神戸出身のオルタナティヴロックバンド・Panorama Panama Town(以下PPT)が14日、東京キネマ倶楽部で『Panorama Panama Town One-man Live 2021-2022 "Face to Face”』を行った。ライブは昨年11月にリリースしたミニアルバム『Faces』を携えて、12月の兵庫・クラブ月世界と東京キネマ倶楽部の2カ所で開催するというもの。ファイナル公演となった東京公演ではミニアルバム『Faces』の楽曲を中心に、アンコール含め全18曲を披露した。「全てを出し切って帰りたい」という意気込みの中、終始熱いパフォーマンスを展開したライブの模様を以下にレポートする。【取材=村上順一】

2年間の集大成をこのステージで

Panorama Panama Town(撮影=浜野カズシ)

 もともとグランドキャバレーだった東京キネマ倶楽部。大正ロマンを感じさせる場所ということもあり、いつもとは違ったフォーマルな衣装で登場したPPTメンバー。今回は横一列にメンバーが並ぶ立ち位置で、それも新鮮だった。

 ライブのオープニングを飾ったのは、ミニアルバム『Faces』でも1曲目に収録されている「King's Eyes」だ。ソリッドな岩渕想太(Vo.Gt)のギターカッティング、浪越康平(Gt)のメロディアスなギター、タノアキヒコ(Ba)の安定感のある低音、サポートメンバー大見勇人(Dr)によるクールなビートにオーディエンスも身体を揺らし楽しむ。2曲目はインディーズ時代の代表曲「いい趣味してるね」を投下。さらに続けて熱量の高い「Algorithm」「100yen coffee」と最新のPPTを余すことなく打ち出し、序盤からクライマックスかのような空間を作り出す。

岩渕想太(撮影=浜野カズシ)

 集まったオーディエンスと新年の挨拶を交わし、我々の高揚感を煽るギターのフィードバック音から、ニューウェーブ的なサウンドが印象的な「月の裏側」、そしてミディアムナンバー「真夜中の虹」、メッセージ性が強い「Dogs」とカラフルなセットリストで楽しませた。

 岩渕は「すごく感謝しています。集まってくれてありがとうございます。全てを出し切って帰りたいなと思っています」と告げ、アナログディレイを発信させたかのような、けたたましいサウンドから「ラプチャー」に突入。キャリアを重ね、よりスケールの大きさを感じさせた演奏と歌はこれまで以上の光を感じさせてくれた。そして、洗練されたPPTを見せた「Faceless」は、ビートとメロディの親和性の高さを感じさせ、さらに剥き出しの感情をぶつけたかのような「氾濫」で、野生的なPPTを魅せるという、バンドのスタイルのコントラストが際立ったセクションだった。

浪越康平(撮影=浜野カズシ)

 ライブは後半戦へ突入。アグレッシブなロックサウンドがステージとフロアとの一体感を作り出した「Rodeo」。真っ赤に染まるステージでビートに合わせて拳を掲げライブならではの熱い空間に。<Rodeo Rodeo>の後半のコーラスがテンションを高めてくれる。そして、FODドラマ『ギヴン』主題歌の「Strange Days」でメロディの力強さを感じさせてくれた。

タノアキヒコ(撮影=浜野カズシ)

 岩渕のポリープ切除、メンバーの脱退、コロナ禍とバンドにとっての困難を乗り越え、今のメンバーで試行錯誤してきたPPT。「2年間の集大成をこのステージで見せることが出来れば」と、意気込みを伝え「SO YOUNG」を届けた。彼らのアンセムソングとも捉えられるような楽曲でオーディエンスを扇情。続いてドラマ『ギヴン』劇中バンドthe seasonsへの書き下ろし楽曲である「Melody Lane」はPPTバージョンとしてまた違った一面を届けてくれた。本編ラストは「Sad Good Night」で、全身全霊のパフォーマンスを見せ、ステージを後にした。

もっと遊び場を広げていきたい

Panorama Panama Town(撮影=浜野カズシ)

 アンコールは「Seagull Weather」でスタート。ミニアルバム『Faces』収録曲の中でもカラーが違う一曲だ。なんともほっこりとしたナンバーに、オーディエンスも身体を揺らし、ビートに身を委ねていた。生で体感すると音源とはまた違った味わいがあったのも、印象的なナンバーだった。

 MCでは岩渕がハマっているという温冷交互浴について語る場面も。メンバーも交互浴をしているという話題で素のメンバーが垣間見れた瞬間。そして、2022年は「もっと遊び場を広げていきたい」と、展望を語る。その一環として『PANE FES 2022』を4月に兵庫・KOBE Harbor Studioと神奈川・Yokohama Bay Hallの2カ所で開催することを発表。2020年に野音で開催予定だったが、コロナ禍で中止となっていたイベントが満を辞して開催する運びとなった。

Panorama Panama Town(撮影=浜野カズシ)

 そんな嬉しいお知らせに続いて、彼らの代表曲「MOMO」と「世界最後になる歌は」の2曲を投下。「世界最後になる歌は」では、岩渕はハンドマイクでステージを動き回りながら歌唱。東京キネマ倶楽部の特徴でもある中二階にあるサブステージも使用したパフォーマンスで沸かせ、ボルテージは最高調のなか、ツアーファイナルの幕は閉じた。

 この2年間の集大成を見せたいという気持ちが演奏に表れていた完成度の高いライブだった。過剰なパフォーマンスで見せるというわけではなく、余計なものを削ぎ落とし、すごくソリッドなステージで、音やグルーヴに重点を置いていることがひしひしと伝わってきた。4月に行われるフェスではどんな姿、音を届けてくれるのか、期待が高まった。

Panorama Panama Town(撮影=浜野カズシ)

セットリスト

01.King's Eyes
02.いい趣味してるね
03.Algorithm
04.100yen coffee
05.月の裏側
06.真夜中の虹
07.Dogs
08.ラプチャー
09.Faceless
10.氾濫
11.Rodeo
12.Strange Days
13.SO YOUNG
14.Melody Lane
15.Sad Good Night

ENCORE

EN1.Seagull Weather
EN2.MOMO
EN3.世界最後になる歌は

<セットリストプレイリスト>

<ライブ情報>
「PANA FES 2022』
4/9(土)兵庫・KOBE Harbor Studio
4/16(土)神奈川・Yokohama Bay Hall
OPEN 14:00 / START 15:00
ADV 5,000円(税込) 1Drink別途要

チケット販売スケジュールは『PANA FES 2022』オフィシャルサイトをご確認ください。
https://www.panoramapanamatown.com/2022/

<アルバム情報>

Mini Album『Faces』
2021年11月24日(水) RELEASE
AZCS-1103/2,200円(税別)
<収録曲>
1.King’s Eyes
2.Strange Days(FODオリジナルドラマ「ギヴン」主題歌)
3.100yen coffee
4.Faceless
5.Seagull Weather
6.Algorithm
7.Melody Lane
配信/オンライン販売リンク
https://a-sketch-inc.lnk.to/PanoramaPanamaTown_Faces

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