きっと間違っていない――、ラストアイドル 戦い続けた先に見た自覚と確信
INTERVIEW

きっと間違っていない――、ラストアイドル 戦い続けた先に見た自覚と確信


記者:木村武雄

撮影:

掲載:19年09月11日

読了時間:約20分

夢の先にある新たな夢

――さて「青春トレイン」ですが、印象深い歌詞を教えてください。

阿部菜々実 この曲は「葛藤」がテーマになっていて、大人になるかならないか、という点や、私たちラストアイドルだけじゃなくて、みんなにも通じるテーマが描かれています。私が共感している歌詞は<死ぬまで夢を見てなきゃ/生きてる意味がないじゃないか?/叶うか叶わないかより/目指すものがあればいいさ>。私もずっとアイドルで売れたいと思ってやってきていて、昔の私からしたら叶っている夢もいくつかあるんですけど、でも今の私は現状に満足していないし、夢を見続けていられるからこそ、すごく楽しく生きられていると思います。もし夢が全部なくなってしまったら、活力も失われてしまうと思うし、叶うか叶わないかよりも見続けることが人生のなかでは大事だと思っています。そういう点でもこの歌詞はすごく響いたし、誰でも人生生きていればこういう気持ちになると思うので、いろんな人の背中を押せたらと思います。

――その夢は叶った後、更新している?

阿部菜々実 夢だと思っていたことも、叶ってしまったら意外とあっさりしていて。夢を見て、叶った瞬間、「あ! 叶っちゃった」という少しあっけないというか、そんな感じなんですよ。例えば音楽番組に出たときも当時は嬉しい気持ちだったけど、その反面今の私たちで大丈夫かなとも思って。達成感ももちろんあったけど「また、次も出たい、これで終わったら意味がない」と思ってまた次の夢も出てきています。

阿部菜々実

阿部菜々実

――夢が叶ったときは嬉しいけど、振り返ると確かにあっけないですよね。でもそうやってステップアップするものだと思います。池松さんの夢は?

池松愛理 私は23歳なので「ラストアイドルが売れたい」とずっと思っています。

――課題はありますか?

池松愛理 私も『音楽番組に出たい!』と思っていたけど、これが達成、更新したら、『次は何だろう…』と。そうなると紅白歌合戦が出てくるけど、今の私たちには出られない。ではどうすれば出られるか、何をすればいいのか、何が足らないのだろうと。夢を叶えるためにメンバー自身が葛藤しているし、これじゃいけないと思っているからモヤモヤしているし、でもそうやって次のステップに向けて頑張っていることが大切だと思います。

――確かにそうですね。ラストアイドルはそうやっていろんな壁を越えてステップアップしていますからね。篠原さんはいかがですか?

篠原望 「青春トレイン」を最初に聴いたときは歌詞を深くまで理解はできなかったけど、それでも心にくるものはあって。それで改めて深く聴いてみると、今のラストアイドルだからこそ歌えることをすごく感じて、どの歌詞かというよりも全部心にくる。たぶん捉え方は聴く人によっても違うし、私も1年後に聴くとまた捉え方が変わってくると思う。いろんな人に共感してもらえる歌詞でもあるので、ファンの方にも、新しく知ってくださる方に届いてほしいです。

――大場さんは?

大場結女 私は<どこへ向かっているのかなんて/聞いちゃいけないんだろう>と<希望持たずに 自分捨てれば/ここもそんなに悪くない>の2カ所です。この歌詞を読んだときに、ラストアイドルのことを言っているのかなって思えて。ほかのアイドルさんのようにしたいと思うこともあったけど、でもそういうことは思わないで、ここにいることを客観的に見て判断しないといけないと。1年前の私からしたら幸せなことですい、もともと大好きなグループだからここに入れたことだけでも良いことで、それだけで満足。だからほかのアイドルさんと比べる必要はないし、ラストアイドルでいろんな挑戦していろんな経験をしてそれでいいと思えて。今回の企画も最初聞いたとき辛いと思ったけど、でも前向きな気持ちで頑張れました。だから、私みたいに周りの人や環境と比べてしまっている人がいたらぜひこの歌詞を読んでほしいと思います。

――挑戦することがラストアイドルの宿命だし、それが「らしさ」でもあります。阿部さんは今のラストアイドルをどう見ていますか?

阿部菜々実 凄く葛藤している時期かなと思います。最初は個人戦やユニット戦をしていたけど、今はアイドルとはあまり関係ないことをしたりとか、最初のコンセプトとは変わってきているけど、でもそれは間違っていないと思って頑張るしかないし、きっと間違っていないと今は思えるようになってきました。ここが踏ん張りどころ。この曲がラストアイドルにとって大事な曲になると思う。認めてもらうには時間がかかるかもしれないけど、努力しても報われないかもしれないけど、努力しないと報われるチャンスも得られないから、この環境に必死にくらいついて頑張っていきたい。

長月翠 ここで頑張れるか頑張れないかで変わってくると思います。

――秋元康さんが過去に、シュークリームロケッツに「やり続けた1センチ先に夢がある」と言っていました。今もこの言葉は胸にありますか?

長月翠 その言葉はいま残っているし、表題曲バトルも手を伸ばし続けたから掴めたので、今度はラストアイドル全員でその言葉を大事に掴んでいきたいと思います。

ラストアイドル

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(おわり)

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阿部菜々実
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池松愛理
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長月翠
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大場結女
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篠原望
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