佐々木蔵之介が演じた高原(C)2020「記憶屋」製作委員会

 山田涼介が主演を務める映画『記憶屋 あなたを忘れない』(17日公開)で、平川雄一朗監督の心のよりどころだったのが佐々木蔵之介だったという。撮影現場に活きる佐々木のベテラン力とは何か。

 映画は、シリーズ累計50万部を超える織守きょうやの小説「記憶屋」が原作。恋人の記憶を取り戻すため記憶屋探しに奔走する大学生・遼一を「Hey! Say! JUMP」の山田涼介、遼一の幼馴染・真希を芳根京子、遼一の記憶だけを失ってしまった恋人・杏子を蓮佛美沙子、遼一と共に記憶屋探しをする弁護士・高原を佐々木蔵之介が演じ、監督は『ツナグ』、「天皇の料理番」、「義母と娘のブルース」の平川雄一朗が務める。

 佐々木蔵之介といえば、舞台からテレビドラマ、そして映画とあらゆるフィールドで活躍する、実力派俳優。そんな佐々木の存在は、数々の大ヒット映画やドラマを手がけ、本作の監督も務めている平川雄一朗とって大きな心の拠り所だったという。

 平川監督は「とても助けられました。年上だし、モノづくりにおいて先輩だし。本当は僕が現場の中で父親のような存在にならなければいけないと思っていましたが、僕もなりふり構っていられませんでしたから。そこは佐々木さんにお任せしてしまいました。すごく凄く頼りにしていました」とその存在の大きさを明かした。

 更に佐々木は、自身が演じる弁護士・高原のキャラクターや、一緒に記憶屋を探すことになる主人公遼一との関係性に関しても、原作にはないアイディアを提案していたという。『パーフェクトワールド 君といる奇跡』(18)や『居眠り磐音』(19)などを世に送り出してきた本作のプロデューサー・西麻美は「佐々木さんは『監督、高原と遼一の関係を少し変えていいですか?』と提案されていました。遼一と高原のかけあいがクスッと笑えるのは、佐々木さんのアイディアによるものでした」と現場での佐々木を振り返る。

 佐々木は「高原は、遼一と出会いバディを組み、記憶屋を探すために一緒に広島まで行くことになるので、短時間で2人の関係を近くさせる必要がありました。それを会話だけで表現するのではなく、ふいに遼一を“くすぐる”といったような、肉体的な接触をすることで遼一の笑顔を引き出せないかと考えたのです」とその理由を明かす。

 佐々木のアイディアによって生まれた遼一と高原の関係はまるでバディのようで、どんな困難にも正面からぶつかっていく真っすぐな好青年と弁護士の凸凹コンビは、どこかユーモラスで作品にホッコリとした暖かみを与えている。

 一座を引っ張る監督にすら頼られるという、佐々木のベテラン力。佐々木は「この年でバディものに出演すると、年下の役者の方と組むことが多くなります。もちろん“しっかりせねば!”と思うこともありますが、先輩方とご一緒する時よりは隙を見せることは多くなるかもしれません。隙をみせることで現場を和ませることも出来ますからね」と現場の空気感にまで気を配っていたことを話した。

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