MILLEA「必ず星の様に輝ける」ありのままの自分受け入れて表現できる強さ
INTERVIEW

MILLEA「必ず星の様に輝ける」ありのままの自分受け入れて表現できる強さ


記者:小池直也

撮影:

掲載:19年03月14日

読了時間:約11分

 シンガーソングライターのMILLEAが6日、ニューアルバム『ライフ・プラネタリウム』を発売した。今作はレーベル移籍後初のアルバムで、リード曲「ヒカリ」や彼女が初めて作曲した「Be Myself」を含めた8曲が収録されている。デビュー以来、“日本一星空がきれい”と話題の長野県阿智村やプラネタリウムでのパフォーマンスを重ねるなど、彼女の活動は星や宇宙と関係が深い。「人の物語と星の物語は似ている」と語るMILLEAの想いは、アルバムタイトルにもにじみ出ている。今回は彼女に新作についてインタビュー。北海道からの上京や下積み時代まで遡りながらアルバム制作についてや、事務所の先輩でもある八代亜紀とのエピソードなどを聞いた。【取材=小池直也/撮影=村上順一】

必ず星の様に輝ける

MILLEA

――ぱっつん前髪がチャーミングですね。

 おでこに真実があるかなと思ってます(笑)。3、4年前はワンレングスで前髪を横に分けていました。今とは違う形のおでこの出し方でしたが、小さい頃からずっとおでこを出しているんですよ。

――MILLEAさんは北海道出身とのことですが、東京は何年目ですか。

 もう12年目ですね。それでもやっぱり北海道弁が出ているみたいです。イントネーションも。だから東京の人だと見られているのか、どうなのか…(笑)。

――『ライフ・プラネタリウム』は移籍第一弾の作品ですね。

 はい。2枚組コンセプトCD「星詩のしらべ ~Starlit Journey~」(2017年)以来なので、2年くらい間が空いてしまいました。でも準備を重ねてきたので、レコード会社移籍第一弾という形でリリースできて嬉しいです。タイトルは自分も含めた、それぞれの人生を映し出すというイメージなんですよ。なので今の私が全て詰まった、そういう作品になったなと思います。昨年の後半からずっと制作していました。

 「ヒカリ」はスタッフのみなさんと話し合って、リードにすることを決めました。歌詞の世界観、口ずさみやすいメロディ、キャッチーなアレンジが1曲目にぴったりだなと。私の新しいスタートなので、明るい幕開けにしたかったのもあります。シンガーソングライターの工藤慎太郎さんがメロディを作ってくださったんですけど、初めて聴いたのは1年半くらい前でした。その時はまだ次のリリースも決まっていなくて、ただただ素敵な旋律だなと思っていて。このアルバムのリリースが決まって、ようやく完成させることができました。

 そのメロディに私が歌詞を付けたんですけど、3日でできあがりましたね。歌詞を書く時ってその曲を何回も聴いて、苦しみながら書く時もあるんですけど(笑)。この歌に関しては自然と書けてしまったんですよ。歌手を目指してから歩んできた道のりを思い出していたら、すんなり。

――MILLEAさんは星や宇宙と関係が深いそうですが、これはなぜでしょう?

 デビューしてから、星にまつわる現場で歌わせて頂いてきました。日本全国の星のきれいなところで歌わせてもらったり、プラネタリウムで歌わせてもらったり。そういうなかで感じたこともこの「ヒカリ」に入っています。そういう意味では星の下で歌わせて頂く様になったからこそ作れた歌であり、アルバムであるとも言えますね。

 過去のシングル「虹色のアーチ」(2015年)のカップリングに「きらり星」という曲があって。その歌を作りながら「この歌をいつかプラネタリウムで流してもらえたら嬉しいなあ」と漠然と考えていたんですよ。そんな時にテレビで日本一星がきれいと話題の長野県阿智村の特集をやっていて。事務所の社長にそれをお話したら、偶然同じ番組を見ていたんですね。それで資料として「きらり星」を阿智村に送ったら、向こうの方が気に入ってくださったんです。それから実際に現地に行って、満天の星の下で歌わせてもらいました。私と星が本当に近づいたのは「きらり星」という歌がきっかけだったんです。

――小惑星探査機「はやぶさ2」の話題をブログでも言及していましたね。

 はやぶさ2は、先日小惑星リュウグウにタッチダウンして成功したばかりですね。星に関連したことをやらせて頂く様になってから、星を愛する人とたくさん出会いましたし、いろいろな星の話を聞く機会も増えました。はやぶさ2も宇宙の中でひとりぼっちで旅をして、たくさんの想いを背負ってミッション成功のため頑張っています。それをみんなで応援しているんですね。

 これって人の人生に重なるなと思うんです。色々な出会いがあって、暗闇があったり、迷ったりしながら、光を求めて夢に向かって頑張っているなと。そういう意味で「ヒカリ」ははやぶさ2の応援ソングの様な気持ちでも歌っていますね。

――星と出会う前だったデビュー時には作れなかった曲なんですね。

 できなかったですね。宇宙科学とか詳しいわけではないのですが、星に対する想いが歌を通して人々の励ましになることが嬉しいです。壮大な宇宙のことを考えると、自分の悩みなんて小さなものだと思えるじゃないですか。人にとって空を見上げたり、宇宙に想いを馳せることは意味のあることなんだなと感じています。

 3、4年前の私には想像もできなかったんですけど、はやぶさ2のミッションマネージャーの吉川真先生の講演で司会をやらせて頂いたり、たくさんの方から星のお話を聞く機会に恵まれました。それで分かったのは、目に見えるたくさんの星のひとつ一つに長い物語があって、それがあって今輝いているということ。私自身もデビューするまでに8年くらいかかっていますし、歌手を目指すまでも1度違う仕事をしたりもして、寄り道したなと思うんです。でも、寄り道って楽しいじゃないですか。これからも色々な出会いに期待したいと思っています。

 私たちにも生まれてから今まで物語があるじゃないですか。今、もしかしたら輝けない部分があるかもしれないけど、必ず星の様に輝ける日が来る。そういう意味では先ほどのはやぶさ2の様に、星と人も似ていると思うんです。「ヒカリ」の1番のBメロ<名前のないあの星にも/長い物語があるように>はたったの2行なんですけど、そういう想いがあってできた歌詞なんです。デビューした頃にはこういうことは書けなかったなと思います。

この記事の写真

写真はありません

記事タグ 

コメントを書く(ユーザー登録不要)

関連する記事