かめがい(vo)、かわむら(ds)の2人組“超セカイ系”ポップ・バンドのポップしなないでが8月7日、3枚目となるミニアルバム『禁じられてはいない遊び』をリリース。2018年10月にミニアルバム『CDはもう売れない』を発表し、2019年に入ってからは自主企画ライブを積極的におこなっている。精力的に活動する2人が、ポップスと改めて向き合い作り上げた新譜は、ポップしなないでの自由な発想や活動をそのまま音にしたような作品に仕上がった。インタビューでは自主企画ライブの手応えや、今作を作る上で考えていたこと、2人が思うプロとはどんなものなのか話を聞いた。【取材=村上順一/撮影=木村陽仁】
タイトルは自分たちの存在自体を表す言葉
――2019年上半期はいかがでしたか。
かめがい ちょうど今作『禁じられてはいない遊び』の制作が今年の頭から始まって、レコーディングと3月の自主企画ライブと色々やってました。あと、初めて行かせて頂いた場所もあったりしたので、この半年間はあっという間でした。
かわむら 今までやったことがない事をやらせて頂いていたので、充実していました。
――その自主企画の手応えはいかがでしたか。
かめがい 手応え、めっちゃありました!
かわむら 僕らは今まで外に向けてやって来こなかった印象があるんですけど、それを頑張って広げていこうとやってみて、我々を知らない人も見てくれるようになって、それに対して我々のアプローチも変わって。もちろん反省点もあるんですけど。
――課題のような?
かわむら そうです。僕らはフィジカルなバンドだと思っていて、そこが良さでもあると思うんですけど、もう少し冒険、――ふざけても良かったのかなと。でも、修業の半年だと思えば反省点でもあり、面白かったところでもあるかなと。ストイックに出来た部分でもあると思います。
――かめがいさんはこの半年間だと課題みたいなものは見つかりましたか?
かめがい 昨年末に初めてワンマンライブをやらせて頂いて、2時間ステージで歌ってみて、思っていた以上に体力の消耗が激しかったんです。それもあってフィジカルな体力と歌うための体力をもっとつけないとなと思いました。
かわむら 6月の企画ライブでは、ここまでの遊び心の集大成を見せられたと思っています。
――9月から始まるツアーへのとっかかりにもなるライブになったのではないでしょうか。さて、今作『禁じられてはいない遊び』のタイトルも、前作『CDはもう売れない』に続いて面白いなと思ったのですが、どのような思いが込められているのでしょうか。
かわむら 前作の『CDはもう売れない』は、我々のスタンスみたいなものをアルバムを通してやってみようと思って作ったものでした。今回は自分たちの存在自体を表す言葉に出来たらなと思っていて、メタ的ではあるんですけど。
――結構悩まれたみたいですけど。
かわむら そうですね。自分たちが発信するものを表す言葉にしたくて、軸にあるのはリードの「丑三キャットウォーク」と「Creation」2曲なんですけど、考えた結果出てきた言葉の中で一番しっくりと来たのが『禁じられてはいない遊び』という言葉だったんです。他の候補もあったんですけどしっくり来なくて…。
かめがい 「ビリヤニ」というのがあったんですけど(笑)。
かわむら 僕は「ビリヤニ」が好きなんですけど、このタイトルで「Creation」をやるのもどうかなと。前作だったら「ビリヤニ」もありだったかなと。でも、気に入っているのでいずれはこのタイトルのアルバムも作りたいですね。
――かめがいさんはアイデアは出さないんですか。
かめがい 出さないです。私は「それだ!」という係なので(笑)。かわむら君が全てにおいて考えてくれて、私はそれを後押しする事ぐらいしかしてない…。
かわむら 自分がこれはどうだろうと思うようなアイデアについては、かめがいさんは反応してくれない、逆にこれはバッチリだろうという時は反応してくれるので、俺の本心、潜在意識が、この世に現れたみたいな感じがあるかもしれないです。
かめがい 初めて聞いた(笑)。