友達に求める「自分にないもの」
――竜を演じた寛一郎さんとの撮影はいかがでしたか?
すごく和気あいあいと撮影をしていました。寛一郎さんと演じるシーンが多くて、竜は、フラットで自然、オーラもあるしスラっとしている。すごく落ち着いていて、年齢よりも大人びていて、完璧な男。だけど、少し埴猪口(へなちょこ)で「え? 大丈夫?」とこちらが心配になってしまうところや、意思が固まっていないところは、静とは正反対。良いバランスで支え合っていると思います。そういう竜に、寛一郎さんがマッチしているように感じていました。私は寛一郎さんが演じる竜が好きで、こういう所で竜にちょっかいを出してみたり、ここでは引いてみたりと、そういう感情がお芝居の中でも発見できて、すごく楽しかったです。寛一郎さんじゃなかったら絶対に竜は成立していなかったと思います。
――となると、静も、寛一郎さんの竜ではなかったら引き出されていなかった?
それはあると思います。竜の気だるい感じが突っつきたくなるというか。でも竜の方が外の世界を知っている。静はそれには勝てない。その2人が良いバランスで出せたのかなと思います。
――お互いにないものを求めているという感じですね。
そうです。
――山口さんにもそういうところはありますか?
あります! 友達には、自分が持っていないものを求めている傾向にあって…。例えば、私が持っていない面白いところを持っているとすごく関わりたくなる。友達になりたくて興味深く近づいていく。私の回りの友達は、どこか似ていますが、自分とは違う要素を持った方が多いかもしれないですね。
――面白さというのは人間としての面白さ?
そうです。考え方や価値観というか。自分とは別の考え方を持っていて、例えば自分が苦しいときに相談すると、思っていたものとは全く違う答えが返ってくる。それだけでも勇気がもらえます。
――山口さんは、他人の考え方を受け入れられる方なんですね。
受け入れられますが、逆に流されやすいタイプでもあります(笑)。環境にも、人の意見にも流されるんですよ。良い意味でも悪い意味でも流されて、でも中心に持っている核みたいなところはきっとあって。それを折れさせないために、あるいはバリアを張らないといけないという時は、人と会わなくなることもあります。引きこもるということではなくて、一時的に友達に会わないとか、自分の時間を作ってコントロールしています。
――自分の内面をちゃんと向き合えるタイプなんですね。
そうだと思います。それと、高校3年生の受験の時に、考える時間があって、その時にいろいろと気づけたところがありました。人の出会いはこれからも増えていくと思いますし、そうやってどんどん変えられる、流されていく。良い意味でも悪い意味でも。でもそうしたものを取り入れていく生き方が自分には合っているんだろうなと思います。








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