Uru、アニメ『グランベルム』EDテーマに込めた“願い”とは
INTERVIEW

Uru

アニメ『グランベルム』EDテーマに込めた“願い”とは


記者:村上順一

撮影:

掲載:19年09月11日

読了時間:約9分

 シンガーソングライターのUruが9月11日、通算8枚目となるシングル「願い」をリリース。「願い」はアニメ『グランベルム』のエンディングテーマに起用され、現在OA中。アニメの世界観とUruの透明感のある憂いを帯びた歌声がマッチし、より深くアニメ作品に想いを馳せられるような一曲に仕上がった。MusicVoiceはそのUruにメールインタビューを実施。今作に込められた想いや、デビュー3周年を6月に迎え、4年目に突入した彼女に、シンガーとしての意識変化についてなど聞いた。【取材=村上順一】

数年前の自分は今の自分を決して想像できていなかった

――「願い」はアニメ『グランベルム』のエンディングテーマとしてOA中ですが、このアニメ作品からどのようなことを感じ取り、作詞に向き合ったのでしょうか。

 魔術師たちの戦いということで、力強く男性的なイメージを抱いていたのですが、登場人物が主に「少女」たちというのがすごく印象的でした。戦う理由や少女たちそれぞれのおかれている環境も違って、それが原動力となって突き動かされている姿や、セリフにもハッとさせられるものがありました。アニメの世界だけれど、私たちの日常生活にも通ずるものがあるな、と思いました。歌詞は、先方からキーワードをいくつか頂いていたので、それをヒントにして書き進めていきました。脚本を読んでいると、力強さや勇ましさ、それとは反対の孤独や葛藤、生き辛さみたいなものを感じたので、それらが共存するような曲を目指して書きました。

――制作、歌唱するに当たって気をつけたところ、こだわったところを教えて下さい。

 サビの、「大事なものボロボロこぼしながら」という部分が一番最初に決まった歌詞なのですが、この「ボロボロ」というイメージしやすい擬音を印象的に歌いたくて、レコーディングでもここをこだわって何度も録り直したりしました。例えば、何かに向かって頑張っている方がこの曲を聴いた時に、共感してもらえる部分があったら嬉しいなという気持ちもありました。頑張っている時って、頑張っているからこそ周りが見えなくなったり躓いたり転んだりして、傷もいつの間にか増えていたりするし時々弱気にもなるけれど、そんな時にこの曲を聴いたら、「頑張ろう」と強い気持ちになってもらえたら嬉しいなという想いも、この歌にはこもっています。

――生活の中の何か別のものを代入して考えたとのことですが、具体的にはどのようなものでしょうか。

 「お金」とか「地位」とか「名誉」とか「プライド」などです。そういったものの為に争ったり罵り合ったりしてしまうところが、『グランベルム』でいう魔術を使って傷つけあう部分に似ているな…と思いました。新月が思っていたように、そうなってしまうのであれば、そんなものは「いらない」と思ってしまう事もあるよなあ、と。

――アニメ『グランベルム』のセリフからもインスパイアを受け、胸に響くセリフがあったとのことですが、特に印象的に響いたセリフはどんな言葉でしたか。

 満月の、「私には何もないから」「誰かに気付いて欲しいんだよね、私がいるってこと」というセリフなどです。存在を誰かに認めてもらいたいと思うのは、きっとみんなあるんじゃないかなと思いますし、自分に自信がなくて、何をやっても中途半端だった経験が私にもあったので「私には何もないから」というセリフはすごく印象的でした。

 あとは、3話の新月が言った、「終わりにしたいのです。」「魔力さえなければ、こんな戦いも、憎しみも…」というセリフです。魔術師の頂点を目指しているけれど、本当はこんなもの無くなってしまえばいいと思っていて、だからこそ自分が頂点になってそれを無くすために戦い続けているという姿にグッときました。それが、サビの<いらない>に繋がっています。

――歌詞にある<歩く>という言葉も印象的でした。今、Uruさんはアーティスト、歌手としてどのような道を歩んでいますか。

 いい夢を見させてもらっているな、という感覚がいつもあるので、夢の道ですかね。夢は、眠って見る方の夢です。自分一人では絶対に成し得ない事をやらせて頂いているということと、数年前の自分は今の自分を決して想像できていなかったと思うので。いつか目が覚めても、「いい夢だったな」と言えたらすごく幸せです。

――もし一つだけ願いが叶うとしたら、どのようなことを願いますか。

 迷いますね…(笑)。なんだろう…。その時食べたい物が、作らなくても買いに行かなくても、念じるだけで出来上がる奇跡の電子レンジがもらえて、尚且つどれだけ食べても太らないという魔法の体になれるというプレミアチケットが当たりますように。そしてその電子レンジで出来た食べ物を食べると、ずっと願いが叶い続けるというおまけ付きプラン。

――「願い」のテーマでもある何気ない日常の中の幸せ、Uruさんにとって何気ない日常の中で一番幸せを感じることは何でしょうか。

 美味しいご飯を食べる時や人に会って話をしたりしている時、寝る瞬間ですかね。特にお風呂上がりのアイスは日常に溶け込んだ幸せです。アイスなだけに。

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