FABLED NUMBER・Eita「ワンステージ上がれた」バンドの進むべき道とは
INTERVIEW

FABLED NUMBER・Eita「ワンステージ上がれた」バンドの進むべき道とは


記者:村上順一

撮影:

掲載:20年01月21日

読了時間:約11分

Sxun君はしっかりとゴールを提示してくれる

Eita

――さて、新譜『ELEXGAME』はSxunさんをプロデューサーに迎えての1枚になりましたが、Sxunさんが参加するまでに、どのような経緯があったのでしょうか。

 Sxun君とギターのMakotoが繋がっていて、作品が出来るたびに聴いてもらっていたんです。それでレスポンスをもらったりしていたんですけど、それが僕のところにまで降りてくることはなかったんです。フルアルバム『Millionaire』が完成して、ひと段落した感覚もあって、MakotoからSxunさんの反応を聞いて、実際に直接会って話を聴いてみたくなって。Sxunさんに会って『Millionaire』のことだけではなく、FABLED NUMBER全体の話をしたんです。その中でなぜ、こういう楽曲をやっているのかという話になって。Sxun君は「Up All Night」のような曲は、僕らはやらなくても良いんじゃないかと言っていて...。

 Sxun君から見ると、僕らは「The night lets us dance,dance,dance」のような異質な感じがFABLED NUMBERの持ち味なんじゃないかと話してくれて。その楽曲を聴いた時はSxun君も面白いなと感じてくれたみたいで。僕らに対して思っていることを正直に話してくれたんです。自分たちも意思を持って楽曲を作っていたのは間違いないんですけど、悩んでいた部分もあって、あれも良いんじゃないか、これも良いんじゃないかと、実際周りからみたらフラフラしていたと思うんです。でも、それは自分たちではわからなかったところで。

――それらをSxunさんにズバリ指摘されて。

 そうなんです。それで、Sxun君と一緒にやってみたいと、みんなに提案したんです。Sxun君ならFABLED NUMBERにしっかりとゴールを提示してくれると思いました。それは、「こういう曲を作れ」ということではなく、僕らはマニアックなところを突き詰めた方が良い、もし結果が出なかったとしても納得のできるゴールの向かい方があるというところで、僕らもすごく納得できて。その話をしていたのがツアーの前だったので、ライブでその意思は反映されていたと思います。ただ、その時はそういった意思のある楽曲がなかったので、「Symphonies Of The Dawn 」の制作も同時にして行きました。Sxun君には本当にやりたい事を引き出してもらった感覚があります。

――Sxunさんにお願いして大正解でしたね。

 そうですね。バンドっておそらく一度は良い曲を書いたってしょうがない、みたいな腐る時があると思うんです。すでに代表曲があって、それでいいじゃんみたいな。でも、僕らはガツンとヒットした曲があるわけでもなくて、今からでもイチから代表曲作れるなと思って、ここでもう一歩進めるような楽曲を作りたい、それがどんなにマニアックな曲だったとしても、しっかり乗せるところに乗せればいける、とにかく自分たちは曲を作ってSxun君に調整してもらうという感じで進んでいきました。

――でも、その中で揉めたところもあったみたいですね。

 作業の終盤でありました。タイアップ曲を提出する事になっていたんですけど、僕たちはだいたい締め切りに間に合わないバンドで...。Sxun君は2曲作ってくれたんですけど、その曲ももちろん良かったんですけど、自分たちが演奏するとなるとちょっと違うなとなって、別の曲「All Living Things」を提出したら、それが採用されてしまって。その曲が選ばれた事を事前にSxun君に報告しておけば良かったんですけど、それを怠ってしまいました。Sxun君も常に状況を共有して欲しい、と話していたことだったので...。

 その選ばれた曲自体もほぼ完成していたので、Sxun君も何も言えない状況だったので。それでメンバーとSxun君とで電話で話したんですけど、みんなの思っていたこととか、その時にぶつけ合って、腹を割って話せた感覚がありました。順番をすっ飛ばしてしまったのは、すごく申し訳ないなと思っています。

――反省点もあったんですね。

 ちゃんと見える状態で制作していこうという話だったので。でも、その話合いでより理解し合えたので、制作も佳境でしたけど、良いものが作れたと思っています。

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