伊藤美来「新しい一面を見てもらえる」歌手での挑戦が音楽にもたらすもの
INTERVIEW

伊藤美来「新しい一面を見てもらえる」歌手での挑戦が音楽にもたらすもの


記者:村上順一

撮影:

掲載:20年02月15日

読了時間:約11分

 声優で歌手の伊藤美来が2月12日、通算6枚目となるシングル「Plunderer」をリリース。表題曲はTVアニメ『プランダラ』のオープニング主題歌で、伊藤にとって今までにない挑戦も入った疾走感のある1曲に仕上がった。カップリングの「hello new pink」はシンガーソングライターのゆいにしおが伊藤をイメージして作った曲で、「Plunderer」とは違った強い女性が描かれている。2019年を振り返ってもらいつつ、フレーズ毎に緻密なレコーディングになったと話す「Plunderer」の制作背景を聞き、2020年の意気込みを語ってもらった。【取材=村上順一】

余裕のある大人になろう

伊藤美来

――2019年はどのような1年でしたか。

 大学を卒業して、新社会人になった年で、お仕事に集中できることになった1年でした。デビューも高校生の頃だったので、ずっと学業をしながらの活動が当たり前だったので、それがなくなってどう過ごしたら良いんだろうと思っていたんですけど、ありがたいことにお仕事もいただけて、走り続けた年だったのかなと思います。

――仕事1本に絞ることで楽になるとは思っていなかった?

 それはちょっと思っていました。自分の時間が増えるかもって(笑)。ありがたいことにすごく沢山お仕事を入れていただいたので、そういうふうにはならなかったです。学業との両立は大変だったんですけど、学校に行って勉強をしていても友達と会ってる時間はリフレッシュしていている部分もあったと思います。

――ちなみに大学では文学部に入られていましたが、どんなことを主に勉強されていたんですか。

 一般的なことに加えて万葉集などの古典や、メディア論みたいなことを学んでいました。

――そこで学んだことは今役に立っていますか。

 それがなかなか難しいところで、大学の授業が専門的過ぎて、生活の役に立っているかというのは、そうでもないかもしれません(笑)。でも、学生生活というのを経験出来たことが役者として良かったと思います。

――経験というのはすごく重要ですよね。さて、昨年はライブもたくさん出演されていましたが、シンガーとしての変化はありましたか。

 良い意味で肩を張りすぎなくなりました。今までは一つのライブがあるだけで頭がパンパンになっていて、不安がありました。緊張しいでもあるので、ライブが近づくにつれてどんどん具合が悪くなっていくみたいな(笑)。

――基本お一人ですから、緊張しますよね。

 でも、今は自分も楽しんでいる姿を皆さんに見てもらいたいなと思って、前よりも肩の力を抜いてリハーサルも出来るようになってきました。本番は今まで通り緊張しちゃうんですけど。

――ライブの映像など見直したりしますか。

 パフォーマンスのチェックとしてしっかり確認はしますけど、プライベートではあまり見ないです。今ごろ何言ってるんだと思われるかもしれないんですけど、自分のライブしている姿が見慣れなくて(笑)。まだ自分がステージに立っているのが不思議な感じがしています。

――今年に入ってからバースデーイベントの特別公演もおこなっていましたが、ライブはいかがでしたか。

 特別公演ということで、去年におこなったものをバージョンアップした感じで、お正月っぽい企画をやったり、曲を足したりセットリストを変えてみました。

――サブタイトルの「23歳、いいお姉さんになりたいんじゃ」にはどのような意図が込められているんですか。

 23歳というのを考えた時に、余裕のある大人になろうと決めました。それで、良いお姉さんになりたいと掲げさせて頂いて、意気込みをサブタイトルに入れました(笑)。

――良い目標ですね。さて、昨年は2018年に出来なかったインプットが引き続きの目標でしたが、それはクリア出来たということですね。

 2018年の時よりはインプットは出来たと思うんですけど、まだ足りていないと感じているので、もう少しインプットしたいなと思っています。昨年は映画をたくさん観ました。映画館へ行くというよりは、オススメしていただいた映画を家で観る感じなんですけど。

――昨年観た作品の中で、印象的だったのは?

 オススメしてもらった映画『ブルース・ブラザーズ』が面白かったです。オススメしていただいた方から最初貸していただいたんですけど、面白かったのでBlu-rayを自分で買いました。今まで自分が触れてこなかったジャンルの映画を観ていたので、幅が広がりました。

――映画などはどういった見方をされますか。

 細部を見るとか特別な見方はしていないです。まっさらな状態で映画を楽しむぞという気持ちだけです。素直に作品の感情を受け取っています。でも、声優をやっていることもあって、アニメだと違う見方になってしまうんですけど。

――音楽はどのように聴きますか。歌手活動もされているから歌の表情とか気になったり?

 J-Popが好きなんですけど、声だったり、歌いまわしは気になります。「こんなに歌がうまかったら気持ち良いだろうな」とか考えたり。

――今はどんな音楽を聴かれているんですか。

 最近はOfficial髭男dismさんです。aikoさんはずっと好きで良く聴いていて、YUIさんやback numberさんもよく聴いています。

――インプットも出来た1年だったと思うのですが、2019年を一言で総括するとどんな言葉が合いますか。

 「早い」です(笑)。特に下半期は色んなことをすごいスパンでやっていたなと思います。毎週のようにイベントにも出させていただいて、新しいお仕事だったり止まらずにやれて、スピードが速かったと感じています。実際早すぎて自分が追いつかない時期もありました。慣れれば自分に余裕が出てくると思うので、頑張っていきたいです。

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