になって
05.孤独という名のプライド
06.One more love song
07.きらり星
08.Be Myself
09.Good Night
10.Shooting Star
11.人生のバトン
12.今の君の歌

ENCORE

EN1.ヒカリ

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