パノラマパナマタウン「楽しさを共有したい」未知へ飛び込むバンドの姿勢
INTERVIEW

パノラマパナマタウン「楽しさを共有したい」未知へ飛び込むバンドの姿勢


記者:村上順一

撮影:

掲載:19年11月20日

読了時間:約12分

 神戸出身のオルタナティブロックバンドのパノラマパナマタウンが11月13日、ミニアルバム『GINGAKEI』をリリース。新譜は未知へ飛び込む、今までやったことがないことへの挑戦が感じられる作品で、これまで配信リリースされた「Dive to Mars」や「ずっとマイペース」を含む全7曲を収録。インタビューではトラックに打ち込みを多用した意図や、話し合いを経て、4人が向かうべきところがわかったと話す経緯など、今のパノラマパナマタウンの素顔に迫った。【取材=村上順一/撮影=片山 拓】

これが自分たちの自然な姿なんじゃないか

岩渕想太

――今バンドはどのような方向に向かっているのでしょうか。

岩渕想太 「Dive to Mars」で未知に向かって飛び込めということを歌っているんですけど、まさにそういうモードなんです。今作は未知へ向かうというコンセプトが先にあって作り始めた作品で、コンセプトありきで作ったのは初めてでした。4人で向かうべきものが分かっていて、進んでいっています。

――その未知へ飛び込む姿勢は今年の3月から5月に掛けておこなわれたツアー『1st full album "情熱とユーモア" release tour「HUMAN PARTY」』の後に生まれた感覚?

岩渕想太 ツアー中です。ツアーを回っている時にバンドってこうあるべきなんじゃないかという枠があったと思っていて。頭では「自由だ」というのは認識出来ているけど、実際は飛び出せていない気がしていました。でも、ツアーを回っていくにつれて、ラフにナチュラルに出来るようになって楽しくやれるようになって、これが自分たちの自然な姿なんじゃないかなと思えました。バンド始めた時はこんな感じだったなと思い出した部分もありました。

――そのスタンスが作品にも出ているんですね。今作はタノさんの作曲した曲が多いのですが、楽曲はどのような基準で決まっていったんですか。

タノ アキヒコ 前作は2曲書いたんですけど、ツアーをやっていく中ですごく楽しくて、こういう曲があったらもっと良いなと思って作っていたものが採用された感じです。たくさん作ったのでボツになったのもけっこうありましたけど。

――すごく作曲がのってるんですね。

タノ アキヒコ このバンドならなんでも出来るし、どんな曲にしようかとイメージを膨らましていると、どんどん出来ました。今作はループ感だったり、ノレる曲が多いと思います。

――今作のきっかけになった曲はありましたか。

タノ アキヒコ 「ずっとマイペース」が最初にできて、この曲が飛び道具的なピアノだったり、ループ感があったので、この曲をベースに他の曲も出来た感覚があります。

岩渕想太 「ずっとマイペース」のような、このBPMで躍らせるというのが、今の自分たちにすごく合っているんじゃないかなと思いました。今まではもっとテンポが早い曲も多かったんですけど、聴いている人たちにも余白を残すような感じで、みんなも楽しめて言葉がストレートに入ってくるようなものにしたいと思いました。

――夢希さんは今回どのようにアプローチしようと?

タノ アキヒコ

田村夢希 今回は打ち込みが多いんです。それもあってすごくタイトでバンドにあまりないノリだなと思います。テンポが少し下げたというところは、バンドとしての幅を出せたなと感じています。それもあって、ライブでどうやってこの打ち込みを生に置き換えていくのか、というのが、僕の今の課題なのかなと。

――ドラマーがいる中で、打ち込みをメインに持って来るというのは大胆だなと思いました。

田村夢希 最初このアイデアが出た時、みんなで話し合ったんです。「ずっとマイペース」が出来て、次の曲をどうするか、というところでの戦いはありました。話し合った結果、打ち込みならその良さを出すしかないと。でも、今バンドがそういうモードなら、僕もそれに乗ってみようと思いました。

浪越康平 僕はバンドサウンドの曲がやりたくて、「ずっとマイペース」が出来た時に、方向性について議論をしました。その話の中でループトラックの中でラップとギターを乗せて行こうということになりました。その中で自分がどう楽しめるかというところをメンバーやプロデューサーと考えて、パノラマパナマタウンというトラックにギタリストがフィーチャリングしているような、パノラマパナマタウン feat. 浪越康平といったアプローチにしようとなって。

――今作のギターはかなり多彩だなと思いました。一聴すると打ち込みっぽい感じもあったり。

浪越康平 「HEAT ADDICTION ~灼熱中毒~」や「Dive to Mars」はサビやギターソロは録ったものをそのまま生かしているんですけど、逆にリフなんかは一度録ったものを敢えてループさせてみたり、トラックに溶け込ませてみたりしています。

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