足立佳奈「一本芯がある自立した女性」成人迎え新たに見えた音楽のかたち
INTERVIEW

足立佳奈「一本芯がある自立した女性」成人迎え新たに見えた音楽のかたち


記者:村上順一

撮影:

掲載:20年02月11日

読了時間:約12分

共感を得るには実体験を入れること

足立佳奈

――新曲の「ホントのコト」なのですが、歌詞では基本的には平仮名で<ほんとは>と歌っていて、最後にカタカナで<ホント>と表記が変わるのですが、これにはどのような意図が込められているのでしょうか。

 この曲は恋に悩んでいる気持ちを歌っています。文章にした時にサビで何度も<ほんとは>と出てくるのですが、ここをカタカナにしてしまうと真剣味が出ないと思いました。なので、ここは平仮名にした方が良いかな、とこだわったところです。最後の<ホント>をカタカナにしたのは、引っ掛かりが欲しかったので、タイトルと同じようにしました。

――文字の表記の仕方で受け取り方が変わりますよね。この曲はどのようなラブソングにしたいと思いましたか。

 いつもラブソングを作る時はどの世代の方に届けようか考えるんです。例えばAbemaTVさんの『今日、好きになりました。』のタイアップ曲は高校生に寄り添えるようにと制作します。今回は自分でゼロからテーマを決めることが出来たので、大学生をイメージして、自分に近い目線で書いてみたいなと思いました。なので、バイトをしていたり、レポートに追われて2人の時間がなかったり、それによって素直な気持ちを言えないでいる様を書いてみました。過去の実体験を歌うことはあっても、今の自分と同じ世代のことを歌うことは少なかったのですごく新鮮でした。

――足立さんの歌詞はすごく共感できることが多いと感じているんですけど、共感を得るためにはどうすれば良いとかありますか。

 実体験を入れることだと私は思っています。想像だけで書くと、どうしてもリアルではないところが出てきてしまうと思うんです。なので、私はラブソングを書く上で、人から話を聞いたり自分の恋愛感を入れたり、本当にあった事を書くことが共感に繋がるんじゃないかなと思います。自分にもあったことなら、他の人にもあったことなのかなと。それを受け止めてもらって共感してもらえたら、私が生きているリズムと皆さんのリズムが時代が違ってもあるんだなと思えるので、それは自信にも繋がります。

――リアルを入れるというのが重要なんですね。続いて「Just Do It」はライブ映えするアップチューンですね。

 この曲は『個別指導学院フリーステップ』のCMソングということもあって、高校生で受験勉強している子や、自分が受験していた時のことをイメージして書きました。その中で自分で自分の首を絞めているかのように、毎日を過ごしているのかなと感じました。それは、受験というのは数字がモノを言う世界で、他人のことは気にしなくてもいいのに、誰から言われたでもなく比べてしまって、自ら傷ついてしまって、「私ってダメだ」と思った時もあったなと思って。それをCarlos K.さんと一緒に詰めていきました。

 この曲で新しい試みとして早口になるところがあって、ギュッと歌詞を詰め込んでるんですけど、葛藤している時に出てくる気持ちを表現できたらと思いました。レコーディングはその部分で苦戦したんですけど、私は私で受験勉強している子と違うところで挑戦しているんだなと歌いながら実感していました。自分自身もすごく良い刺激になりましたし、この曲を通して、みんなの背中を押せる曲になったら良いなと思います。

――この曲の歌詞に努力という言葉が出てきますが、足立さんが努力、取り組んでいることはありますか。

 努力と言いますか、ずっと続けていることなんですけど、自分で曲を作りたいという気持ちが強くあるので、普段からアンテナを張って些細なことでも、携帯にメモすることにしています。カップルを見て感じた事を書いたり、電車に乗っていて「あの人疲れているけど何があったんだろうか?」と、想像を働かせて書いてみたりしています。あと、目上の方のアドバイスの中に名言があるので、それを書き留めたり。アンテナを張ることの継続で自分が曲を書く時の引き出しになるかな、と思ってやっています。

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