INTERVIEW

福本莉子×高橋恭平

ドラマ「ストロボ・エッジ」“青春ど真ん中”再現の裏側


記者:編集部

写真:©WOWOW

掲載:25年11月04日

読了時間:約7分

 福本莉子と高橋恭平が、WOWOWで放送・配信中の連続ドラマW-30「ストロボ・エッジ Season1」(10月31日・金曜午後11時〜)でW主演を務める。福本はヒロイン・木下仁菜子、高橋は仁菜子の初恋の相手となる一ノ瀬蓮を演じる。

 原作は、漫画家・咲坂伊緒氏の“青春三部作”のひとつであり、後に続く『アオハライド』『思い、思われ、ふり、ふられ』の原点とも言える同名作品。全10巻にわたる物語の魅力を余すことなく描くため、Season1/Season2の2部作で放送・配信する。

 『ストロボ・エッジ』初の連続ドラマ化にあたり、2023年~2024年にWOWOWで放送・配信された「連続ドラマW-30」枠の『アオハライド Season1/Season2』の制作チームが再び集結した。福本莉子と高橋恭平の2人にインタビューを実施。原作への深いリスペクトと、撮影現場でのエピソード、隠れた見どころについて話を聞いた。

関西出身の2人 会話のテンポや波長が合う

「ストロボ・エッジ Season1」場面カット©WOWOW

――連続ドラマ化決定、そしてお二人の主演発表時の周囲の反響はいかがでしたか?

福本莉子 学生時代に愛読していた青春ど真ん中の作品なので、木下仁菜子として参加できるなんて夢にも思ってなくて、嬉しさと同時にとても驚きました。友人からは「懐かしい」と言われたり、「ドラマやるんだね」という声がありました。

高橋恭平 元々知っていたすごく人気のある作品の一ノ瀬蓮を演じさせていただけるということで、素直に嬉しかったです。なにわ男子のメンバーも横浜アリーナでのライブ中にドラマについて触れてくれて、丈くん(藤原丈一郎)がティザービジュアルを真似して一緒にポーズを取ったりしていました。

――お互いの第一印象、そして撮影を通じて印象はどのように変化しましたか?

高橋恭平 お互い関西出身ということもあり、話しやすいだろうなとは思っていました。僕は人見知りなところもあるので、初めてお会いした時は、福本さんの出方をうかがっていたのですが、撮影に入ってからは、関西弁のイントネーションの違いや大阪の某テーマパークの話などでだんだん打ち解け、最終的には友達のような関係になれたと思っています。

福本莉子 会話のテンポとか波長が合うんです。普段の高橋さんは、蓮くんとは対照的で、高橋さんとして話す時間の方が長かったので、蓮くんとして認識するのにちょっと時間がかかりました。

高橋恭平 福本さん、(山下)幸輝と一緒のシーンが多かったのですが、全員違うタイプの関西人だったので、すごく良いバランスで撮影を楽しめました。

鎖骨を把握するところから始まった

「ストロボ・エッジ Season1」場面カット©WOWOW

――演じる役とご自身が似ていると感じる点や、役作りの上で特に意識した点はありますか?

福本莉子 仁菜子は本当に素直で真っ直ぐな子なのですが、私も仁菜子と同じように割と感情が顔にすぐ出てしまうタイプなので、嘘がつけないところが似ているなと思います。役作りの上では、仁菜子が蓮くんと出会って初めて恋を知り芽生えてくる感情や表情を一つひとつ丁寧に演じることを大切にしました。

高橋恭平 蓮はクールに見られがちで、近寄りがたい印象ですが、僕も普段からそう見られることがあるので、そこは似ているかもしれません。ただ、喋ると「印象と違うね」とよく言われます(笑)。役作りでは、基本的にクールな蓮が、物語が進むにつれて徐々に変化していく表情、ふとした笑顔とかを大切にしていました。

――撮影現場で印象に残っているエピソードや、刺激を受けたシーン、難しかったと感じる部分はありましたか?

福本莉子 Season1では、仁菜子が蓮君に告白して、その後も蓮くんへの気持ちを隠しながら友達として接していきます。Season2からは蓮くんの過去や、二人の思いがどんどん交差していくので、そのお芝居はお互いすごく難しいと感じていました。本当の思いを隠している中でのすれ違いのシーンは、繊細な違いを表現するのが特に難しかったです。

高橋恭平 大変なシーンも多かったですが、楽しかったシーンもたくさんありました。誰かがセリフを間違えたらみんなでツッコんだり、和気藹々とした現場でした。

福本莉子 特に学校のシーンでは同世代の共演者が多く、休憩時間にはみんなで話したり、男子チームはみんなでコンビニに行ったりと、学生生活を謳歌しているようでした。

――原作ファンも多い作品ですが、原作を読んだ際に「ときめいた」シーンやセリフはありますか。

福本莉子 山下くん演じる安堂くんのセリフは少女漫画の王道ど真ん中で、「俺と恋をしようよ」や「切なすぎて死ぬ」といったセリフを聞いて『ストロボ・エッジ』だなと思いました。山下くんは安堂くんにぴったりで、実際に演じてみて、普段は言わないようなセリフがとても自然体に聞こえてすごいと感じました。

高橋恭平 不思議ちゃんな部分も含め、(山下)幸輝は安堂役にすごくマッチしてました。

福本莉子 原作の名シーンや名台詞はそのままに多く盛り込まれています。原作のポーズや仕草を再現しつつ、それを現実世界でちゃんと成立させる「良い塩梅」を見つけるのが、実写ならではの難しさでした。

高橋恭平 特に蓮は照れくさい時に「鎖骨を触る」仕草があるのですが、僕自身が鎖骨の位置をあまりよくわかってなくて、鎖骨を把握するところから始まり、苦戦しました(笑)。

福本莉子 最初、肩揉んでたよね。

高橋恭平 監督に「肩こってるの?」って言われて(笑)。「鎖骨はここだよ」って教えていただきました。

隠れたみどころは小道具!?

福本莉子×高橋恭平©WOWOW

――養護教諭・保科千秋役の千葉雄大さん、カフェのオーナー・三好恭一役の伊野尾慧(Hey! Say! JUMP)さんと共演されていかがでしたか?

高橋恭平 千葉さんとは、僕が昔から好きだった特撮戦隊ものの話で盛り上がりました。撮影の待ち時間に僕から「『天装戦隊ゴセイジャー』、めちゃくちゃ観てました!」とお伝えしたら、すごく喜んでくださいました。

 伊野尾くんとは、初めての先輩との共演ということもあり緊張していたのですが、僕らがワイワイしているのを一歩引いて見守ってくれるような、落ち着いた雰囲気の方でした。また、手を包み込むような独特な握手には驚きました(笑)。

福本莉子 伊野尾さんはお肌がツルツルですごくキレイでした。私はお互いおすすめのサウナについてお話したりしました。

高橋恭平 千葉さんと伊野尾くんはとても仲が良くて、現場でイチャイチャをしていたのも印象に残っています(笑)。

――ドラマの中で、注目してほしい「隠れた見どころ」はありますか?

福本莉子 衣裳や髪型は原作にとても忠実です。私が特に感動したのは、蓮くんとの出会いのシーンで登場する「パイナップルのキーホルダー」です。蓮くんが誤って踏んで壊してしまうのですが、本当に原作そっくりで、しかも踏まれたらきちんと壊れるように作られていました。他にも「蝶々のキーホルダー」もガラス製で光が当たるとステンドグラスのように反射して、とても印象的でした。小道具さんのこだわりが細部にまで詰まっていて、見どころの一つになっていると思います。

高橋恭平 「パイナップルのキーホルダー」は本当に力作で、僕はそれを踏んで壊さなければいけなかったので、小道具さんから「これ結構頑張って作ったんで」「あと数個しかないから」と言われ、プレッシャーを感じていましたが、一発でOKでした!

――撮影の合間にキャストの皆さんで流行したことや、印象的なエピソードがあれば教えてください。

福本莉子 間違いなく「あっち向いてホイ」です。撮影現場でずっと流行っていました。もはやそれで「今日の運勢を占う」くらいの指標になっていましたね(笑)。

高橋恭平 本当にずっとやっていました。3秒以上目が合うと、じゃんけんぜずに「あっち向いてホイ」が始まるくらい、習慣になっていました。人数が増えた3人バージョンを「ストロボ・ホイ」と名づけた派生バージョンまで生まれました。

福本莉子 ルールもシンプルなので、手っ取り早く仲良くなれる、魔法のようなゲームです。

高橋恭平 とてもコスパが良かったです(笑)。

(おわり)

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