INTERVIEW

福本莉子

感情を大切にしたい――、人間っぽさを見た「あらしのよるに」


記者:木村武雄

写真:

掲載:19年08月01日

読了時間:約7分

アンサンブル、演奏が作り出す世界観

 福本にとって舞台出演は、昨年上演のミュージカル『魔女の宅急便』(主演・キキ役)以来2度目となる。今回は、歌唱がセリフの合間に挟まれるミュージカルとはやや異なる音楽劇。歌い手や、トランペット、クラリネット、パーカッション、アコーディオン、サックスの楽器隊が歌や演奏を通じて情景などを作り出す。楽師は稽古の1週目から参加する力の入れようだ。

 「アンサンブルや楽師の方が『あらしのよるに』の世界観を作ってくださるので、私はその世界に入って、メイとして精いっぱいに生きるしかないと思っています。今回、嵐や吹雪、洞窟などもアンサンブルで表現していて、みなさんが世界観を作ってくださるんです」

 ミュージカルと音楽劇。演じるにあたっての違いは「ない」という福本だが、「迫力もすごくありますし、吹雪のシーンとか吹雪のなかにいるような気持ちになります。私にとっては初めての生演奏での舞台になるので、すごく新鮮というかその世界にいるような気持ちにさせてくれます。なので、稽古もすごく楽しんでいます」と気持ちは高ぶっている様子だ。

 また、ともに主演を務める渡部を、オフィシャルコメントでは「背が高くてまさにワイルドな狼! という第一印象でしたが、お話してみたらとても朗らかで柔らかい方でした」と語っていたが、稽古を通じて渡部から学ぶことが多くあるという。

 「『魔女の宅急便』もそうでしたが、『ここのシーンはどうしようか』などいろんなアイデアを出し合ってそのなかで一番いいものを選ぶ、という方式です。みんなで『ここはこうした方がいいんじゃない』という時に、渡部さんが『こういうこともできるよ』とたくさんヒントを提示してくださいます。私にとっては『そういう解決方法があるんだ』という発見がたくさんあって。それと不慣れでお芝居に集中すると立ち位置を忘れて見切れてしまって。そういうことも渡部さんは『こっちを向いた方がお客さんに顔が見えるよ』と教えてくださって。ですので、頼りにしている先輩です」

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