鈴木愛奈「決して遠回りではなかった」声優活動を経て掴んだ歌手デビュー

感謝の気持ちは歌で伝えていきたい

「ring A ring」完全生産限定盤

――そしてラストの「Eternal Place」は、シンフォニックなインストの第１楽章と第３楽章、歌が入った第２楽章の全３章からなる壮大な楽曲です。

　インストで繋げるという構成は、知らずにレコーディングしていて。フタを開けてみたら、「Eternal Place」だけで壮大なストーリーが出来上がっていて驚きました。レコーディングでは「女神様のように歌って下さい」とディレクションがあったので、すべてを歌で包み込むようなイメージで歌わせていただきました。

――歌詞には、ライブの空間やファンへの感謝や愛情が込められていいますね。

　そうですね。みなさんと1つになる空間が生まれれば良いなと、思いを込めて歌いました。歌詞ではそれを＜愛が集まる場所＞と表現していて、とても素敵です。最後の＜ラララ～＞は、ライブでみなさんと一緒に歌えたら素晴らしいなと思っています。

――＜あなたの足元照らしていけるように＞という歌詞は、鈴木さんがファンに対して思っていることですよね。

　はい。私はファンのみなさんに支えていただいているので、ファンの方への感謝の気持ちは歌で伝えていきたいと思って、それを歌詞に反映していただきました。「Eternal Place」をライブで歌うことで、気持ちを直接伝えることが出来たら嬉しいです。

――ファンは、きっとウルトラオレンジのペンライトで最上級の愛を示してくれることでしょう。

　どの曲が何色とか特に決めているわけではないので、何色を振ってくださるかすごく楽しみです。今後歌って行くことで自然と決まっていくと思うので、最初はみなさんが思う色を振っていただけたらと思います。

――そう言えば同じ“エターナル”という言葉が付く曲で、水樹奈々さんの「ETERNAL BLAZE」は、ライブではウルトラオレンジで客席が染まります。それに水樹さんも最初は演歌をやられていたので、鈴木さんと重なる部分がありますよね。

　民謡と演歌は別ものではありますけど、似たところはあるなと思っていて。そういう意味で水樹奈々さんは、憧れの存在です。私自身、そもそも民謡とアニソンはまったく違うものだしな～と思っていたところがあったんですけど、そういう偏見をなくしてくれたのが水樹奈々さんでした。

――特に好きな曲はありますか？

　私は『魔法少女リリカルなのは』シリーズが好きだったので、『魔法少女リリカルなのはA's』でオープニングテーマだった「ETERNAL BLAZE」に出会った時は、とても衝撃を受けました。水樹さんの曲は本当に胸を撃たれるものが多くて、「深愛」もすごく好きです。実際に歌うとどれも難しくて、水樹さんにしか歌えない楽曲になっていて、あんな風に歌えたらと憧れます。

――「純潔パラドックス」など、水樹さんも和の曲をたくさん歌っていますね。

　すごく格好いいですよね。かと思えばシンフォニック系のファンタジックな曲もあれば、民族楽器を取り入れた楽曲も多いですし。声質を含めて、自分が持っているものを活かすことが出来る音楽は何だろう？　と考えた時に、水樹さんの歌はとてもお手本になっています。自分の歌の表現を追求する上で、方向性の１つを指し示してくれた存在です。

――鈴木さんはソロで『Lantis New Generation Live』『京Premium Live』というイベントに出演されています。１人でステージに立った時は、どんな気持ちでしたか？

　１人でステージに立つのはキャラクターソングでも経験がありましたけど、鈴木愛奈として出るとなるとやっぱり違います。どう受け止めていただけるか、鈴木愛奈というソロになったとたんに押し寄せてくる不安感があって、それに耐えきれなくなりそうな時もありました。

――ステージに出る前に、緊張をほぐす自分なりの方法はありますか？

鈴木愛奈

　緊張すると呼吸をすることも忘れてしまうので、出番の直前にすごく長い深呼吸をするようにしています。ステージに出た瞬間にみなさんがワッと歓声を送ってくださって、ずっと待っていてくださった気持ちが嬉しいし、受け入れてくれるんだとすごく温かい気持ちになって、それで安心することが出来ます。みなさんの声援の力は本当にすごいし、ありがたいです。

――今後の活動としては、やはりライブをたくさんやることになるでしょうか。

　そうですね。ソロアーティストとしての鈴木愛奈がどういう人であるか、どういう曲を歌うのか、ちょっとずつ知っていただける機会を増やしていきたいです。２月と３月に発売記念イベントを東京、大阪、北海道の３カ所でやることが決まっていて、そこでは少しでもみなさんと直接お話をさせていただけるようにと、サイン会をおこないます。応援してくださる方ひとり一人の意見や気持ちを、これからも大事にしていきたいと思っています。

（おわり）